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第六章 ~ゲームと違ってオレのハーレムは自動生成されない~
面倒臭い感じがやたらに可愛い
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馬車が停まってるのは教会の裏手側。
そこまでの、さほど遠くない距離。オレとフィロウは手を繋いで歩いた。
……うん。これは完全に、アレだな。
メリクルとエステードさんのイチャイチャに影響されてるな。
まぁ、フィロウが喜んでくれてるからイイか。
「あぁそうだ、フィロウ。さっきは、ありがとう。」
「ぅん? なぁに?」
「さっきのアレって、天守同士の争いだろ? オレがやろうとしてたんだけど、なかなか上手く行かなくてさ。だから……助かったよ。」
あんなにオレが挑発したのに、仮メリクルはちっとも乗って来なかったもんな。
正直、あれ以上どうしたらいいか、困りに困りまくってたから。
あの場にフィロウが居てくれて本当に良かった。
「確実な自信があったんじゃなかったけどね。ただ、思い出した事があって。……ほら、こないだイグゥにも話したじゃない。娼館エリアでメリクルって人から媚薬を貰った話。」
「ん、あぁ、そうだな。」
「あの時は詳しく話さなかったけど。実はその時にちょっと、揉めるって言うかさ、押し問答みたいになっちゃって。本当にちょっと、だけど。そしたら、その後……なんか急に。雰囲気が変わった感じがしたんだ。だからさっきも、もしかしたらって。」
「そっか。思い出してくれて、ありがとな、フィロウ。」
「うんっ、どういたしまして。」
ニッコリ笑うフィロウはちょっと得意げな表情だ。
いつもの王子様スマイルもさることながら、今の笑顔もあどけなさに小悪魔的な印象も加わって、凄くイイ。
あぁ~、このままフィロウを、どっかに連れ込みたいな~。
……おい待て、バカバカ、落ち着けオレ。
せっかく復活したメリクルと、何より、泣きじゃくるエステードさんをあの場に放置してちゃダメだろう。いくら何でもフィロウに呆れられちゃうぞ。
「ねぇ? ボク、イグゥの役に立った?」
「役に立つなんてモンじゃないぞ。フィロウのお陰、だ。」
「良かったぁ。」
嬉しそうに目を細めるフィロウ。
ちょっとだけ首を傾げて、その動きで艶やかな黒髪がサラッと揺れる。
とっくに分かってたし、今更だけど、メチャ可愛い。
「妻の登録が出来た日に、イグゥの役にも立てて嬉しい。」
「あぁ、そうだな。今日からフィロウが妻、かぁ。」
「……もぉ~。……イグゥ~。」
今日から妻、って響きで感動するオレに。
フィロウは繋いだ手を、クイクイってする。
一転してちょっと拗ねたような表情と、フィロウの視線で。
オレはやっと気付いた。
さっきからお強請りされてたんだ、って。
こういうの、すぐ気付かないのがオレの良くないトコだよな。
「ゴメンゴメン、気付かなくて。」
「もぉ~、妻に登録した記念日なんだよ?」
「そうだな、せっかくだからキスしないとな。」
「……そんな無理して、しなくてもいいよ。」
「そう言わないで。したい。フィロウとキスしたい。」
「も……もぉ~。」
ちょっとグズるような、面倒くさいような感じでモダモダするフィロウ。
やたらに可愛くて仕方ない。
そんなに怒ってるワケじゃなくて、機嫌を取るオレにちょっと困ってるのも可愛い。
なかなか気付いて貰えなかったから拗ねちゃったのと。つい強請っちゃった恥ずかしさとか、やっと気付かれて照れ隠しとかで。どう言ったらいいか、分かんなくなっちゃってるんだろうな。
「フィロウが嫌がってたら出来ないぞ?」
「やっ、嫌がってなんか…」
「じゃあ、恥ずかしい?」
「……恥ずかしくなって来た。」
ただチューするだけの為にどんだけ時間掛けるんだよ、って?
この遣り取りがイイんだって。オレ、無駄な粘りには自信あるから。
それにちょっとくらい遅くなったってさ、どうせメリクルとエステードさんだってイチャイチャウフフしてるんだろうから、いいじゃないか。
むしろ時間を稼いであげてるんだから感謝されるべきだろう、そうだろう?
「恥ずかしがってる顔が可愛いから、もっと見てたいけど……フィロウ。もうちょっと顔を下げて。じゃなきゃ、届かないぞ?」
「そっ、そうだけど……。」
悲しいかな、オレとフィロウとの身長差は十センチ以上ある。
言葉通り、フィロウがちょっと屈むか、明らかに俯いてくれなきゃキス出来ない。
もうちょっとオレに身長があれば、爪先立ちでいけたんだけどなぁ。
まぁ何にせよ、そろそろオレから動くべきだ。
嫌じゃないのは分かったから、いいよな?
手を繋いでない方の腕をフィロウの頭へ伸ばして、出来るだけ優しく引き寄せた。
フィロウの片腕もオレの肩から背中に回って来る。
モジモジするフィロウの頬が赤い。
もっと先までヤッてるのに、恥ずかしがるとか。
王道中の王道、鉄板中の鉄板だ。……凄くイイ。
「フィロウ……。」
「イグ……んっ、んぅ…」
フィロウと唇を重ねた。
屋外だし、教会の近くだし。ちょっとだけって思ってたのに。
「んっ、イグゥ……もっかい。」
強請られて。オレが拒否出来るワケも無く。
メリクルには釘を刺したのに。
二回、三回って。
思いっ切りしちゃうのがオレの良くないトコ……だろうな。
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