17 / 46
17:行くアテが無いんで保護して貰えないですか
しおりを挟む
「実はオレ、たぶんだけど、こことは違う世界から来たんだ。」
異世界から来たって話した方が面倒が少ないかも知れない。
そう考えてからカミングアウトするまでの時間は、たっぷり2秒間くらい。
「ちょっと信じられないような話だろ? でも事実なんだ。自宅で風呂に入ってたはずなのに、ふと気付いたら森の中にいたんだ。」
話し始めてから気付いた。
証拠も何も無いから、信憑性も信頼性もゼロだっつ~悲劇。
話す前に気付きたかった。
もう遅い。思い付くままに勢いで押すしかない。
どうにか信じて貰わないと、話が進まん。
「……そうか。異世界からの……。」
嘘ぉ~っ、ディル、信じてるぅ~っ。
「つまり、界渡り(かいわたり)ってことですかね、部隊長。」
嘘ぉ~っ、美形の人たちも信じてるぅ~っ。
言い出したオレでもちょっと、逆の立場だったら絶対たぶん信じないってのに。
コチラの方って皆さん、そんなアッサリ信じちゃうんですか~。
もしかして案外、異世界人の来訪ってメジャーなイベントだったりするのか? 意外と現地の方々は慣れてらっしゃる感じか?
さすがは異世界ファンタジー。話が早くて助かった。
助かったん、だけど……。
あんまりにも理解が早いっつ~か、スムーズに物事が進み過ぎると。
疑わしい気がしてくるのが人間、ってものでな。
「おい、いいのか? オレが異世界から来たとか、そんなの簡単に信じたりして。」
「この世界の者がそんな嘘を吐いたところで、何の得にもならない。自分は地位も権力も、後ろ盾やコネもカネも持っていないと、高らかに宣言するようなものだからな。」
「はぁ、そんなもんかねぇ。」
「それにキミ……こほん。ヒロ…は出会った直後ぐらいに、何か喋っていただろう。この辺りでは聞いた事の無い言葉だったぞ。」
「へぇ~え。独り言でも喋っておくもんだなぁ。」
不思議な言語を話す全裸男、って実績が。オレの異世界人認定を速めてくれたのか。
人生、何がどう幸いするか分からんもんだなぁ。とりあえず全裸は関係無かったな。
「それはそうと、コッチ来た異世界人ってさ。……えぇと……。」
「ぅん? どうした?」
「……周囲からの扱いとか、どんな感じかなぁ……っと、気になってみたり。」
ぶっちゃけ言うと、国で異世界人の保護とかやってないかな~って。
勇者様だの神のナントカだの、そこまでチヤホヤしてくれとは言わんから。
自立した生活が軌道に乗るまで面倒みてくれないかな~って。
言おうとして、寸でのところで止めて、言い換えた。
異世界人を詐称しても何も得しないって、ディルが言ったから。
まさかとは思うけど、扱いが酷かったりしないだろな。
奴隷扱いとか。家畜扱いとか。
愛玩動物扱い……は望むところだぞ。誰か金持ちの、アラブの石油王とかマネーキングとか、オレを愛でてくれ。
「本当に界渡りなら珍しがられる。」
「気持ち悪がられたり、虐げられたり、忌み嫌われたりとかはっ?」
「見た目が恐ろしい異形であったり、悪事を働かなければそんな事は無い。」
思ったより、どうってことなさそうだ。
だけどこれじゃ駄目だ。
弱腰になったオレがふんわり聞いた所為で、ふんわりした答えしか返って来ない。
ハッキリと聞かないと。
「オレの場合はどうだ? どうなる? 何か決まりとかあるのか?」
「事例があまり多くはないから画一的な決まりはないんだが……。ひとまずは砦に到着次第、上と相談して、国か教会に報告をする。」
「やべぇ。大事になりそうな予感。」
上、って上層部って意味だよな。
部隊長って肩書だけどディルが一番偉い人なんじゃないのか。
そりゃそうか。一番トップが砦の外にホイホイ出ちゃイカンよな。
にしても、上層部と相談とか、国に報告とか。
危険人物視されそうな可能性にドキドキものだな。
「今後どうなるかは、ヒロがどうしたいか、にもよる。もしも行く当てが無いという事で、ヒロが希望するのであれば、国か教会で保護をする事になる可能性が高いだ…」
「行くアテが無いんで面倒みてくれ。」
保護して貰えるって聞いたら、そりゃお願いするだろ。台詞も食い気味になるだろ。
全力でニート発言だ、恥ずかしくなんかないぜ。
「判断が早いな。まだ先の話だからゆっくり考えれば良い。……着いたぞ。」
苦笑するディルと美形たちが足を止めた。
モチャモチャしてる間に到着したらしい。
異世界から来たって話した方が面倒が少ないかも知れない。
そう考えてからカミングアウトするまでの時間は、たっぷり2秒間くらい。
「ちょっと信じられないような話だろ? でも事実なんだ。自宅で風呂に入ってたはずなのに、ふと気付いたら森の中にいたんだ。」
話し始めてから気付いた。
証拠も何も無いから、信憑性も信頼性もゼロだっつ~悲劇。
話す前に気付きたかった。
もう遅い。思い付くままに勢いで押すしかない。
どうにか信じて貰わないと、話が進まん。
「……そうか。異世界からの……。」
嘘ぉ~っ、ディル、信じてるぅ~っ。
「つまり、界渡り(かいわたり)ってことですかね、部隊長。」
嘘ぉ~っ、美形の人たちも信じてるぅ~っ。
言い出したオレでもちょっと、逆の立場だったら絶対たぶん信じないってのに。
コチラの方って皆さん、そんなアッサリ信じちゃうんですか~。
もしかして案外、異世界人の来訪ってメジャーなイベントだったりするのか? 意外と現地の方々は慣れてらっしゃる感じか?
