腹が減った

TuNaNoA

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腹が減った

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ギシギシギシ
夜、僕は親に気づかれないよう階段を降りる。
戸棚を開け、食べられるものを探す。
なんでもいい、お菓子。冷凍食品。晩飯の残り。
「ああ、腹が減った・・・。」

「〇〇。起きて、朝よ。」
母が起こしに来た。結局あまり寝られなかった。嫌に汗を掻いている。
「何食べる?朝ごはん。」
母が眠たげな僕に聞く。
「パン・・・とご飯。」
「朝からそんなに?」
母が驚いて聞いてきた。
「あ、いや・・・じゃあ、パンだけで。」
3分後母がパンを持ってきた。
「いただきます。」
何故か懐かしい感覚がする。気のせいだろうか。
あっという間に食べ終わった僕は身支度をして高校へと向かった。

授業中。
腹が減った。おかしい、近頃無性に腹が減る。なんだこれは、心当たりを探そうとすると何故か汗を掻く。まるで全身ずぶ濡れになるかのように。きっと成長期なんだ、そう思うことにしている。
「おーい。〇〇。何俯いてんだ!先生の話聞いてんのか?」
先生にそう注意される。
「あ、いや、・・・すいません。」
今僕の頭の中は昼食の事しか考えてない。成長期だ、成長期なんだ。
腹が・・・減った。

「はぁ、はぁ、はぁ」
おかしすぎる。なんなんだこれは。
腹が減りすぎて意識が朦朧とする。
今は4時限目、授業は後5分程だ。
無理だ。我慢できない。
「先生。保健室・・・行ってきます。」
急に立ち上がった僕に。先生とクラスメイトは驚いていた。
「あ、ああ。行ってこい。」
教室の扉を開けカバンの置いてあるロッカーへ向かう。
「あっ!おい〇〇。保健室はそっちじゃないぞ!」
「あっ、え?す、すいません」
しまった。仕方なく保健室へ向かう。
くそっ、くそっ、限界だ。いや、抜け出せばいいだろう。一度保健室へ行こう。
保健室の扉を開け。
「あの、先生。その、頭が痛くてきました。」
「ああ〇〇君。どうぞ入って。」
養護の先生はそう言った。
と、その時。ぎゅるるるると、僕のお腹が鳴ってしまった。
この時僕は汗でビショビショだった。
「あ、あははは。じ、実はあのお腹が減っていて。あ、あはは。」
笑ってごまかすしかなかった。
そう言って、直後立ちくらみで倒れかけてしまった。
「〇〇君!?」
そうだ、養護の先生だ。話してみよう。
成長期なのだとしたら詳しいはずだ。
そう思い養護の先生に無性に腹が減ることを打ち明けた。
「あ、そうだったの。出席番号は何番?ロッカーからお弁当。持ってきてあげる。」
「あ、ありがとうございます。じゅ、14番です。」
「わかったわ、すぐに持ってくるね。」
そう言って養護の先生は保健室を出て行った。
駄目だ。そんなに待ってられない。
食べ物。食べ物。食べ物!食べ物!!
僕は清潔そうな保健室の引き出しを乱暴に開け食べ物を探す。無い。無い!無い!!
ふと目に留まったのは養護の先生のカバンだった。何か、何か入ってないのか!
他人のものとは気にもせずカバンの中身を辺りに撒き散らし、漁った。無い無い無い無い無い!!!!!!
「これだ・・・!」
ふと目をやった先は保健室に来ていた女子生徒だった。ベッドで寝ている。
気が狂っていた。腹が減りすぎていた。
その女子生徒の首元にかぶりつく。
「いやぁぁぁぁぁああ!!!!」
弁当を持って保健室に向かっていた養護の先生が叫び声を聞いて。勢いよく扉を開ける。
「〇〇君!!何してるの!!」
養護の先生が僕を女子生徒から引き離そうとする。
やめろ。今僕は食事中なんだ。何故引き離そうとするんだ。何がしたいんだ。
僕に食べ物を。

腹が減った

僕は女子生徒の肉を食べながら気を失った。

身体中びしょ濡れだ。僕は朦朧とする意識の中で死体の肉を食べていた。だんだん意識がはっきりしてくる。
「なんだ、夢かよ・・・。なんだよ・・・。なんだよ!!!」
僕は肉を口に押し詰めている。ああ、こんなものじゃ腹は満たされない。腹が減った。
家族で旅行に行こうと飛行機に乗っていた。その飛行機はトラブルで海上に墜落した。生きている人間は僕しかいない。海上に浮かんでいる機体は水浸しだ。
墜落してからもう2週間だ。助けは来ない。食料も無い。そこにあるのは大勢の客の無残な死骸ばかり。こうするしかなかった。だれか、助けて。

腹が・・・減った・・・
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