拾われ仔狼が、聖龍様の唯一になるまで

竜也りく

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龍族というもの

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最初はあれほど腹の中を穿たれることに恐怖を感じたというのに、今となってはこの熱がなくなることに寂しさを覚えている。

不思議なものだ、と思った。

「っ」

突然にヨギの手が私の生殖器を擦りあげてきて驚いた。

「ん……どうした? ダメ、なのではなかったのか?」

「今度はおれが雌になる。さっきも言ったけど、おれは聖龍様の頼れる雄で、龍様の可愛い雌でありたい。聖龍様の唯一になりたいんだ」

「お前は本当に可愛いことを言う」

熱心に私の生殖器を擦ってくるヨギは愛らしく、私の熱も急速に高まっていくが、軽々にヨギに私の精を与える事はできない。私はそっとヨギの手を止めた。

「けれどヨギ、それはできない。ヨギを私の中に迎えることはいくらでもできるのだから、それで我慢してはくれぬか?」

私の言葉に、ヨギは目を丸くして不思議そうに小首を傾げる。

「どうして?」

「龍族は他種族に比べて長命で生命力が強いからね。私の精を多く受け過ぎると寿命が延びてこの世の理から離れてしまうのだよ」

「ホント!? それならおれ、その方がいい! だってそれだけ聖龍様と一緒にいられる時間が増えるってことでしょう?」

無邪気に笑うヨギの黒い犬耳はピンと立っていて、しっぽが嬉しげに揺れている。その素直な反応が嬉しいが、私はヨギを悲しませたくなかった。

「ふふ、そうれはそうだが……親しい人がどんどん先に死んでしまうのは、ヨギが思っているよりもずっと悲しいことだ。ヨギにそういう思いはさせたくないのだよ」

「でもおれ、親も兄弟も居ないし。そりゃ友達が死んじゃったら悲しいし泣くに決まってるけど……でも、おれが死んで聖龍様が寂しくて悲しい思いする方がずっとずっと嫌だよ」

「ヨギ、お前は……私と、長い時を生きてくれるというのか」

「うん!」

しっぽがちぎれそうな勢いで振られている。ヨギは心底そう思ってくれているのであろう。

「ヨギ……!」

あまりにも幸せで、ヨギをぎゅうっと抱きしめる。

この幼い命は本当に、私の番として長い時を共に過ごしてくれるつもりでいるのだ。愛しくて愛しくて、体の奥底から温かい何かがあふれ出してくるようだった。

「聖龍様!」

ヨギが伸び上がってきて、私の唇をめちゃくちゃに舐めてくる。子犬のような仕草が微笑ましくて思わず緩んだ私の唇を押し分け、ヨギの舌が入ってきて私の口内を蹂躙し始めた。

もう戸惑いも照らいもなかった。

必死に私の舌に舌を絡め、ちゅうちゅうと吸ってくるヨギは可愛らしいが、私もこの愛しい番を可愛がりたいという欲が急速に高まっていく。

ぢゅう、と強く吸い返せば、ヨギの体がびくりと強く震えた。

「んう……? んぅ、ん、ふ……っ」

先ほどヨギがしてくれたように、吸ったり舌に柔く歯を当てたりしていたら、ヨギの生殖器がむくむくと大きくなって私の体に当たるようになってきた。

いつものように手で高めてやろうと触れてみたら、ヨギが激しく身を捩り始める。

「? どうした、ヨギ」

「ダメ……! おれ、聖龍様に挿れて欲しいんだってば……!」

「ふふ、分かっている。私を腹の内に受け入れてくれるのであろう? 先ほどヨギがしてくれたように、後ろも前も、同時に可愛がろうと思っただけなのだよ」

目尻にある透明な雫に口付けながら、私はゆっくりとヨギの体を抱き込んで身を返し、上から見下ろした。

夜具の上に大人しく身を沈め、真っ黒な瞳をキラキラと輝かせて私を見上げる愛らしい番。その顔を見下ろしているうちに、自身の中から獰猛な衝動がふつふつと湧き上がってくるのを感じる。

私と長い時を共に生きてくれると分かったのだ。これからはたっぷりと私の精を注いでいかねばならぬだろう。

「こんなにも誰かを愛しく思ったのは始めてだ……」

「聖龍様、ほんとう……?」

口から漏れた私の呟きに、ヨギが私の瞳の中をまじまじと覗いてくる。きっと、瞳の中に嘘がないかを確かめているのであろう。存分に見つめ返してから、私はゆっくりと顔を近づけていく。

瞼に、頬に、唇に、そっと口付けを落としながら囁いた。

「愛しい番に嘘などつかぬよ」

そのままヨギのぷくりと丸い唇をくちゅくちゅと食み、ヨギの力が抜けたところを見計らってその細腰を持ち上げて枕を腰の下に入れる。ふさふさのしっぽの付け根をこすこすと擦ってやれば、ヨギは気持ちよさそうに身を捩った。

「お前たち獣人は、本当は後ろからの方がしっぽも一緒に愛でる事ができて良いのかも知れぬが……ヨギの愛らしい顔を見ていたい。このまま進めても良いだろうか」

「うん……っ」

私の首に両腕を回し、抱きつく事で肯定の意を表す様の、なんと初々しい事か。

ヨギから受け取った『ローション』なる蜜をたっぷりと指に取り、私はヨギの秘部へと塗り込めていく。春を待つかのように硬く閉じた蕾の中心に指先を押し当て、私はヨギの犬耳にそっと唇を近づけた。

「ヨギ、受け入れておくれ」

「……っ」

囁くと、あれほど頑なに閉じていた蕾が緩み、くちゅりと音を立てて私の指先を食んだ。

「おお、なんと温かい……」

「せ、聖龍様……」
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