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第五章 ~ゲームに無かった展開だから遠慮しないで歯向かう~
もう忘れてもいいじゃない・4 $リオ$
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突然、おれとイグゥの会話に割り込んで来た、いかにもタチっぽい男。
乱暴な口調でもない。大声を出したんでもない。だけど周りの人を威圧するには充分なだけの、傲慢さを感じる男だった。
誰かに逆らわれた経験なんか無い、って。男の表情が、態度が、そう主張してた。
「イグゥの知り合い?」
「……あぁ、えっと……。イクシィズって男が天守の、金獅子のハーレムで若守(わかもり)様って立場の人だ。」
おれの知り合いじゃないから、一応、イグゥにも聞いてみた。聞いたクセに、知り合いじゃないって答えを期待しながら。
イグゥの返事は、知り合いのような、違うような。どっちにも取れる微妙さ加減。
少なくとも親しい相手や、親しくなりたい対象じゃなさそうって思った。
それと同時に、ある事に気付いた。
気付いて自分でもビックリ。
おれ、今……この、明らかにタチ……、オレ様系なタチに、ムカ付いてる。
全然怖くないってワケじゃ、ないのに違う……。イグゥが居るから?
投げ付けられた侮辱の言葉に、追い詰められたりしてない。
普通に考えれば、イグゥが来てくれる寸前まで、あんなに悩んで怖がって泣いたりしてた……そんな臆病なおれなんだから。あんな、自信の塊みたいな男から「価値が低すぎる」なんて言われたら、胸をナイフで刺されたぐらい傷付いてるハズなのに。
遠慮なしでジロジロ見られても、今おれの中にあるのは不快感。ちょっと苛立って、ちょっと怒ってる。
平気なワケじゃないけど、気持ちはあんまり大きく揺さぶられてない感じ。
もしかしてこれも、無意識で自分を守る為に……感覚が麻痺してるのか?
「……ところで、今の発言は何のツモリだ?」
相手の視線からおれを庇うみたいに、イグゥが一歩前に出た。
おれが傷付かなかった言葉は、イグゥを怒らせたみたいだ。
押し殺した声に、淡々とした口調。全部から嫌悪感が溢れ出てた。
初めておれを助けてくれたあの時の、先輩達に向かってた時のあれなんか比べ物にならないぐらい、剥き出しにした強い感情。
初めて見るんじゃない、おれを守ってくれるイグゥの背中。
好き……。
……っあ、え…っと、ダメダメ。ダメだろっ。
今たぶん、これから真剣な場面になるんだぞ。
イグゥの背中見て、好き……、とかノボセてる場合じゃないんだってば、おれ。
「……話はそれだけか?」
イグゥは相当イラ立ってるみたいだ。
受け答えが短いし、声も低くなってて抑揚も無い。
いつもの張りのある喋り声も好きだし。
離れた場所からおれを呼ぶ、良く通る声も好きだし。
優しくて穏やかに気遣ってくれる声も好き。
でも今の声はなんか……いつもと違ってて、なんか凄いドキドキする。
普段のイグゥは明るくて優しくて、ちょっと情けない一面もあって、そこも好きなんだけど……カッコいいイグゥは、やっぱりカッコいいなぁ~って。
もうっ、おれ、ナニ言ってるんだろう。
でもイグゥ、カッコいい……好き。
若守様って男がおれの方を見た。
おれはずっとイグゥを見てるから目は合わないけど……コッチ見るな。邪魔。
「……、………。清らかですらないのに、何の価値が?」
「っ! 黙れ…っ!」
男の胸倉を掴み上げるイグゥ。
色んな意味でおれは息を呑んだ。
一つ。
おれが清らかじゃないのって、見た目で分かっちゃうもんなんだ! ショック!
