幼馴染とマッチポンプ

西 天

文字の大きさ
3 / 20
第1章

3

しおりを挟む

「…?」
 相沢が訝しげにこちらの顔を覗いている。
 僕自身彼女の姿を見てあまりにも驚いてしまったのか,そう答えるのが精一杯だった。
 そう僕は…,

 男子生徒は告げていた。
「こんな時間に呼び出してごめんなさい。伝えたいことがあって…」
 僕の横で相沢が子供が新しい玩具を見るような顔でとても嬉しそうに笑みを浮かべている。
 
 さらに男子生徒は告げる。
「初めて見た時から好きでした。…付き合って下さい」
 その男子生徒はどこか中性的で男の僕が言うのもヘンだがかわいい顔というのだろうか,きれいな顔立ちをいていた。
 もちろん性格はわからないが外見だけで言うと対面している美少女と釣り合いが取れるであろう。
 しかし彼女は少し困惑した表情を見せていたが,告白の返事からあまり間を空けずに彼女は大人びた表情で答えた。

「―ごめんなさい。私初めて会ったばかりだし,いきなり付き合うっていうのは無理かな」
 案外いや思った通り一刀両断した。だが男子生徒は引き下がらない。それは甲斐のないことだと僕は感じた。
「じゃあもっと僕のこと知ってもらえればいいの?」
 その言葉を受け彼女は答える。
「? 私のことは? 僕のこと? じゃあ今から一分以内に面白い自己紹介して。昼休みあと十分もないし」
 
 彼女の柔らかな雰囲気からは想像できない言葉に男子生徒はあっけにとられ何も言い出せていない。これではせっかく与えられた時間がもったいない。
 すると彼女はふーと息をつく。
「まったく自己紹介もできないの? 人は第一印象で七十パーセント決っちゃうんだよ。もっと最初からガンガンいこうぜ」
 メラビアンの法則か。しかし視覚のパーセンテージは六十パーセントじゃなかったか? まあいいや。
 彼女は大人びた表情を反転させ子供らしい無邪気な笑みで答えた。見事な変貌ぶりである。
 その表情を見た男子生徒も晴れやかな表情で答える。
「はい。これを機に頑張ります!」
 少し早すぎるが諦めは早い方がいい,そしてもう彼女はやめておいた方がいい。
「うん。その意気ね。これからは私以外の人で頑張ってね。私初対面の人とは付き合わないことにしてるから」
 結果として男子生徒は振られていた。 
 
 最終的には大ヒットゲームの作戦みたく励まされた男子生徒は最後に自己紹介ではなく質問を投げかけた。

「君って彼氏いるの?」
 その質問なら僕らも気になっていた。特に相沢だけど。
 彼女は今度は何モードだろう? 見る限りでは普通の女子高生モードという感じで返答した。

「…うん。いるよ。先輩なんだけどね。少し変な趣味があるの,人の告白現場を盗み見するっていう」
 
 相沢と僕はお互いに顔を見合わせていた。
 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

俺の可愛い幼馴染

SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。 ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。 連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。 感想もご自由にどうぞ。 ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

疎遠だった幼馴染が彼女と別れて私に会いに来るようになったのだけど

くじら
恋愛
図書館の定位置には、いつも黒縁メガネの女生徒がいる。 貴族同士の見栄の張り合いや出世争いから距離を置いて穏やかに過ごしていたのに、女生徒の幼馴染が絡んでくるようになって…。

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

彼はヒロインを選んだ——けれど最後に“愛した”のは私だった

みゅー
恋愛
前世の記憶を思い出した瞬間、悟った。 この世界では、彼は“ヒロイン”を選ぶ――わたくしではない。 けれど、運命になんて屈しない。 “選ばれなかった令嬢”として終わるくらいなら、強く生きてみせる。 ……そう決めたのに。 彼が初めて追いかけてきた——「行かないでくれ!」 涙で結ばれる、運命を越えた恋の物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...