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13【大検ならぬ中検】
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初等部を飛び越えて、中等部に入学するには一つハードルがある。
元々中より上程度だったけど高校をでて、専門学校でも頑張った私だもの、机上の学習は丸暗記したり現代日本人ならではのテクニック(単語帳とか、語呂合わせとか)もあったから、何とかなりそうだった。
だけど、ファンタジー世界ならではの魔法の鍛錬をきちんと受けていなかった。
そもそも、光属性の治療魔法しか磨いていなかった。冒険者としてのスキルは、物理的な剣に頼っていたからね。
入試を受ける半年前のある日、私はハルキア国の魔法師団にお邪魔した。
魔法師団は基本秘密機関であるので、こっそりと私を鍛えてくれる。
「では、マリー殿下、ここに左手を置いてください。手袋は外して」
「はい」
やっぱりこういう道具なんだわ。
漫画などで出てくる魔力測定や鑑定と言ったら、大きい水晶タイプよね。ここもそうだったんだわ。
鑑定なら、偽名のトヨコでは無駄だと、マリーの方で見てもらっている。
元来、悪役令嬢のマリー ディアナは 火と闇の属性だったはず。でもそこに転生者特典として?光属性が加わっていた。
だけど、生まれた時に簡単に測定しただけで、ちゃんと見てもらったことはない。冒険者登録した時も自己申告だったしね。
「これは!こんなことは・・・」
「どうしたのか?」
師団長でもある、ローリー先生は高等部の魔法科の先生でもある。少しメンヘラ気味の攻略対象だ。
黒い長い髪をだらりと垂らしていて、眼鏡をかけている。ちょっとおどおどしているけど、これが師団長で大丈夫なの?って思うんだけど、攻撃魔法をつかうときはハイテンションになるから大丈夫なんだって。
もちろん、攻略対象を警戒しているのか、心配性のフェルゼン殿下もいらっしゃいます。
「フェルゼン殿下、マリー殿下は、火、水、風、光、闇をお持ちです。闇はかなり少ないです」
「え?そんなに?いろいろ?設定と随分違うのでは?」
我ながら優秀じゃない?設定の結果にニマニマする。
「設定なんて物語に必要な部分しか出てなかったんだろう。設定では俺にも光がなかったし火・風・土の三属性だけだったはず。でもそれに水と光の五属性あるんだ。
・・・お前も五属性あるのか」
「確か国王陛下(太一)も五属性でしたよね」
「あれは、俺と同じ属性だ」
「いえ、マリー殿下にはあと一つ、これは特殊なスキルですが、聖属性もお持ちです」
「なんだとー」
「なんですって!」
あれ??聖属性って聖女の固有スキルよね。
「ねえ、聖女って現れるのかしら」
「ま、まさかお前?」
「でも、光魔法より強力な治療スキルってことよね」
「ああ、そうだ。土属性がなくても、農作物に良い影響も出せるしな。
ローリー先生、くれぐれもここに聖属性の少女が現れたことは内密に。国王陛下からも念を押されると思うが。陛下の予知能力では聖女は数年後に必ず現れるはずだから」
「はい、わかりました」
ローリー先生がフェルゼンの剣幕におびえながら答える。
この先生本当に攻略対象?興味が出なくて攻略したことないけどね
「もし、聖女が私で他に現れるのじゃなかったら勉強しなくてもいいのかもしれないわね」
「そんなことない!俺の同級生になってくれ」
「わー、どうどう!くっつかないで」
そんなことより、今はっきりしたそれらの魔法を鍛えなくちゃ。
せっかくだしね!
そして、ときどきハルキア国の魔法師団に通って、初等部で学ぶ最低限必要な魔法のスキルを鍛えて、無事に中等部を受験する事が出来る資格を貰えたのだった。
元々中より上程度だったけど高校をでて、専門学校でも頑張った私だもの、机上の学習は丸暗記したり現代日本人ならではのテクニック(単語帳とか、語呂合わせとか)もあったから、何とかなりそうだった。
だけど、ファンタジー世界ならではの魔法の鍛錬をきちんと受けていなかった。
そもそも、光属性の治療魔法しか磨いていなかった。冒険者としてのスキルは、物理的な剣に頼っていたからね。
入試を受ける半年前のある日、私はハルキア国の魔法師団にお邪魔した。
魔法師団は基本秘密機関であるので、こっそりと私を鍛えてくれる。
「では、マリー殿下、ここに左手を置いてください。手袋は外して」
「はい」
やっぱりこういう道具なんだわ。
漫画などで出てくる魔力測定や鑑定と言ったら、大きい水晶タイプよね。ここもそうだったんだわ。
鑑定なら、偽名のトヨコでは無駄だと、マリーの方で見てもらっている。
元来、悪役令嬢のマリー ディアナは 火と闇の属性だったはず。でもそこに転生者特典として?光属性が加わっていた。
だけど、生まれた時に簡単に測定しただけで、ちゃんと見てもらったことはない。冒険者登録した時も自己申告だったしね。
「これは!こんなことは・・・」
「どうしたのか?」
師団長でもある、ローリー先生は高等部の魔法科の先生でもある。少しメンヘラ気味の攻略対象だ。
黒い長い髪をだらりと垂らしていて、眼鏡をかけている。ちょっとおどおどしているけど、これが師団長で大丈夫なの?って思うんだけど、攻撃魔法をつかうときはハイテンションになるから大丈夫なんだって。
もちろん、攻略対象を警戒しているのか、心配性のフェルゼン殿下もいらっしゃいます。
「フェルゼン殿下、マリー殿下は、火、水、風、光、闇をお持ちです。闇はかなり少ないです」
「え?そんなに?いろいろ?設定と随分違うのでは?」
我ながら優秀じゃない?設定の結果にニマニマする。
「設定なんて物語に必要な部分しか出てなかったんだろう。設定では俺にも光がなかったし火・風・土の三属性だけだったはず。でもそれに水と光の五属性あるんだ。
・・・お前も五属性あるのか」
「確か国王陛下(太一)も五属性でしたよね」
「あれは、俺と同じ属性だ」
「いえ、マリー殿下にはあと一つ、これは特殊なスキルですが、聖属性もお持ちです」
「なんだとー」
「なんですって!」
あれ??聖属性って聖女の固有スキルよね。
「ねえ、聖女って現れるのかしら」
「ま、まさかお前?」
「でも、光魔法より強力な治療スキルってことよね」
「ああ、そうだ。土属性がなくても、農作物に良い影響も出せるしな。
ローリー先生、くれぐれもここに聖属性の少女が現れたことは内密に。国王陛下からも念を押されると思うが。陛下の予知能力では聖女は数年後に必ず現れるはずだから」
「はい、わかりました」
ローリー先生がフェルゼンの剣幕におびえながら答える。
この先生本当に攻略対象?興味が出なくて攻略したことないけどね
「もし、聖女が私で他に現れるのじゃなかったら勉強しなくてもいいのかもしれないわね」
「そんなことない!俺の同級生になってくれ」
「わー、どうどう!くっつかないで」
そんなことより、今はっきりしたそれらの魔法を鍛えなくちゃ。
せっかくだしね!
そして、ときどきハルキア国の魔法師団に通って、初等部で学ぶ最低限必要な魔法のスキルを鍛えて、無事に中等部を受験する事が出来る資格を貰えたのだった。
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