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第4章:ゴブリン・スタンピード
ジュニアスの宣言
しおりを挟む『オブルリヒトの国民たちよ! いや、このルリアルークの全世界の民よ! 俺は本日、全世界に向けて、俺こそが、このジュニアス・オブルリヒトこそが、今世のルリアルーク王であると宣言する!』
ちょっと脱線してしまったけど、ジュニアスの宣言が始まった。
『俺は、神に今世のルリアルーク王の父と啓示を受けた、現オブルリヒトの王、フェルゼン・オブルリヒトの息子! その啓示通り、俺こそが今世のルリアルーク王である!』
空に投影された映像から、そして窓の外から、大歓声が聴こえる。
大勢の民衆がジュニアスの名を叫び、そしてルリアルーク王と叫んでいた。
でも今の宣言ってさ、現オブルリヒト王の息子だから、自分が今世のルリアルーク王だって言ってるだけじゃない?
それってぶっちゃけ親の七光りだと思うんだけど、それだけで今歓声を上げている人たちは、ジュリアスを今世のルリアルーク認められるの?
それだけでこんなに盛り上がってるの?
『見よ! 俺が今世のルリアルーク王だ!』
そう叫んだジュニアスが、金銀宝石のついた剣を振り上げた。
すると、あら不思議! ジュニアスの黒い髪が銀色に、そして赤い瞳が金色へと変化していく。
これは、ものすごく民衆が喜びそうなパフォーマンスだよね。
案の定、歓声がより一層大きなものに変わった。
「こりゃ、どういう仕組みだい? 魔法かい?」
ち、と舌打ちしてエリザベス様が言う。
そんなエリザベス様に、「お行儀が悪いですよ」と優しく言いながら、幻影魔法かもしれないし、魔道具か、特殊な薬を使ったのかもしれないとレイリーさんが解説してくれた。
「あの……この宣言で、何が変わるんですか? オブルリヒトの人だけでなく、世界中の人がジュニアスを今世のルリアルーク王と認めることになるんですか?」
私がそう言うと、レイリーさんは少し考えて言った。
「ジュニアス様のお血筋を考えると、彼こそが今世のルリアルーク王だと喜ばれる方もいらっしゃるとは思いますが、反発される国もあるでしょうね。特に、隣国のベルゼフ王国は、ジュニアス様をルリアルーク王と認めることなどしないでしょう。ベルゼフ王国はオブルリヒトと仲が悪いですし……」
そういや、ベルゼフ王国の王子と仲が悪いって言ってたっけね。
あと、血筋っていうのは、現オブルリヒト王の息子ってことだ。
現オブルリヒト王のステータスには、ルリアルーク王の父って書いてあったという……さっきジュニアスが神の啓示を受けたって言ってたのは、きっとステータスのことだね。
じゃあこの宣言は、世界中の人に認められたいからやったってわけじゃなく、ただ自分が今世のルリアルーク王だって名乗りたかったってこと?
先に名乗った者勝ちってことなの? そういうもん?
うーん、私には意味がわからんよ!
だけど、空に映し出される映像を見る限り、ジュニアスはとても自慢気で満足そうに民衆に手を振っていた。
『全世界の民よ! この俺さえ居れば、俺に従えば、世界の平和は保たれるだろう! 俺の民よ! 俺の世界の民となれ! 俺は、今世のルリアルーク王、この世界の王である!』
なんて傲慢な物言いなのだろうと思った。
大体、黒魔結晶を使って大災害を起こそうとしているくせに、何が俺に従えば世界の平和は保たれる、だよ!
この詐欺師め! 馬鹿じゃないの?
いや、馬鹿というか愚かというか……ジュニアスも、彼を信じて支持する人たちも、みんな愚かだと思う。
そして、そんな愚か者たちの前に、ソイツは突然現れた。
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