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16:異世界から来たってバラす方がラクですか
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砦までの道すがら。
説教されるのにも飽きたオレは、……説教される側が飽きてんじゃないよってツッコミは置いとくとして……、もうひとつの問題クリアの為に動き出すことにした。
ひとまず今は砦に連れてって貰えるものの、その先は全くの未定だからな。
この世界でオレが、何処でどう暮らすかって目途だけでも立てておきたい。
現代法治国家の日本から来たオレにとって、衣食住の確保は何より大事だ。
正直なところ、砦じゃなくて町で暮らしたいし、出来れば大きな街がいい。
オレが目立たないよう、人間の街に住みたい。贅沢を言えば美人の多い街。
「なぁ、部隊長さん? ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
「ぅん? ……あぁ、そう言えば名前を知らせていなかったな。」
砦から近い場所で、オレみたいな明らかな余所者でも簡単に住める治安の良い街が無いか、って聞こうとしたんだけどな。
まぁ確かに、お互いに名前を知っといた方が話しやすいだろうな。
っていうか名前も知らない状態でフェラし合ってたんだな、オレたち。今までよく誰も気付かなかったもんだ。
「私は森エルフのディルトリッヒと言う。第二部隊長をしている者だ。」
「長いからディルって呼んでいいか。」
いかにもエルフっぽい、貴族みたいに長ったらしい気取った名前だな。
もちろんオレの知り合いにエルフも貴族もいないから、これは単なる偏見だ。
長いのもそうだけど発音もメンドい。
無駄に文字数も多くなるから短縮させて貰おう。
「あっ……あぁ、ぃ、いいとも。」
了承をくれながら、薄っすらと頬を染める美人……改め、ディル。
あだ名で呼ぶのが何かしらの意味があるのかも知れん。頬を染めるような。
まぁ、結婚しろとかってのじゃないなら別にいっか。
「ところで、キミの名は……?」
「オレたち、入れ替わってる。」
「ん……ぅん?」
「いやなんでもないです。」
変な空気になった……なり掛けたのはオレが悪かったです。
つい、言っちゃったんだ、仕方ないだろ。
それはともかく。
名前かぁ……。オレの名前、あんまりカッコ良くないんだけどなぁ。
異世界だから分からんか。
「オレは、タナカヒロシ。」
いかにも偽名っぽいけど本名だ。
しかもヒロシは、大きい、って書いてヒロシ。メチャメチャ画数少ないだろ。
「タナッカ…」
「タナカってのは家族共通のやつで……なんだっけ? 家名ってやつ? オレ個人の名前はヒロシだ。」
「ヒロスィー。」
「……ヒロ、って呼ぶことをオススメするぞ。」
異世界人にとって日本人らしい名前は発音しにくい。……ってのはお約束だな。
小声で復唱するディルの様子が可愛いぞ。
可愛いんだけど。
オレもディルをあだ名で呼ぶんだから、ディルも呼びやすそうなのをお薦めした。
「ヒロ……。分かった、ヒロ、だな。それはそうと、ヒロの種族は?」
「種族ぅ?」
自己紹介で種族とか言うのか、さすがは異世界ファンタジー。
見てのとおりオレは人間だっつーの。
って言い掛けて、オレは言葉を飲み込んだ。
わざわざ聞いてくるってことは、オレの見た目からコレだろって判断できるような種族がいないってことか?
え、なに、まさか。この世界、人間がいないとか言う? 言っちゃう?
存在しないならまだしも、植物美青年……改め、美青年ドライドみたく、邪悪な種族扱いされてたらどうしよう。
「種族……え~っと。」
「どうした? ……まさか。……まさかとは思うが、人間族であったり…」
「あっ、いやいやいやっ。そんなっ、まさかっ。」
ディルの口調から不穏な気配を感じ取って、咄嗟に力強く否定した。
否定したけど、その後に言葉が続かない。
適当に別なのを答えようにも、この世界にどんな種族があるか分からんぞ。
人間以外にも、ヤブヘビになる種族とかありそうだもんなぁ。
……なんて答えようか。いや、待てよ?
この世界にオレの生活基盤が無いって問題もあることだし。
もういっそのこと。
異世界から来ましたって、バラした方が良くないか?
説教されるのにも飽きたオレは、……説教される側が飽きてんじゃないよってツッコミは置いとくとして……、もうひとつの問題クリアの為に動き出すことにした。
ひとまず今は砦に連れてって貰えるものの、その先は全くの未定だからな。
この世界でオレが、何処でどう暮らすかって目途だけでも立てておきたい。
現代法治国家の日本から来たオレにとって、衣食住の確保は何より大事だ。
正直なところ、砦じゃなくて町で暮らしたいし、出来れば大きな街がいい。
オレが目立たないよう、人間の街に住みたい。贅沢を言えば美人の多い街。
「なぁ、部隊長さん? ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
「ぅん? ……あぁ、そう言えば名前を知らせていなかったな。」
砦から近い場所で、オレみたいな明らかな余所者でも簡単に住める治安の良い街が無いか、って聞こうとしたんだけどな。
まぁ確かに、お互いに名前を知っといた方が話しやすいだろうな。
っていうか名前も知らない状態でフェラし合ってたんだな、オレたち。今までよく誰も気付かなかったもんだ。
「私は森エルフのディルトリッヒと言う。第二部隊長をしている者だ。」
「長いからディルって呼んでいいか。」
いかにもエルフっぽい、貴族みたいに長ったらしい気取った名前だな。
もちろんオレの知り合いにエルフも貴族もいないから、これは単なる偏見だ。
長いのもそうだけど発音もメンドい。
無駄に文字数も多くなるから短縮させて貰おう。
「あっ……あぁ、ぃ、いいとも。」
了承をくれながら、薄っすらと頬を染める美人……改め、ディル。
あだ名で呼ぶのが何かしらの意味があるのかも知れん。頬を染めるような。
まぁ、結婚しろとかってのじゃないなら別にいっか。
「ところで、キミの名は……?」
「オレたち、入れ替わってる。」
「ん……ぅん?」
「いやなんでもないです。」
変な空気になった……なり掛けたのはオレが悪かったです。
つい、言っちゃったんだ、仕方ないだろ。
それはともかく。
名前かぁ……。オレの名前、あんまりカッコ良くないんだけどなぁ。
異世界だから分からんか。
「オレは、タナカヒロシ。」
いかにも偽名っぽいけど本名だ。
しかもヒロシは、大きい、って書いてヒロシ。メチャメチャ画数少ないだろ。
「タナッカ…」
「タナカってのは家族共通のやつで……なんだっけ? 家名ってやつ? オレ個人の名前はヒロシだ。」
「ヒロスィー。」
「……ヒロ、って呼ぶことをオススメするぞ。」
異世界人にとって日本人らしい名前は発音しにくい。……ってのはお約束だな。
小声で復唱するディルの様子が可愛いぞ。
可愛いんだけど。
オレもディルをあだ名で呼ぶんだから、ディルも呼びやすそうなのをお薦めした。
「ヒロ……。分かった、ヒロ、だな。それはそうと、ヒロの種族は?」
「種族ぅ?」
自己紹介で種族とか言うのか、さすがは異世界ファンタジー。
見てのとおりオレは人間だっつーの。
って言い掛けて、オレは言葉を飲み込んだ。
わざわざ聞いてくるってことは、オレの見た目からコレだろって判断できるような種族がいないってことか?
え、なに、まさか。この世界、人間がいないとか言う? 言っちゃう?
存在しないならまだしも、植物美青年……改め、美青年ドライドみたく、邪悪な種族扱いされてたらどうしよう。
「種族……え~っと。」
「どうした? ……まさか。……まさかとは思うが、人間族であったり…」
「あっ、いやいやいやっ。そんなっ、まさかっ。」
ディルの口調から不穏な気配を感じ取って、咄嗟に力強く否定した。
否定したけど、その後に言葉が続かない。
適当に別なのを答えようにも、この世界にどんな種族があるか分からんぞ。
人間以外にも、ヤブヘビになる種族とかありそうだもんなぁ。
……なんて答えようか。いや、待てよ?
この世界にオレの生活基盤が無いって問題もあることだし。
もういっそのこと。
異世界から来ましたって、バラした方が良くないか?
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