この男はおれの事、知らなさそうだったのに。
身体にある『割れた実』を見せたワケでもないのに。
おれの顔を見て、きっとそうだろうって決め付けたんでもなさそうだし。
じゃ、もしかして、イグゥにも分かってた? おれが誰かに身体を開いた事。
あ、そうか、イグゥ……だからあんなに力強く「関係無い」って言ってたんだ。
もう一つ。
イグゥが自分の方から乱暴な行動をするなんて……!
おれが先輩達に絡まれてた時も、刃物で刺された時も。イグゥは相手からの動きに対応しただけで、自分から積極的に荒事を起こしたりはしなかった。
しかもその動きも、本当に最小限だけ。凄くスマートで、綺麗で、無駄が無かった。
それなのに今は。乱雑に相手の服を強く握り締めてる。
短気を起こしたみたいな行動に、怒ってる表情も……おれの、ため……?
おれの為に、そんなに、怒ってくれるんだ……もう、こんなの……。
……好きになっちゃうだろ。
あ、もう好きだった。
「それ以上、リオを侮辱するな……。」
男を威嚇するイグゥの低い声。
言われてるのがおれじゃないから、安心してゾクゾク出来る。
イイな、この声……たまぁにで、いいから。聞きたいな……。
おれ、イグゥの低い声、かなり好きみたいだ。
「……、部外者は黙ってろ!」
急な大声でビックリした。
イグゥ、怒鳴ったりするんだな。ちょっと怖かった。
ああぁぁ、でも……イグゥ…っ、カッコいい……!
もうっ、クソ、ムカつくぐらいカッコいいな……。
自分と同じぐらいの身長でガタイもいい男を、イグゥはいとも簡単に引き摺った。
出入口のドアまで行って、乱暴に男の身体を突き放す。
男はそれなりに体力も体幹も良さそうな感じなのに、何も抵抗しなかった。
「……出てけ。」
何か喋ってる男の声を遮るみたいに、イグゥが低く唸る。今の声もイイ。
男は肩を竦めてノブに手を掛けた。
「ハーレムの方、頑張れよ。」
男が去り際に残した捨て台詞がコレ。
えーと……なに? 急に友情が芽生えてた、とかじゃない……よな?
乱暴な口調でもない。大声を出したんでもない。だけど周りの人を威圧するには充分なだけの、傲慢さを感じる男だった。
誰かに逆らわれた経験なんか無い、って。男の表情が、態度が、そう主張してた。
「イグゥの知り合い?」
「……あぁ、えっと……。イクシィズって男が天守の、金獅子のハーレムで若守(わかもり)様って立場の人だ。」
おれの知り合いじゃないから、一応、イグゥにも聞いてみた。聞いたクセに、知り合いじゃないって答えを期待しながら。
イグゥの返事は、知り合いのような、違うような。どっちにも取れる微妙さ加減。
少なくとも親しい相手や、親しくなりたい対象じゃなさそうって思った。
それと同時に、ある事に気付いた。
気付いて自分でもビックリ。
おれ、今……この、明らかにタチ……、オレ様系なタチに、ムカ付いてる。
全然怖くないってワケじゃ、ないのに違う……。イグゥが居るから?
投げ付けられた侮辱の言葉に、追い詰められたりしてない。
普通に考えれば、イグゥが来てくれる寸前まで、あんなに悩んで怖がって泣いたりしてた……そんな臆病なおれなんだから。あんな、自信の塊みたいな男から「価値が低すぎる」なんて言われたら、胸をナイフで刺されたぐらい傷付いてるハズなのに。
遠慮なしでジロジロ見られても、今おれの中にあるのは不快感。ちょっと苛立って、ちょっと怒ってる。
平気なワケじゃないけど、気持ちはあんまり大きく揺さぶられてない感じ。
もしかしてこれも、無意識で自分を守る為に……感覚が麻痺してるのか?