さすがは異世界ファンタジー。話が早くて助かった。
助かったん、だけど……。
あんまりにも理解が早いっつ~か、スムーズに物事が進み過ぎると。
疑わしい気がしてくるのが人間、ってものでな。
「おい、いいのか? オレが異世界から来たとか、そんなの簡単に信じたりして。」
「この世界の者がそんな嘘を吐いたところで、何の得にもならない。自分は地位も権力も、後ろ盾やコネもカネも持っていないと、高らかに宣言するようなものだからな。」
「はぁ、そんなもんかねぇ。」
「それにキミ……こほん。ヒロ…は出会った直後ぐらいに、何か喋っていただろう。この辺りでは聞いた事の無い言葉だったぞ。」
「へぇ~え。独り言でも喋っておくもんだなぁ。」
不思議な言語を話す全裸男、って実績が。オレの異世界人認定を速めてくれたのか。
人生、何がどう幸いするか分からんもんだなぁ。とりあえず全裸は関係無かったな。
「それはそうと、コッチ来た異世界人ってさ。……えぇと……。」
「ぅん? どうした?」
「……周囲からの扱いとか、どんな感じかなぁ……っと、気になってみたり。」
ぶっちゃけ言うと、国で異世界人の保護とかやってないかな~って。
勇者様だの神のナントカだの、そこまでチヤホヤしてくれとは言わんから。
自立した生活が軌道に乗るまで面倒みてくれないかな~って。
言おうとして、寸でのところで止めて、言い換えた。
異世界人を詐称しても何も得しないって、ディルが言ったから。
まさかとは思うけど、扱いが酷かったりしないだろな。
奴隷扱いとか。家畜扱いとか。
愛玩動物扱い……は望むところだぞ。誰か金持ちの、アラブの石油王とかマネーキングとか、オレを愛でてくれ。
「本当に界渡りなら珍しがられる。」
「気持ち悪がられたり、虐げられたり、忌み嫌われたりとかはっ?」
「見た目が恐ろしい異形であったり、悪事を働かなければそんな事は無い。」
思ったより、どうってことなさそうだ。
だけどこれじゃ駄目だ。
弱腰になったオレがふんわり聞いた所為で、ふんわりした答えしか返って来ない。
ハッキリと聞かないと。
「オレの場合はどうだ? どうなる? 何か決まりとかあるのか?」
「事例があまり多くはないから画一的な決まりはないんだが……。ひとまずは砦に到着次第、上と相談して、国か教会に報告をする。」
「やべぇ。大事になりそうな予感。」
上、って上層部って意味だよな。
部隊長って肩書だけどディルが一番偉い人なんじゃないのか。
そりゃそうか。一番トップが砦の外にホイホイ出ちゃイカンよな。
にしても、上層部と相談とか、国に報告とか。
危険人物視されそうな可能性にドキドキものだな。
「今後どうなるかは、ヒロがどうしたいか、にもよる。もしも行く当てが無いという事で、ヒロが希望するのであれば、国か教会で保護をする事になる可能性が高いだ…」
「行くアテが無いんで面倒みてくれ。」
保護して貰えるって聞いたら、そりゃお願いするだろ。台詞も食い気味になるだろ。
全力でニート発言だ、恥ずかしくなんかないぜ。
「判断が早いな。まだ先の話だからゆっくり考えれば良い。……着いたぞ。」
苦笑するディルと美形たちが足を止めた。
モチャモチャしてる間に到着したらしい。
10
あなたにおすすめの小説
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
事なかれ主義の回廊
由紀菜
BL
大学生の藤咲啓嗣は通学中に事故に遭い、知らない世界で転生する。大貴族の次男ランバート=アルフレイドとして初等部入学前から人生をやり直し、学園で出会う無愛想で大人顔負けの魔法の実力者であるヨアゼルン=フィアラルドと親友になるが、彼に隠された力に翻弄され次々と襲ってくる災難に巻き込まれる。終いには、国家の存続を揺るがす大事件にまで発展することに・・・
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる