494 / 770
第弐拾漆話-大物
大物-7
しおりを挟む
警視庁捜査一課命捜班の刑事二人は刑事部長に呼び出され、刑事部長室に来ていた。
「何故、呼ばれたか分かるか?」
刑事部長にそう問われ、なんとなく理由は察せる二人だが声を揃えて「知りません」と白を切る。
「君たちは、事件解決の為に変な私立探偵とつるんでいるだろう」
「変な私立探偵。あ、長さんの事ですか。あん人は、事件に巻き込まれる体質なんです。昔から」
「一川君。そんな回答は求めていない。実はな、彼が違法な調査をしているという苦情がきているんんだ」
「違法やったら、逮捕すれば良いじゃないですか」
「絢君、相手方は事を穏便に済まそうとしているんだよ。それを大事にしたいのかね?」
「いや、違法であれば司法に則って検挙するべきかと」
「で、どげんな事をしとるとですか?」
「・・・・・・」刑事部長は質問に答えず、目を逸らす。
「刑事部長も何も知らないということですか」絢巡査長はあきれ返る。
「あの刑事部長。あたしら命捜班が違法な調査をしているのかを捜査するというのは?」
一川警部の提案に黙って頷き了承した刑事部長は手を払い部屋を出ていくように促す。
「では、失礼します!!」
一川警部と絢巡査長は、刑事部長に敬礼をして部屋を出ていく。
「一川さん。長さんの言った展開になってきましたね」
「そうやけど。こげん早くにコンタクトがあるとは思わんかったばい」
「そうですね。行方不明の人が見つからない状態ですし、何か詮索されたくないということでしょうか?」
「取り敢えず、長さんのところに行こう」
「はい。車、取ってきます!」
警視庁の廊下を駆け足で走り抜ける絢巡査長を見送り、一川警部は長四郎に電話をかけるのだった。
「というのが今の現状です」
長四郎は燐に話した事を目の前に座る一川警部と絢巡査長に話した。
一川警部から連絡を貰った長四郎は、森下邸から離れ警視庁と森下邸の中間にある国道沿いのファミレスに場所を移した。
「今の話を聞いていると、森下衆男は紅音々の失踪に絡んでいるような動きにしか見えませんね」
「そうだな。というより、命捜班に俺を排除させるような動きをしてきたことで確証が持てた。あの屋敷に紅音々は居る」
長四郎はそう言って、クリームソーダを胃に流し込む。
「そいで、どげんすると?」
「そうですね。それはこれから考えます」
「あの長さんの見解を聞きたいんですけど。紅音々さんは、殺されていると思いますか? それとも生きていると?」
絢巡査長に質問された長四郎は視線を天井に移して、口を開いた。
「五分五分だと思う。けど」
「けど?」
「屋敷に近づけたくないって事は、生きているってことなのか? 死体を屋敷内に遺棄したのか。屋敷内に忍びこまないと分からんよ」
「って事は、長さんの中ではあの屋敷内に乗り込もうそう考えているってこと?」
「刑事の前で言いたくはないですけど、それが手っ取り早いかと。生きていれば、救出しようかと考えてはいます」
「了解。救出作戦を実行するにせよ。死体を見つけるにせよ。あたしらも協力するけん」
「ありがとうございます。では、用意ができ次第連絡します」
長四郎は三人分の支払い伝票を持ちレジへと向かい会計を済まして、店を出て行った。
出てすぐにスマホに着信が入った。
「はい。もしもし? ああ、あんたか。待ちくたびれたぜ。OK. 分かりました。じゃ、一時間後に例の場所で」
長四郎は通話を終了させ、秋葉原へと向かった。
「何故、呼ばれたか分かるか?」
刑事部長にそう問われ、なんとなく理由は察せる二人だが声を揃えて「知りません」と白を切る。
「君たちは、事件解決の為に変な私立探偵とつるんでいるだろう」
「変な私立探偵。あ、長さんの事ですか。あん人は、事件に巻き込まれる体質なんです。昔から」
「一川君。そんな回答は求めていない。実はな、彼が違法な調査をしているという苦情がきているんんだ」
「違法やったら、逮捕すれば良いじゃないですか」
「絢君、相手方は事を穏便に済まそうとしているんだよ。それを大事にしたいのかね?」
「いや、違法であれば司法に則って検挙するべきかと」
「で、どげんな事をしとるとですか?」
「・・・・・・」刑事部長は質問に答えず、目を逸らす。
「刑事部長も何も知らないということですか」絢巡査長はあきれ返る。
「あの刑事部長。あたしら命捜班が違法な調査をしているのかを捜査するというのは?」
一川警部の提案に黙って頷き了承した刑事部長は手を払い部屋を出ていくように促す。
「では、失礼します!!」
一川警部と絢巡査長は、刑事部長に敬礼をして部屋を出ていく。
「一川さん。長さんの言った展開になってきましたね」
「そうやけど。こげん早くにコンタクトがあるとは思わんかったばい」
「そうですね。行方不明の人が見つからない状態ですし、何か詮索されたくないということでしょうか?」
「取り敢えず、長さんのところに行こう」
「はい。車、取ってきます!」
警視庁の廊下を駆け足で走り抜ける絢巡査長を見送り、一川警部は長四郎に電話をかけるのだった。
「というのが今の現状です」
長四郎は燐に話した事を目の前に座る一川警部と絢巡査長に話した。
一川警部から連絡を貰った長四郎は、森下邸から離れ警視庁と森下邸の中間にある国道沿いのファミレスに場所を移した。
「今の話を聞いていると、森下衆男は紅音々の失踪に絡んでいるような動きにしか見えませんね」
「そうだな。というより、命捜班に俺を排除させるような動きをしてきたことで確証が持てた。あの屋敷に紅音々は居る」
長四郎はそう言って、クリームソーダを胃に流し込む。
「そいで、どげんすると?」
「そうですね。それはこれから考えます」
「あの長さんの見解を聞きたいんですけど。紅音々さんは、殺されていると思いますか? それとも生きていると?」
絢巡査長に質問された長四郎は視線を天井に移して、口を開いた。
「五分五分だと思う。けど」
「けど?」
「屋敷に近づけたくないって事は、生きているってことなのか? 死体を屋敷内に遺棄したのか。屋敷内に忍びこまないと分からんよ」
「って事は、長さんの中ではあの屋敷内に乗り込もうそう考えているってこと?」
「刑事の前で言いたくはないですけど、それが手っ取り早いかと。生きていれば、救出しようかと考えてはいます」
「了解。救出作戦を実行するにせよ。死体を見つけるにせよ。あたしらも協力するけん」
「ありがとうございます。では、用意ができ次第連絡します」
長四郎は三人分の支払い伝票を持ちレジへと向かい会計を済まして、店を出て行った。
出てすぐにスマホに着信が入った。
「はい。もしもし? ああ、あんたか。待ちくたびれたぜ。OK. 分かりました。じゃ、一時間後に例の場所で」
長四郎は通話を終了させ、秋葉原へと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる