偽りだらけの花は、王様の執着に気付かない。

葛葉

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第二章

第16話 ※

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「ん、ああぁ……あんっ!」
 シャーロットにたっぷりと解された後孔に、シャーロットの熱い欲望がゆっくりと入ってくる。
 内壁を擦られるとゾクゾクして、抜けそうになると寂しくなる。
 ズンッとひと突きされると堪らず背中が仰け反る。
「はぁ、相変わらずサフィのナカはキツイな」
「ぁ、ごめ、なさい……いたい、ふ…………ですか……?」
 自分ではどうにもならないけれど、同じ男であるから、急所への痛みはわかるつもりだ。
 力を抜こうと息を吐くと、また勢いをつけて突き上げられる。
「ひぁああっ!?」
「痛くはないよ。でも、サフィのナカが気持ち良すぎて加減が難しいな」
 気持ちいいと言ってくれることが嬉しくて、胸がきゅんとする。
「しばらくシていなかったから、サフィのここに忘れられているかと思ったが、ちゃんと覚えているようで何よりだ」
「んんっ、は、ぁんっ! わすれ、られない、ひゃっ! です……ぅ、んっ!」
 子をなすこともない、ただただ欲を発散するだけの行為。だからこそ、愛されていると実感する。
 突かれながらキスをされると、息苦しいけど全身がシャーロットに包まれているようで溶けてしまいそうだ。
 きゅんきゅんとナカを締め付けて、シャーロットを奥へと誘い込む。
「ああっ、あ、あっ、きも、ちっ……はっ、もっと、おくにっ……あぁんっ!」
 久しぶりのシャーロットの熱に、サファルティアも飢えを満たすかのようにシャーロットを求める。
「可愛いな。サフィ……」
 シャーロットに囁かれてナカがぎゅうぎゅうと締まる。
「っ、こら、締めすぎだっ」
「んぁっ、らって……きもちいい……あっ、からっ……ひゃっ!」
 普段から可愛いと言われるけれど、からかうような、社交辞令のような、そんな響きではなく、愛おしいと言われているような「可愛い」というシャーロットの声は腰に響く。
 ずちゅずちゅと音がなるほど激しい抽揷に、内壁や前立腺が擦られ、先端が奥を捏ねるように掠めると気持ち良すぎて何も考えられない。
「あっ、ああっ、らめっ、イくっ、んぁあっ!」
「いくらでもイけばいい。ほらっ!」
「あ、イくっ、イちゃっ、うっ! ~~~~ッ!!」
 びくびくと身体を震わせ、サファルティアは絶頂する。
 余韻に浸るまもなくうつ伏せにされ、腰を上げさせられると後ろから突かれる。
「ああっ、やっ、まだっ……ひぅっ! イった、ばっかりぃ……んやぁっ!」
「だが、サフィのここは嫌がってない。さっきよりも吸い付いてくる……」
 ぐりぐりと奥の狭いところをに入り込もうとする。同時に乳首を摘まれて、弄られると堪らない。まだ一度も触れられていないサファルティアの男根からは、びゅくびゅくと白濁が溢れる。
(気持ち良すぎて、何も考えられない……)
 振り向くとシャーロットがキスをしてくれる。
「ン……ふぁ……あっ、またっ……!」
「ああ、私も……」
 肌がぶつかる音が響くくらい強く打ち付けられる。
「ああっ、イくっイくっ……んあぁぁぁっ!!」
 ガクガクと震え、勢いよく精液が溢れる。
 同時にナカにシャーロットも吐精する。
 ナカを濡らす感触も気持ち良くて、何も為さないのが少しだけ寂しかった。
「サフィ」
「ん、はぁ……ぁん……」
 ずるりとナカからシャーロットの熱が抜けると、唇が重なる。
 温かくて気持ち良くて、満たされている気がする。
「っ、ぁ……もっと…………」
 触れ合わなかった期間はほんの僅か。そんなこと今まで何度もあったけれど、なんだか今日はもっと触れ合いたい。
「足りないか?」
 シャーロットが頬を撫でながら聞くと頷く。
「ダメ、ですか?」
「そんなことはない。……愛してる、サファルティア」
「僕も、です……」
 再びシャーロットの熱い肉棒を受け入れて、嬉しくてきゅんきゅんと締め付ける。
 このままドロドロになるくらい、ふたりで溶けてしまえればいいのに。
 サファルティアはそう思いながら、シャーロットに身を委ねた。


 深夜を過ぎた頃、シャーロットに抱きしめられながら眠っていたサファルティアは、ふいに目を覚ます。
 ガタリ、とすぐ近くで音が聞こえて反射的に飛び起きた。
(っ、侵入者!?)
 騎士たちは何をやっているんだと憤りながら、脱ぎ捨てていた服にしまっている短剣を握り、窓辺から様子を伺う。
 シャーロットが強いのは百も承知だが、そこに辿り着くまでは手練の暗殺者でも骨が折れる。
 騎士の見回りや護衛を掻い潜ってもすぐにシャーロットには辿り着けない。何故ならか弱い女性と思われるティルスディアを演じているサファルティアがそばにいるからだ。
 サファルティアもシャーロット程ではなくとも、剣技や弓術は一級だと、軍部の責任者でもあるグライアスのお墨付き。
 騎士がダメならサファルティアが最後の守りになる。小さな頃からそう教えられ、そうした訓練も受けている。
 ちらりとシャーロットの方を見るとまだ起きる気配はない。
(このまま陛下が起きるまでに片付けたいな)
 外を覗くと黒い影が一瞬横切った。
 サファルティアは窓から少し離れ、身を隠す。
 カチャリ、と小さな音が異様に響いたような気がした。
 スッと窓が開けられ、桟に手がかかるとサファルティアは音もなく窓に近づき、その手を踏みつける。
「がっ……」
「逃がすか」
 侵入者が痛みに呻く。間を置かずにサファルティアは短剣の切っ先を侵入者の首筋に突き付ける。
 侵入者にしては手応えが無さすぎるな、と少し変に思いながらも、サファルティアは侵入者の顔を見て驚いた。
「ルーディア、様……?」
 うっかりティルスディアの時に呼んでいた名前で呼んでしまう。
 驚いたのは侵入者――ルーディア・カロイアスも同じだったのか、驚いたように目を見開いていた。

 ――ティルスディア殿下……?
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