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2話 マン点
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「皇帝陛下のお美しい姿を前にして、立たせることも出来ないインポが!」
期待に胸を膨らませ皇帝の寝室へと入ってから一時間位後、俺は警備兵の女性にインポと罵られながら、城の地下にある牢屋へと、素っ裸のまま放り込まれた。
そう、皇帝の寝室へ入るまでは、恥ずかしい位に立っていたアレが、皇帝の姿を見た途端一気に縮み、その後復活することはなかったんだが・・・。
インポ?
インポじゃねえよ!
どれだけの美人かと期待した皇帝が、スターウォ○ズに出てくるジャバ・ザ・ハ○トに激似だったんだから、立つわけないだろ!
どうせあれだろ?
あの皇帝を綺麗だと言わないと、みんな処刑されるから、そう振る舞ってるんだろ?
これだから独裁政治は!
鉄格子の鍵をかけ離れていく警備兵に、そう言ってやりたかったけど、それは命を縮めかねないから、声に出さずに心の中で叫んでおく。
――― ジャラ ―――
「ん?」
中指を立てて警備兵を見送っていると、突然鎖が動くような音が聞こえ、薄暗い牢屋の隅には動く人影が見えた。
「先客が居たのか。ってことは、俺以外にも立たなかった奴か? そうだよな、あの皇帝で立たせろとか、なあ?」
「・・・・・・・あの、大丈夫ですか?」
俺と同じような奴かと話し掛けたが、違っていた。
鎖を引き摺りながら、こちらへ近付いて来る人影から聞こえたのは女の子の声で、目の前に来た一糸纏わぬその姿は美し過ぎて、あの言葉しか出てこない。
「エルフ?」
「は、はい。エルフ族です。すみません、こんな姿を見せてしまって。でも、ここに放り込まれたから、大丈夫かなって思って」
こんな姿?
何を言ってるんですか? 眼福ですよ?
あっ、違うか。
薄暗くて良くは見えないが、身体のいたる所にミミズ腫れとか、傷がある?
この痛ましい身体の事を言ってるのか?
「俺は大丈夫だけど、君は大丈夫じゃないみたいだね。ちゃちゃっと治しとくね」
このエルフが何故牢屋に入れられているかは知らないが、どうせ俺と同じ様に、録な理由じゃないんだろう。
だって自分の身体が痛いのに、俺の事を心配してくれる子が、悪いことをするとは思えないからな。
それに可愛い女の子に、この拷問されたような傷は、似つかわしくない。
だから女神様にもらった回復スキルを、迷うことなく使う。
「え? あれ? 痛くない。あれ? 傷痕もない?」
そう、この回復スキルは、この世界に元からある回復スキルより、遥かに優秀なのだ。
どれだけ深い傷だろうと、傷痕を残さず一瞬で治せるからね。
その為この子が、異世界もの小説に出てくる人に、お手本として欲しいくらい素晴らしい反応になったのも、当然と言えば当然だろう。
「後は、その足枷も邪魔だよね。外しちゃおうか」
そしてもう一つ女神様にもらった、異世界チート定番スキルである収納スキルを、これまた迷うことなく使って、足枷と鎖を収納してしまう。
「え? 鎖が? どうして?」
うん、これまた想像どおり。
このエルフさん、容姿も行動もリアクションも満点だな。
よし、決めた。
「俺、これから脱出するんだけど、一緒に来ない?」
「え、え~!?」
満点エルフさんは、これまた満点なリアクションを見せてくれたが、それはどっちに驚いたんだろう?
俺が逃げようと言ったから?
それとも、一緒に逃げようと伝えた時、思わず手を差し出したせいで、フリーになってしまった俺の下半身が、とんでもない事になっているのを見たせい?
期待に胸を膨らませ皇帝の寝室へと入ってから一時間位後、俺は警備兵の女性にインポと罵られながら、城の地下にある牢屋へと、素っ裸のまま放り込まれた。
そう、皇帝の寝室へ入るまでは、恥ずかしい位に立っていたアレが、皇帝の姿を見た途端一気に縮み、その後復活することはなかったんだが・・・。
インポ?
インポじゃねえよ!
どれだけの美人かと期待した皇帝が、スターウォ○ズに出てくるジャバ・ザ・ハ○トに激似だったんだから、立つわけないだろ!
どうせあれだろ?
あの皇帝を綺麗だと言わないと、みんな処刑されるから、そう振る舞ってるんだろ?
これだから独裁政治は!
鉄格子の鍵をかけ離れていく警備兵に、そう言ってやりたかったけど、それは命を縮めかねないから、声に出さずに心の中で叫んでおく。
――― ジャラ ―――
「ん?」
中指を立てて警備兵を見送っていると、突然鎖が動くような音が聞こえ、薄暗い牢屋の隅には動く人影が見えた。
「先客が居たのか。ってことは、俺以外にも立たなかった奴か? そうだよな、あの皇帝で立たせろとか、なあ?」
「・・・・・・・あの、大丈夫ですか?」
俺と同じような奴かと話し掛けたが、違っていた。
鎖を引き摺りながら、こちらへ近付いて来る人影から聞こえたのは女の子の声で、目の前に来た一糸纏わぬその姿は美し過ぎて、あの言葉しか出てこない。
「エルフ?」
「は、はい。エルフ族です。すみません、こんな姿を見せてしまって。でも、ここに放り込まれたから、大丈夫かなって思って」
こんな姿?
何を言ってるんですか? 眼福ですよ?
あっ、違うか。
薄暗くて良くは見えないが、身体のいたる所にミミズ腫れとか、傷がある?
この痛ましい身体の事を言ってるのか?
「俺は大丈夫だけど、君は大丈夫じゃないみたいだね。ちゃちゃっと治しとくね」
このエルフが何故牢屋に入れられているかは知らないが、どうせ俺と同じ様に、録な理由じゃないんだろう。
だって自分の身体が痛いのに、俺の事を心配してくれる子が、悪いことをするとは思えないからな。
それに可愛い女の子に、この拷問されたような傷は、似つかわしくない。
だから女神様にもらった回復スキルを、迷うことなく使う。
「え? あれ? 痛くない。あれ? 傷痕もない?」
そう、この回復スキルは、この世界に元からある回復スキルより、遥かに優秀なのだ。
どれだけ深い傷だろうと、傷痕を残さず一瞬で治せるからね。
その為この子が、異世界もの小説に出てくる人に、お手本として欲しいくらい素晴らしい反応になったのも、当然と言えば当然だろう。
「後は、その足枷も邪魔だよね。外しちゃおうか」
そしてもう一つ女神様にもらった、異世界チート定番スキルである収納スキルを、これまた迷うことなく使って、足枷と鎖を収納してしまう。
「え? 鎖が? どうして?」
うん、これまた想像どおり。
このエルフさん、容姿も行動もリアクションも満点だな。
よし、決めた。
「俺、これから脱出するんだけど、一緒に来ない?」
「え、え~!?」
満点エルフさんは、これまた満点なリアクションを見せてくれたが、それはどっちに驚いたんだろう?
俺が逃げようと言ったから?
それとも、一緒に逃げようと伝えた時、思わず手を差し出したせいで、フリーになってしまった俺の下半身が、とんでもない事になっているのを見たせい?
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