519 / 761
第弐拾捌話-御祭
御祭-3
しおりを挟む
現場に駆けつけた明野巡査は、パニックになる生徒や教師、来場客を大声で宥めつつ現場保存、怪我人の手当に努める。
「あーあー 良いですか!! 警察、消防には通報しました! パニックを起こすのは分かりますが、落ち着いて。落ち着いて、行動してください」
そう現場周辺に居る人間達にスピーカーで声を掛ける長四郎。
「探偵さん! 手伝ってください!!」
明野巡査は自身の身長の倍ある生男子徒を担いでいた。
「力持ちなお巡りさんだなぁ~」余裕のよっちゃんみたいな態度の長四郎は明野巡査からバトンタッチし怪我人の男子生徒を臨時の救護所へ運ぶ。
「大丈夫!? 聞こえてる!!」
担ぎ込まれた男子高校生は燐の問いかけに首を縦に振って返事をする。
「ラモちゃん。頼むぞ」
長四郎は再び救助に向かう。
最寄りの警察署の刑事が駆けつけたのは、爆発が起こってから二十分後の事であった。
そこからは、来場客に看護師や消防士の保護者の協力もあり、長四郎、明野巡査、燐の三人お役御免となった。
「ったく、服が汚れちまったよ」
長四郎は服を叩くと、黒い煤が舞い上がった。
「ゲホっゲホっ」
煤を吸いむせる長四郎と燐。
「ったく、酷い目にあったぜ」
燐を責めるような目で見る長四郎に燐は裏拳を腹に浴びせる。
「痛っ! 何すんだよ」
「なんか、ムカついたから」
「ムカついたで殴るな!」
「それより、一川さん達に連絡したの?」
「謹慎してるんだって。だから、来ないらしい」
「謹慎!? なんで?」
「そんな事、俺が知るかよ。でも、助っ人は来てくれるらしいぞ」
「助っ人?」
長四郎も助っ人が誰なのか分からず、少しドキドキしていた。
探偵コンビがしょうもない会話をしていると、遊原巡査が運転するパトカーが校内に入ってきた。
交通整理する制服警官に警察手帳を見せ、駐車スペースに案内され指定された場所にパトカーを駐車した。
「班長。俺は、最寄りの警察署員から事故の詳細について聞き出してきます」
遊原巡査は足早に去っていった。
「やる気満々だな」
来る道中、ぶつくさ文句を言っていた割にはやる気を見せる遊原巡査に佐藤田警部補は感心する。
「さ、俺も仕事。仕事」
佐藤田警部補は現場に臨場すると、機動隊の刑事から聴取される明野巡査に近づいて情報収集を行うとする。
「君は、爆発のきっかけになった物は知らないんだね?」
「はい。申し訳ありません」
「君が謝る事ないんじゃない? だって、校舎に居たんだから」
佐藤田警部補が会話に入ってきた。
「部外者は出て行ってくれ!!」機動隊の刑事は佐藤田警部補を追い出そうとするが、そんなの気にしないといった顔をしながら、佐藤田警部補はジャケットのポケットをごそごそと漁り自身の名刺を取り出し、刑事に手渡した。
「あんた、刑事なのか?」
「ま、そんなもんです」
「じゃあ、あんたはこの子から事件発生時の聴取をしてくれ」
「あ、はぁ」気のない返事をすると、刑事は別の人間から聞き取りする為に救急車が停車する救護所へと向かって行った。
「あの」
「はい?」
「どうして、事件発生時に私が校舎に居たって分かったんですか?」
「ああ、それはね・・・・・・秘密」佐藤田警部補はニヤッと笑う。
「私、この近くの交番で勤務している明野泉巡査です。宜しくお願いします!」
明野巡査は自己紹介すると同時に、敬礼する。
「明野巡査ね。にしても、元気が良いね」
「それだけが取り柄です。じゃなくて、聴取をしてください」
「ああ、聴取ね」
何を聞こうかな。そう考えていると「泉ちゃん、探したよ」と長四郎が姿を現した。
「部外者は事件現場に入らないでください!」明野巡査に注意されるが長四郎はそんなの気にしないといった感じで話を続ける。
「え~ 一緒に、救助活動した仲じゃない。それに面白い話聞けたんだよね?」
「面白い話? 今は、そんな話をしている場合じゃないでしょ!!」
こんな状況の中、緊張感のない長四郎に明野巡査は苛立つ。
「面白い話って何?」ここで、佐藤田警部補が興味深そうに会話に入ってきた。
「いやね」そう話し掛けた時、目の前に居る刑事を見て長四郎は「あ! 貴方は!!」と嬉しそうな声を出す。
「その節は、どうも」とこちらも嬉しそうに答える佐藤田警部補であった。
