探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第弐拾伍話-対決

対決-5

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「おっ、お~」
 長四郎は大欠伸をしながら、身体をソファーを起こす。
「あり?」
 起きてすぐに長四郎は、違和感を覚えた。
 何故なら、身に覚えのない場所に自分が居たからだ。
「あ、起きた?」
 聞き覚えのある声がしたので、ゆっくりとそちらの方を向くと燐がキッチンで朝食を作っていた。
 昨晩、燐に見つかった後、美味しい中華料理に舌鼓を打ち、勇仁と飲み明かした後、酔いつぶれた大人二人を燐が勇仁の家に連れ帰ったのだ。
「あれ、ゴミ部屋ではないな。ここ、どこ?」
「お爺様の家よ」
「ああ、通りで綺麗だと思った」
 長四郎がそう言った瞬間、長四郎の横を包丁が通り過ぎていき壁に刺さる。
「何か、言った?」
「いいえ、何も」
「それより、朝ごはん出来たからお爺様を起こしてきて」
「はい! 喜んでぇ!!!!」
 威勢のある居酒屋店員のような返事をした長四郎は、勇仁が寝ている寝室へと向かった。
 寝室に入ると、ジュークボックスが置いてあった。
 長四郎は部屋に置いてあったコインをジュークボックスに入れ、スイッチを押して曲をかけ始める。
 陽気な曲が部屋に流れ始めると、勇仁がベッドから起き上がる。
「ふあ~あ」
 背筋を伸ばして欠伸をする勇仁は、寝ぼけた顔で長四郎を見る。
「粋な起こし方をするな。長さん」
「どこら辺が粋なんだよ」
「でも、いい夢だったなぁ~」
「どんな夢?」
「世界一の美女をものにする男が居るんだよ」
「その男から美女を奪うのが勇仁って話だろ?」
「惜しい。美女をものにするのが俺なんだよ」
「それは、それは」
「ねぇ、くだらない話していないで降りて来て。朝ごはん冷めちゃうから」
 長四郎に投げた包丁を片手に持った燐が二人に促す。
 男二人、気をつけして「ファイ(ハイ)!!!!」と元気よく返事した。
 三人は燐が作った朝ごはんを食べる。
「いや~ 日本に帰ってからの楽しみは燐の手料理」
 勇仁は嬉しそうに胡瓜の浅漬けを口に入れる。
「お爺様。それ、市販品です」
 燐のその言葉に、勇仁はガクッと肩を落とす。
「孫の手料理の味が分からなくなるようじゃボケてきたんじゃない?」
「そ、そんな事ねぇ~し。て言うかさ、長さんの方こそ、内の孫とイチャイチャしてるんじゃないのぉ~」
「どこがだよ。あれ、見てみろよ」
 長四郎が壁に目を向け、勇仁も長四郎の視線に合わせて壁を見る。
 そこには、包丁が刺さった事による穴が空いていた。
「あ~ 壁に穴がぁ~」
「これで、分かったろ。俺達の関係性が」
 長四郎は溜息混じりに、味噌汁を飲む。
「あ、ああ。よく分かった」
 勇仁はそう答えながら、白米を口に入れる。
「で、お二人さん。今日はどこに行くご予定ですか?」
「ど、どこって・・・・・・」勇仁は困った顔で長四郎に助けを求める。
「ど、どこ行こうか・・・・・・」
 長四郎も困った顔で返事する。
 燐には今回の事件について、まだ喋っていなかった。
「怪しい」
「怪しいって。ラモちゃんは学校があるでしょうが」
「そうそう。学校があるある。お爺様命令。学校に行きなさい」
「分かりました」
 燐は不服そうに返事をしながら、白米をかきこむ。
「行ってらっしゃ~い」
 長四郎と勇仁は声を揃えて、学校へ行く燐を送り出す。
「さ、俺たちも行動を開始しますか」
「OK.」
 長四郎と勇仁は小上が殺害された横浜へと再度、向かった。
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