テレ×2テレパシー 純愛

すばる♪

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掃除

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「これ片付けといて。」

と、乱暴にほうきを押し付けてくるのは同小の奴らだった。仕方なく、押し付けられたほうきと散らばったゴミを片付ける。

 その様子をみてゲラゲラ笑う生徒たち。今すぐにでも、このほうきを突きつけて脅してやりたいが、真新しい環境下の昼終わりの放課後、そんな力がでるはずもなく、はいはいと言われたことをこなす。

生徒たちが去り、1人で黙々と掃除をしていると、大量の資料を持った工藤と遭遇した。

「あれ松田くん、1人?」

「…他の奴らがほっぽってったんで。」

 こういう前向きな姿勢を見られるのは、はっきりいって好きじゃない。それをみて余計な仕事を押し付けてくるのを知っているからだ。でもこのゴミをそのまま放って帰ったらアイツらに告げ口をされて自分が怒られるのも分かっている。前者か後者か選べと言われたら、前者の方が明らかに負担は減る。どっちも嫌だし、掃除もめんどくさいけれど。

「へえ、意外と自主的なところもあるんだ…そうか…」

「……なんすか」

「いや、別になにも。」

へえ、と感心しつつも工藤は持っていた資料を階段に置いて、ちりとりを持ってきてくれた。

「こうやって少しでも松田くんがみんなのことをしてくれたりする優しさはちゃんと伝わってるからね、無理せずに学校きてね。」

「……。」

 勘違いの優しさなんて全然優しくもなんともないのに、こういう奴らってなんでこうペラペラと綺麗事がでてくるのかわからない。お前らに向けた優しさじゃないから。自分を守るためだから。そんな無駄口を叩く余裕もなく、何も言わずに掃除は終わった。

「ありがとうね。」

「いえ、」
微笑んだ工藤に対し、目を逸らし返事をした。あ、そういえば、といい工藤は話を続ける。

「松田くんは、なんの部活に入るの?今度決定だよね。」

工藤の言葉で我に返る。
そうこの中学校はなにかに属してないといけないらしい。めちゃくちゃごめんなんだけど、そんな予定まったくなかった。

「陸上部かな?お兄ちゃんも速いもんね~。」

 はい出た、兄ちゃん持ち上げ発言。オレはこれをそう呼んでいる。家族から聞いた話によると、この担任は去年兄ちゃんたちの学年を持っていたそうだ。全国でベスト8に入る兄ちゃんのことだから、クラスを持たなくても、その場にいれば嫌という程聞くのだろう。

「中学生でこの実力なら伸びしろがあるよね、本当にすごいよ、リーダーシップもあってみんな引っ張れるし、容姿端麗、かっこいいお兄ちゃんだよね。」

「……あそ。」

 みんなが口を揃えて言う。上の子たちはすごいわねえって、完璧だねえって。自分のことと比較していってるの気づいてない。そもそも、ディスってることにも気づかない。

「…出来損ないですみませんね。」

呆れたように返事をすると、いやそういうつもりじゃないんだよと笑っている。

「それがね、颯太そうたくんが言ってたんだ、俺の弟はもっとすごいって。」

「……え」

「これだけは負けるっていってた、ああやって完璧に物事をこなす人にもやっぱライバルはいるんだなって感じたよ、しかも弟なんて。互角じゃないかな、松田くん。」

「は、何言って」

「松田くんがもし迷ってるなら有力選手として指名できるけど、どう??」

「……はあ。」

「どうかな……?陸上部、入らない?」

「……まあ、考えときます。」


 めんどくさいけど、兄ちゃんいるし、なにかあったら助けてくれるだろうと、結局は頼りにしてしまう自分に嫌気が刺す。でも今の状況下なら他の部活より兄のいる部活に入っておくのが手だと自分に言い聞かせた。


「えっ、えっ、レン陸部入ってくれんの??!まじ?!」

家に帰り、話を聞いたソウタが飛び上がって喜んだ。

「…先生の指名なんだってさ。有力選手としてご招待しますって言われた。」

「すっげ~!!すげえじゃんレン!!やればできるもんな~!」

 よしよしと頭を撫でられる。
(まあオレが爆弾抱えてる問題児だからなんとか入るように勧誘しただけだと思うけど…)

「とりあえず入部日にタイム測定あるから、それまで特訓だな~走るぞ~!」


そんなことがふと頭を過ぎりつつ、それでも兄が笑っているのが嬉しかった。
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