「あーあー 良いですか!! 警察、消防には通報しました! パニックを起こすのは分かりますが、落ち着いて。落ち着いて、行動してください」
そう現場周辺に居る人間達にスピーカーで声を掛ける長四郎。
「探偵さん! 手伝ってください!!」
明野巡査は自身の身長の倍ある生男子徒を担いでいた。
「力持ちなお巡りさんだなぁ~」余裕のよっちゃんみたいな態度の長四郎は明野巡査からバトンタッチし怪我人の男子生徒を臨時の救護所へ運ぶ。
「大丈夫!? 聞こえてる!!」
担ぎ込まれた男子高校生は燐の問いかけに首を縦に振って返事をする。
「ラモちゃん。頼むぞ」
長四郎は再び救助に向かう。
最寄りの警察署の刑事が駆けつけたのは、爆発が起こってから二十分後の事であった。
そこからは、来場客に看護師や消防士の保護者の協力もあり、長四郎、明野巡査、燐の三人お役御免となった。
「ったく、服が汚れちまったよ」
長四郎は服を叩くと、黒い煤が舞い上がった。
「ゲホっゲホっ」
煤を吸いむせる長四郎と燐。
「ったく、酷い目にあったぜ」
燐を責めるような目で見る長四郎に燐は裏拳を腹に浴びせる。
「痛っ! 何すんだよ」
「なんか、ムカついたから」
「ムカついたで殴るな!」
「それより、一川さん達に連絡したの?」
「謹慎してるんだって。だから、来ないらしい」
「謹慎!? なんで?」
「そんな事、俺が知るかよ。でも、助っ人は来てくれるらしいぞ」
「助っ人?」
長四郎も助っ人が誰なのか分からず、少しドキドキしていた。
探偵コンビがしょうもない会話をしていると、遊原巡査が運転するパトカーが校内に入ってきた。
交通整理する制服警官に警察手帳を見せ、駐車スペースに案内され指定された場所にパトカーを駐車した。
「班長。俺は、最寄りの警察署員から事故の詳細について聞き出してきます」
遊原巡査は足早に去っていった。
「やる気満々だな」
来る道中、ぶつくさ文句を言っていた割にはやる気を見せる遊原巡査に佐藤田警部補は感心する。
「さ、俺も仕事。仕事」
佐藤田警部補は現場に臨場すると、機動隊の刑事から聴取される明野巡査に近づいて情報収集を行うとする。
「君は、爆発のきっかけになった物は知らないんだね?」
「はい。申し訳ありません」
「君が謝る事ないんじゃない? だって、校舎に居たんだから」
佐藤田警部補が会話に入ってきた。
「部外者は出て行ってくれ!!」機動隊の刑事は佐藤田警部補を追い出そうとするが、そんなの気にしないといった顔をしながら、佐藤田警部補はジャケットのポケットをごそごそと漁り自身の名刺を取り出し、刑事に手渡した。
「あんた、刑事なのか?」
「ま、そんなもんです」
「じゃあ、あんたはこの子から事件発生時の聴取をしてくれ」
「あ、はぁ」気のない返事をすると、刑事は別の人間から聞き取りする為に救急車が停車する救護所へと向かって行った。
「あの」
「はい?」
「どうして、事件発生時に私が校舎に居たって分かったんですか?」
「ああ、それはね・・・・・・秘密」佐藤田警部補はニヤッと笑う。
「私、この近くの交番で勤務している明野泉巡査です。宜しくお願いします!」
明野巡査は自己紹介すると同時に、敬礼する。
「明野巡査ね。にしても、元気が良いね」
「それだけが取り柄です。じゃなくて、聴取をしてください」
「ああ、聴取ね」
何を聞こうかな。そう考えていると「泉ちゃん、探したよ」と長四郎が姿を現した。
「部外者は事件現場に入らないでください!」明野巡査に注意されるが長四郎はそんなの気にしないといった感じで話を続ける。
「え~ 一緒に、救助活動した仲じゃない。それに面白い話聞けたんだよね?」
「面白い話? 今は、そんな話をしている場合じゃないでしょ!!」
こんな状況の中、緊張感のない長四郎に明野巡査は苛立つ。
「面白い話って何?」ここで、佐藤田警部補が興味深そうに会話に入ってきた。
「いやね」そう話し掛けた時、目の前に居る刑事を見て長四郎は「あ! 貴方は!!」と嬉しそうな声を出す。
「その節は、どうも」とこちらも嬉しそうに答える佐藤田警部補であった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる