295 / 364
第六章 ~ゲームと違ってオレのハーレムは自動生成されない~
大事な話があるって言うのを忘れてるオレ
しおりを挟む
「ビリー!」
思いっ切り手を振ってから、オレはビリーに駆け寄った。
ちょっと大声過ぎたかも知れない。
通りを歩いてた他の通行人も振り返ってた。
「……イグゥ、声…」
「ゴメン、そんなに大声出したツモリは無かったんだけど。」
割と恥ずかしがり屋さんなビリーは、人目を集めちゃって居心地悪そうだ。
靴の爪先で路面をグリグリして、恥ずかしさをやり過ごそうとしてる。
養育所にいた頃の、守ってあげたい感じだったビリーを思い出して、オレは懐かしい気分になった。
でもビリー。
昔とはちょっと印象が違うけど。今の見た目だって凄い、格好良いんだからさ。
誰から注目されたって全然、大丈夫だって思うぞ。
もしオレがビリーみたいな外見だったら、もっとシッカリ見せびらかすだろうな。
まぁその辺は、人それぞれ、好みっていうか、自分の中での理想は違うもんだから仕方ないか。
「えっと、ビリー? 何処かに行く途中なんだろ? オレは詰め所に行く途中なんだけど。」
「……俺も。」
「そうだったのか。じゃあ、一緒に行かないか? 歩きながら話そう。」
「……うん。」
コックリしたビリーと、隣り合って歩き出す。
ここで立ち話は……さっき大声を出して注目された手前、恥ずかしいし。
ビリーが詰め所に行く予定なのは良かったな。
オレもちょうど、詰め所に行く予定だったから。
病院を出たらもう夕方でさ。リオのトコで、随分な長居しちゃってたんだ。
だから、ルサーを迎えに行って、そのまま一緒に生鮮市場ストリートで買い物して帰ろうって考えてたんだ。
「それにしても偶然だな、ビリー。こんなトコで会うなんて。……今まで町の中で会ったこと、無かったよな?」
「……うん。」
結構オレって、日頃から町の中をフラフラしてた気がするんだけど、ビリーとは一度も行き合った記憶が無い。
ノマルの町はそこそこ大きいし、道を行き交う人も大勢いる。旅人も多い。
だから普段、知り合いと擦れ違うことが無くても当たり前なんだけど。
こうしてイザ誰かと出会ったりすると、凄い新鮮で感動するなぁ。
「……決まった所、だけ……行く。」
「あぁ、なるほどな。」
ポツリと呟くビリー。
普段は『いつもの店』的な、決まった場所にしか行かないんだろう。
「オレさ、たまにルサーを迎えに行ってるんだ。ビリーもカシュを迎えに行くんだろ? 今までも案外、ちょっとの時間差ですれ違ってたりしてな?」
「……いや。……今日、初めて……。」
「そうなのか? てっきり、いつも行ってるんだと思った。」
だってホラ、今、決まった場所しか行かないって話が出たからぁ。
てっきり詰め所もその『決まった場所』の一つなんだって、そう思ったぞ。
「……イグゥの、真似…。」
ビリーはちょっとモゴモゴした後、はにかむような笑みを見せる。
オレがたまに迎えに来るって、カシュに聞いたんだろうな。
それを真似してみよう、とか……ビリー、なんか凄い可愛いなぁ。
「そっか。じゃあ今日はビリーの、初めてのお迎え……だな?」
「……うん。……でも、…ちょっと、心配……。」
「ぅん? ……あぁ、いきなり行って迷惑なんじゃないかって、心配してるのか?」
「……うん。」
「大丈夫だって。恋人が迎えに行くの、別に問題無いみたいだぞ? オレも何回か行ってるけど、兵士の人達、割と歓迎してくれるんだ。邪魔しないように、端っこで一緒に待ってよう。」
自分が詰め所に行ったときの記憶を振り返って話すオレ。
ちょっとは遠慮しろよ、って言われそうだけど。
皆の態度とか、他の一般人のお客さんも割と『溜まり所』的に使ってるのとかを考えたら。……うん。
兵士の詰め所って、割と敷居が低いんだよな。
「そう…かな。」
