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第1章・異世界転移と異世界転生

これからの生活①

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 簡単な自己紹介の後、私は再び馬車に乗せられ、ユリアナ王女とアルバトスさんが住む家に向かうことになった。
 二人が住む家は、私がオルブリヒトの兵士たちに殺されそうになった森の奥にあり、かなり大きな屋敷だった。なんとなく、図書館って感じ。
 実際、アルバトスさんのフェルトン家は代々学者の家系で、この屋敷にはかなりの量の書物が置いてあるらしい。まさしく、図書館だ。
 あと、屋敷の周りにはあまり使われてはいないようだったけれど、畑のようなスペースがあり、牛っぽい獣と鶏っぽい鳥のような家畜を飼っているようだった。
 馬車に乗せられる前、詳しい事は家に着いてからゆっくり話すという事だったけれど、私はユリアナ王女とアルバトスさんは、結構切羽詰まっていて、危ない状況なのではないかと思っている。
 何故なら、彼らの家に着くまでに小さな村があったのだけれど、彼らに気づいた村人たちが必死の形相で駆け寄ってきたからだ。

「ユーリ様、アルバトス様、どうでしたか? 聖女様に会えましたか? お身体は治していただけましたか?」

 そう言った村人――若い男性だった――に、アルバトスさんは静かに首を横に振った。聖女様でも無理だったよ、と告げる。

「そんなっ」

「なんて事! 聖女様でも、あの呪いの毒を消す事ができないのかっ」

 どうやらみんな、ユリアナ王女とアルバトスさんの呪いの毒の事を心配していたみたいだ。
 聖女でも無理だったってアルバトスさんは説明しているけど、確か、ユリアナ王女がそれ以前の問題だったって言っていなかったっけ?
 聖女は治療をしなかったはず。それなら、まだ治療すれば治せる可能性があるんじゃないのかな。
 まぁ、今の私がそんな事を村人たちに告げるわけにはいかないんだけど。

「オリエ、君にはこれからここで暮らしてもらうつもりだ。この世界で生きていけるように、私と伯父で精一杯のサポートはさせてもらうから。まぁ、急な事だったので、部屋の掃除が行き届いていないのだけど、それは勘弁してほしい」

 苦笑しながらそう言ったユリアナ王女に、私は頷いた。
 掃除とか洗濯とかあんまり得意じゃないけど、なんとかなるだろう。
 この国の王子に騙されて、兵士たちに殺されそうになった事を考えれば、屋根がある家に住まわせてもらえるなんて、夢のようだ。


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