探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第参拾話-将軍

将軍-13

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「ねぇ、あいつの作戦上手く行くと思う?」
 燐はゲネラールを待つ長四郎に話しかけた。今、長四郎と燐はレインボーブリッジに居る。
 ゲネラールから指定された場所がここであった。
「どうだろうな」長四郎はそう答えて、首を窄める。
 捜査本部長の光浦が立案した作戦は、長四郎が提案した作戦とほぼ同じものであった。
 その内容は、長四郎が捜査に参加している事を大々的に宣伝し、ゲネラールへ挑発を仕掛け誘い出し逮捕しようというのが長四郎の作戦を少し変更して警察がゲネラールを誘い出し逮捕するそういう流れになるはずだった。
 しかし、これが裏目に出た。ゲネラールはこれに立腹し、第五の殺人事件を行い現場にこう書き残していった。
“12月22日。レインボーブリッジの歩道で待つ。熱海長四郎が来ない場合、次はお台場で無差別殺人を行う。”
「にしても、寒っ!!」
 冬のレインボーブリッジの海風は身体に堪えるな。長四郎は身震いしながらそう思っていると燐が「誰か、来た」と長四郎の後ろを指差していった。
 振り返るとロングコートを着た今風の男がとことことこちらに向かって歩いてきた。
「あいつかな?」
 燐は興味津々といった顔で近づいてくる男を見つめる。
 それに対して、長四郎は橋の欄干かつすぐ横の車道は車がひっきりなしに通る中では思うように戦えないだろうなそう考えていた。だが、それも杞憂で終わった。
「私立探偵の熱海長四郎さんですよね?」男は名刺を差し出しながら声をかけてきた。
「そうですけど」長四郎は答えながら名刺を受け取る。
 名刺には、フリージャーナリスト 甘木田 照悟あまきだ しょうごと記載された。
「フリージャーナリスト? あんたがゲネラール?」
 ド直球の質問をする燐に甘木田は首を横に振り否定する。
「ゲネラールはここに来るんですか?」
 燐は失言したといった顔をする。
「来る予定だったんですけど、貴方が来た。どうしてここに?」
「今の時代、SNSを使えば対象の居場所も分かりますよ」
 通り過ぎた車の奴がSNSに投稿したのだろうと長四郎は察した。
「で、フリージャーナリストさんが俺に何か?」
「いえね、ゲネラールとんお対決を近くで取材死体と思いましてね。熱海さん、ゲネラールの正体は判明しているんですか?」
「してません」長四郎は噓をついた。
「そうですか」甘木田は不思議そうに燐を見る。
「な、何よ」
「いや、こちらの方は?」
「彼女は」長四郎が答える前に「助手です!」と燐は鼻をふんっとさせながら答えた。
「助手ですか。探偵って儲かるんですね」
「儲かりなんてしませんよ。おまけに犯罪者の相手までせにゃならんのですから」
「ねぇ、邪魔されるなら帰ってもらって良いですか?」
「いえ、取材ですのでそう言うわけには」
「こっちは取材を受けた覚えはないんですけどね」
 長四郎がそう言うと、耳に付けているbluetoothイヤホンから「ゲネラールから入電!」と捜査車両で待機している刑事の声が聞こえてきた。
「繋いでください」
 長四郎が応対する旨を伝え、ゲネラールとのファーストコンタクトが始まった。
「もしもし」長四郎から話し始めた。
「熱海長四郎だな」
「Yeah. よく警察に電話を掛けたな」
「仕方あるまい。こちらからの一方通行での会話だったからな」
「自覚はあるんだ」
「それで、俺の正体は分かったか?」
「分かったって言って欲しいんだろ? ベイビー」
「その様子じゃ分かっていないようだな」
「どうかな? それより、お前さんは今、どこに居るんだい?」
「熱海長四郎、君が見える位置に居るよ」
 捜査車両に居る光浦が「各捜査員、現場周辺を徹底的に探せ!!」と指示を出した。
「そうかい。嬉しい限りだが、お前さんの顔を拝めると期待していたんだけど。残念だ」
「当初の予定では顔を見せる予定だったんだが、そこに居る奴のせいで急遽、プランを変更する事になった。思わぬ出費が出してしまったがな」
「そうだと思ったよ。で、次はどこで話すのかな?」
 長四郎はそう言って、レインボーブリッジの下を見下ろす。
「ま、それについては次にしよう。連絡先を教えてくれ。一回、一回。110番するのもめんどくさいのでな」
 長四郎は自身のスマホの番号をゲネラールに伝えた所で通話は終了した。
「奴はなんて?」
「ラモちゃん。フリージャーナリストが居る前でそれは言えないよ」
 長四郎は甘木田を見て、不敵な笑みを浮かべレインボーブリッジを後にするのだった。
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