「別にカシュはビリーとの仲を秘密にしてるんじゃないだろ? ほら、前に……久し振りに会ったお店でさ。フィロウも一緒にいたけど、恋人だって堂々と言ってたじゃないか。」
「うん……。」
安心したようにビリーは小さく笑った。
こうやって話してると、ビリーとカシュは恋人なんだって、改めて実感する。
それはそれで羨ましいような、微笑ましいような、不思議な気分だ。
ビリーはオレが好きなんだけど、カシュも好きなんだよな。
オレは……オレも、ビリーが好きだって思う。
そのビリーに、オレ以外の恋人がいるって状況は。
なんかモヤモヤするけど、凄く不快って気持ちじゃなくって。
ちょっと嫉妬のような気持ちが湧いてるって自分でも分かるんだけど、だからってカシュに対して嫌な気持ちは浮かんで来ないし。むしろ、カシュはなんか可愛いなって思ったりもするくらいだ。
そんな感じだから。
ビリーを妻にしたいのはハッキリしてるんだけど。
カシュについてどうするのか。
ビリーともカシュとも相談しなきゃ、なんだけど。
オレは決めかねてる。
思いっ切り手を振ってから、オレはビリーに駆け寄った。
ちょっと大声過ぎたかも知れない。
通りを歩いてた他の通行人も振り返ってた。
「……イグゥ、声…」
「ゴメン、そんなに大声出したツモリは無かったんだけど。」
割と恥ずかしがり屋さんなビリーは、人目を集めちゃって居心地悪そうだ。
靴の爪先で路面をグリグリして、恥ずかしさをやり過ごそうとしてる。
養育所にいた頃の、守ってあげたい感じだったビリーを思い出して、オレは懐かしい気分になった。
でもビリー。
昔とはちょっと印象が違うけど。今の見た目だって凄い、格好良いんだからさ。
誰から注目されたって全然、大丈夫だって思うぞ。
もしオレがビリーみたいな外見だったら、もっとシッカリ見せびらかすだろうな。
まぁその辺は、人それぞれ、好みっていうか、自分の中での理想は違うもんだから仕方ないか。
「えっと、ビリー? 何処かに行く途中なんだろ? オレは詰め所に行く途中なんだけど。」
「……俺も。」
「そうだったのか。じゃあ、一緒に行かないか? 歩きながら話そう。」
「……うん。」
コックリしたビリーと、隣り合って歩き出す。
ここで立ち話は……さっき大声を出して注目された手前、恥ずかしいし。
ビリーが詰め所に行く予定なのは良かったな。
オレもちょうど、詰め所に行く予定だったから。
病院を出たらもう夕方でさ。リオのトコで、随分な長居しちゃってたんだ。
だから、ルサーを迎えに行って、そのまま一緒に生鮮市場ストリートで買い物して帰ろうって考えてたんだ。
「それにしても偶然だな、ビリー。こんなトコで会うなんて。……今まで町の中で会ったこと、無かったよな?」
「……うん。」
結構オレって、日頃から町の中をフラフラしてた気がするんだけど、ビリーとは一度も行き合った記憶が無い。
ノマルの町はそこそこ大きいし、道を行き交う人も大勢いる。旅人も多い。
だから普段、知り合いと擦れ違うことが無くても当たり前なんだけど。
こうしてイザ誰かと出会ったりすると、凄い新鮮で感動するなぁ。
「……決まった所、だけ……行く。」
「あぁ、なるほどな。」
ポツリと呟くビリー。
普段は『いつもの店』的な、決まった場所にしか行かないんだろう。
「オレさ、たまにルサーを迎えに行ってるんだ。ビリーもカシュを迎えに行くんだろ? 今までも案外、ちょっとの時間差ですれ違ってたりしてな?」
「……いや。……今日、初めて……。」
「そうなのか? てっきり、いつも行ってるんだと思った。」
だってホラ、今、決まった場所しか行かないって話が出たからぁ。
てっきり詰め所もその『決まった場所』の一つなんだって、そう思ったぞ。
「……イグゥの、真似…。」
ビリーはちょっとモゴモゴした後、はにかむような笑みを見せる。
オレがたまに迎えに来るって、カシュに聞いたんだろうな。
それを真似してみよう、とか……ビリー、なんか凄い可愛いなぁ。
「そっか。じゃあ今日はビリーの、初めてのお迎え……だな?」
