探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第弐拾捌話-御祭

御祭-3

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 現場に駆けつけた明野巡査は、パニックになる生徒や教師、来場客を大声で宥めつつ現場保存、怪我人の手当に努める。
「あーあー 良いですか!! 警察、消防には通報しました! パニックを起こすのは分かりますが、落ち着いて。落ち着いて、行動してください」
 そう現場周辺に居る人間達にスピーカーで声を掛ける長四郎。
「探偵さん! 手伝ってください!!」
 明野巡査は自身の身長の倍ある生男子徒を担いでいた。
「力持ちなお巡りさんだなぁ~」余裕のよっちゃんみたいな態度の長四郎は明野巡査からバトンタッチし怪我人の男子生徒を臨時の救護所へ運ぶ。
「大丈夫!? 聞こえてる!!」
 担ぎ込まれた男子高校生は燐の問いかけに首を縦に振って返事をする。
「ラモちゃん。頼むぞ」
 長四郎は再び救助に向かう。
 最寄りの警察署の刑事が駆けつけたのは、爆発が起こってから二十分後の事であった。
 そこからは、来場客に看護師や消防士の保護者の協力もあり、長四郎、明野巡査、燐の三人お役御免となった。
「ったく、服が汚れちまったよ」
 長四郎は服を叩くと、黒い煤が舞い上がった。
「ゲホっゲホっ」
 煤を吸いむせる長四郎と燐。
「ったく、酷い目にあったぜ」
 燐を責めるような目で見る長四郎に燐は裏拳を腹に浴びせる。
「痛っ! 何すんだよ」
「なんか、ムカついたから」
「ムカついたで殴るな!」
「それより、一川ひとつがわさん達に連絡したの?」
「謹慎してるんだって。だから、来ないらしい」
「謹慎!? なんで?」
「そんな事、俺が知るかよ。でも、助っ人は来てくれるらしいぞ」
「助っ人?」
 長四郎も助っ人が誰なのか分からず、少しドキドキしていた。
 探偵コンビがしょうもない会話をしていると、遊原巡査が運転するパトカーが校内に入ってきた。
 交通整理する制服警官に警察手帳を見せ、駐車スペースに案内され指定された場所にパトカーを駐車した。
「班長。俺は、最寄りの警察署員から事故の詳細について聞き出してきます」
 遊原巡査は足早に去っていった。
「やる気満々だな」
 来る道中、ぶつくさ文句を言っていた割にはやる気を見せる遊原巡査に佐藤田警部補は感心する。
「さ、俺も仕事。仕事」
 佐藤田警部補は現場に臨場すると、機動隊の刑事から聴取される明野巡査に近づいて情報収集を行うとする。
「君は、爆発のきっかけになった物は知らないんだね?」
「はい。申し訳ありません」
「君が謝る事ないんじゃない? だって、校舎に居たんだから」
 佐藤田警部補が会話に入ってきた。
「部外者は出て行ってくれ!!」機動隊の刑事は佐藤田警部補を追い出そうとするが、そんなの気にしないといった顔をしながら、佐藤田警部補はジャケットのポケットをごそごそと漁り自身の名刺を取り出し、刑事に手渡した。
「あんた、刑事なのか?」
「ま、そんなもんです」
「じゃあ、あんたはこの子から事件発生時の聴取をしてくれ」
「あ、はぁ」気のない返事をすると、刑事は別の人間から聞き取りする為に救急車が停車する救護所へと向かって行った。
「あの」
「はい?」
「どうして、事件発生時に私が校舎に居たって分かったんですか?」
「ああ、それはね・・・・・・秘密」佐藤田警部補はニヤッと笑う。
「私、この近くの交番で勤務している明野泉巡査です。宜しくお願いします!」
 明野巡査は自己紹介すると同時に、敬礼する。
「明野巡査ね。にしても、元気が良いね」
「それだけが取り柄です。じゃなくて、聴取をしてください」
「ああ、聴取ね」
 何を聞こうかな。そう考えていると「泉ちゃん、探したよ」と長四郎が姿を現した。
「部外者は事件現場に入らないでください!」明野巡査に注意されるが長四郎はそんなの気にしないといった感じで話を続ける。
「え~ 一緒に、救助活動した仲じゃない。それに面白い話聞けたんだよね?」
「面白い話? 今は、そんな話をしている場合じゃないでしょ!!」
 こんな状況の中、緊張感のない長四郎に明野巡査は苛立つ。
「面白い話って何?」ここで、佐藤田警部補が興味深そうに会話に入ってきた。
「いやね」そう話し掛けた時、目の前に居る刑事を見て長四郎は「あ! 貴方は!!」と嬉しそうな声を出す。
「その節は、どうも」とこちらも嬉しそうに答える佐藤田警部補であった。
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