「……ところで、今の発言は何のツモリだ?」
相手の視線からおれを庇うみたいに、イグゥが一歩前に出た。
おれが傷付かなかった言葉は、イグゥを怒らせたみたいだ。
押し殺した声に、淡々とした口調。全部から嫌悪感が溢れ出てた。
初めておれを助けてくれたあの時の、先輩達に向かってた時のあれなんか比べ物にならないぐらい、剥き出しにした強い感情。
初めて見るんじゃない、おれを守ってくれるイグゥの背中。
好き……。
……っあ、え…っと、ダメダメ。ダメだろっ。
今たぶん、これから真剣な場面になるんだぞ。
イグゥの背中見て、好き……、とかノボセてる場合じゃないんだってば、おれ。
「……話はそれだけか?」
イグゥは相当イラ立ってるみたいだ。
受け答えが短いし、声も低くなってて抑揚も無い。
いつもの張りのある喋り声も好きだし。
離れた場所からおれを呼ぶ、良く通る声も好きだし。
優しくて穏やかに気遣ってくれる声も好き。
でも今の声はなんか……いつもと違ってて、なんか凄いドキドキする。
普段のイグゥは明るくて優しくて、ちょっと情けない一面もあって、そこも好きなんだけど……カッコいいイグゥは、やっぱりカッコいいなぁ~って。
もうっ、おれ、ナニ言ってるんだろう。
でもイグゥ、カッコいい……好き。
若守様って男がおれの方を見た。
おれはずっとイグゥを見てるから目は合わないけど……コッチ見るな。邪魔。
「……、………。清らかですらないのに、何の価値が?」
「っ! 黙れ…っ!」
男の胸倉を掴み上げるイグゥ。
色んな意味でおれは息を呑んだ。
一つ。
おれが清らかじゃないのって、見た目で分かっちゃうもんなんだ! ショック!
この男はおれの事、知らなさそうだったのに。
身体にある『割れた実』を見せたワケでもないのに。
おれの顔を見て、きっとそうだろうって決め付けたんでもなさそうだし。
じゃ、もしかして、イグゥにも分かってた? おれが誰かに身体を開いた事。
あ、そうか、イグゥ……だからあんなに力強く「関係無い」って言ってたんだ。
もう一つ。
イグゥが自分の方から乱暴な行動をするなんて……!
おれが先輩達に絡まれてた時も、刃物で刺された時も。イグゥは相手からの動きに対応しただけで、自分から積極的に荒事を起こしたりはしなかった。
しかもその動きも、本当に最小限だけ。凄くスマートで、綺麗で、無駄が無かった。
それなのに今は。乱雑に相手の服を強く握り締めてる。
短気を起こしたみたいな行動に、怒ってる表情も……おれの、ため……?
おれの為に、そんなに、怒ってくれるんだ……もう、こんなの……。
……好きになっちゃうだろ。
あ、もう好きだった。
「それ以上、リオを侮辱するな……。」
男を威嚇するイグゥの低い声。
言われてるのがおれじゃないから、安心してゾクゾク出来る。
イイな、この声……たまぁにで、いいから。聞きたいな……。
おれ、イグゥの低い声、かなり好きみたいだ。
「……、部外者は黙ってろ!」
急な大声でビックリした。
イグゥ、怒鳴ったりするんだな。ちょっと怖かった。
ああぁぁ、でも……イグゥ…っ、カッコいい……!
もうっ、クソ、ムカつくぐらいカッコいいな……。
自分と同じぐらいの身長でガタイもいい男を、イグゥはいとも簡単に引き摺った。
出入口のドアまで行って、乱暴に男の身体を突き放す。
男はそれなりに体力も体幹も良さそうな感じなのに、何も抵抗しなかった。
「……出てけ。」
何か喋ってる男の声を遮るみたいに、イグゥが低く唸る。今の声もイイ。
男は肩を竦めてノブに手を掛けた。
「ハーレムの方、頑張れよ。」
男が去り際に残した捨て台詞がコレ。
えーと……なに? 急に友情が芽生えてた、とかじゃない……よな?
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