「……うん。……でも、…ちょっと、心配……。」
「ぅん? ……あぁ、いきなり行って迷惑なんじゃないかって、心配してるのか?」
「……うん。」
「大丈夫だって。恋人が迎えに行くの、別に問題無いみたいだぞ? オレも何回か行ってるけど、兵士の人達、割と歓迎してくれるんだ。邪魔しないように、端っこで一緒に待ってよう。」
自分が詰め所に行ったときの記憶を振り返って話すオレ。
ちょっとは遠慮しろよ、って言われそうだけど。
皆の態度とか、他の一般人のお客さんも割と『溜まり所』的に使ってるのとかを考えたら。……うん。
兵士の詰め所って、割と敷居が低いんだよな。
「そう…かな。」
「別にカシュはビリーとの仲を秘密にしてるんじゃないだろ? ほら、前に……久し振りに会ったお店でさ。フィロウも一緒にいたけど、恋人だって堂々と言ってたじゃないか。」
「うん……。」
安心したようにビリーは小さく笑った。
こうやって話してると、ビリーとカシュは恋人なんだって、改めて実感する。
それはそれで羨ましいような、微笑ましいような、不思議な気分だ。
ビリーはオレが好きなんだけど、カシュも好きなんだよな。
オレは……オレも、ビリーが好きだって思う。
そのビリーに、オレ以外の恋人がいるって状況は。
なんかモヤモヤするけど、凄く不快って気持ちじゃなくって。
ちょっと嫉妬のような気持ちが湧いてるって自分でも分かるんだけど、だからってカシュに対して嫌な気持ちは浮かんで来ないし。むしろ、カシュはなんか可愛いなって思ったりもするくらいだ。
そんな感じだから。
ビリーを妻にしたいのはハッキリしてるんだけど。
カシュについてどうするのか。
ビリーともカシュとも相談しなきゃ、なんだけど。
オレは決めかねてる。
0
あなたにおすすめの小説
泥酔している間に愛人契約されていたんだが
暮田呉子
BL
泥酔していた夜、目を覚ましたら――【愛人契約書】にサインしていた。
黒髪の青年公爵レナード・フォン・ディアセント。
かつて嫡外子として疎まれ、戦場に送られた彼は、己の命を救った傭兵グレイを「女避けの盾」として雇う。
だが、片腕を失ったその男こそ、レナードの心を動かした唯一の存在だった。
元部下の冷徹な公爵と、酒に溺れる片腕の傭兵。
交わした契約の中で、二人の距離は少しずつ近づいていくが――。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした
和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。
そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。
* 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵
* 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください
僕がサポーターになった理由
弥生 桜香
BL
この世界には能力というものが存在する
生きている人全員に何らかの力がある
「光」「闇」「火」「水」「地」「木」「風」「雷」「氷」などの能力(ちから)
でも、そんな能力にあふれる世界なのに僕ーー空野紫織(そらの しおり)は無属性だった
だけど、僕には支えがあった
そして、その支えによって、僕は彼を支えるサポーターを目指す
僕は弱い
弱いからこそ、ある力だけを駆使して僕は彼を支えたい
だから、頑張ろうと思う……
って、えっ?何でこんな事になる訳????
ちょっと、どういう事っ!
嘘だろうっ!
幕開けは高校生入学か幼き頃か
それとも前世か
僕自身も知らない、思いもよらない物語が始まった
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる