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第一章 王国編第一部(初等部)
エピソード93 ハッピースマイルポテイトンの店長?
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結局在校生の挨拶はオレに決まり、無事に新入生の入学式も終わった。
途中女子生徒達がザワついていたが、そこはフィーネさんの眼力で黙らせていた…………
今年の入学生は五名で、男子が二名で女子が三名のみんな平民の子ども達だった。
オレは改めて王立学院分校の初等部に貴族の子どもが入学する事は珍しい事だとしみじみと思った。
そして放課後、いつもはオレ一人だが今日はみんなと一緒にショッパーニ商会にやってきた。
ショパンさんの事での昨日の打ち合わせの続きをする為に…………
「成る程、ハッピースマイルポテイトンの店長がクライヴ殿では何かと支障を来たすので、対外的には息子を店長として、営業日のみ息子を借りたいと言う事ですか……
勿論良いですよ。前々から息子はクライヴ殿を高く評価しておりまして、経営の考え方やアイデア等の柔軟な発想がとても新鮮だったみたいで、学ぶ事が多いと喜んでおりました。
後で息子にも伝えときますので、これからもよろしくお願いします」
ショッパーニさんは快く了承してくれて、これからはショパン店長(仮)とともに店舗の内外装、その他諸々相談しながら進めて行く事となった。
ちなみにイングリッシュガーデンの花達はショッパーニ商会から買い取らせて貰っている。
そしてオレ達は本日休業日のハッピースマイルポテイトンに行き、ショパンさんを待った。
「すみません皆様、遅くなりました」
ショパンさんは急いで仕事を済ませて駆けつけてくれたようで、また二時間後には別の取引があるらしい…………
(ショパンさん過労死とかしないか心配だなぁ)
ショパンさんの滞在時間を考慮して、オレは事前にみんなと話していた内容を手短に伝えた。
「まずショパンさん、店長を引き受けて下さりありがとうございます。これで対外的なやり取りは子どもの僕達よりも、大人のショパンさんの方が信用度も変わってくるかと思います。これからはショパンさんも含めて利益を六人で分けましょう」
「ありがとうございますクライヴ殿。精一杯頑張りますのでよろしくお願いいたします」
ショパンさんはオレ達に姿勢を正して一礼した。
そして顔を上げたショパンさんには使命感に燃えている、そんな表情をしていた。
オレはそんなショパンさんに早速提案をした。
「月初めの三日間の売り上げは店舗の家賃や修繕費として貯めていければと考えています。そして、フライドポテトだけの販売ではなく、飲み物も販売できればと考えております」
「成る程、それは良い考えですね。今後のことも考えて修繕費等、ある程度お店の貯蓄にに余裕が欲しいですからね。それとクライヴ殿一つだけ確認したい事があるのですが…………」
ショパンさんも同意してくれたようだが、一つ疑問が残っているらしい多分飲み物の販売についてだろう。
「大丈夫です、ショパンさん。飲み物の販売に関しては銅貨一枚で提供しようと思います。その価格を実現するためにショッパーニ商会から大量に発注しようと考えています。また飲み物用のコップはお客様持参で、またこちらの店舗にもショッパーニ商会とハッピースマイルポテイトンがコラボしたロゴ入りの限定コップを陳列する予定です。そうする事でお互いの知名度が広がりますので」
オレがショパンさんの疑問を汲み取って説明をした事で、ショパンさんは少し驚いた顔をしていた。
「さすが、クライヴ殿! そこまで考えておりましたか」
「それともう一つ……ショパンさんがいないと実現しない事があるんです…………酒類の提供です。僕達だけでは水か果物ジュースしか提供出来ませんが、大人達のリピーターを増やすためにはブドウ酒等も必要かと思います。ゆくゆくは提供するフライドポテト以外の商品や、飲み物のアイデアを増やしたり、改良したりと考えていますが…………まずは現実的に行える所からやっていければと思います」
オレはみんなで話し合いをした内容を全てショパンさんに説明した。
そしていつもクールなショパンさんの反応は……まさに開いた口が塞がらない状態の驚きの表情をしていた。
「ク、クライヴ殿は、経営に関する事をどこかで学ばれたのですか? 非の打ち所がないです。私もそこまで考える事が出来ておりませんでした! これからもクライヴ殿の元で経営について学ばせていただければと存じます」
そう言ってショパンさんは片膝をついてオレに頭を下げた…………
(ちょっと待て、ショパンさん! オレは王では無いです。頭を上げて下さい。ただ前世と今世で貴方より精神年齢が高いのと、この世界の学力水準というか文明が前世より低いんです……)
「ちょ、ショパンさん! 顔を上げて下さい。ショパンさんにショッパーニ商会の件でお願いする事が多いので、僕達が頭を下げるべきなんですよ」
オレがそう言っても中々納得しないショパンとのやり取りの末、ショパンさんが次の取引に行く前にこのやり取りは無事終える事ができた…………
(もっと打ち合わせしたい事があったのに…………)
オレはガクリと肩を落としていると、モーガンが少し心配な表情で話しかけてきた。
「クライヴ……やっぱりお酒の提供は大丈夫かな? 客層は増える何トラブルとか起きないか心配で……」
すると、リアナとショーンは息ピッタリに解決策を提案した。
「モーガン、ぼく達が強くなれば問題ないだろう? これからは冒険者協会の仕事も引き受けて強くならないとね」
「モーガン、わしらが強うなったらええんじゃ! やっぱり冒険者協会で仕事を受けるんが一番良かろう」
二人の発言にオレとモーガンは少し困った顔をした。
みんなが納得するかわからないがオレも一つ提案した。
「実はタダ働きをしてくれるザックに無理ない範囲で用心棒をお願いしようと思うんだ。営業日以外でザックの休みと会う時は、リアナやショーンは鍛えて貰えばどうかな?」
「「なるほど!」」
またしても息ピッタリで二人は納得したようだ。
(絶対リアナとショーンってケンカばかりしてるけど相性バッチリだよな……もう少し大人になったら付き合えばいいのに)
オレはお父さん的な立場でリアナとショーンの今後を気にしつつ、今日の打ち合わせは終了して学生寮に戻った。
そしてオレ達は門限前に学生寮に戻って夕食を食べに食堂に行った。
やはり今朝同様にメニュー表で悩んでいる新入生の五名がいて、そのうちの一人の男子生徒がオレ達に声をかけた。
「あっ! そ、その、早速困った事があって先輩に教えて欲しいんですが、メニューがわからないです…………」
他の生徒も困っていて、女子生徒は泣きそうな顔をしている子もいた。
オレは新入生達にこんな表情をさせる料理長に怒りが沸き起こったが心を落ち着かせて料理長を見た。
すると、料理長は困った生徒達を見てニヤニヤしている。
(あのクソ料理長め! 昨年はこんな事なかったのに、どんどん料理長が捻くれていく…………)
「これはね、ハンバーグ定食と和風パスタだよ。食堂のメニュー表は意地悪だから、また分からない時いつでも聞きにきてくれてかまわないからね」
オレがそう言うと学生達の表情は明るくなり、女子生徒達は急に大泣きをしている。もちろん料理長も悔しそうな顔でハンカチを噛み締めて泣いている。
すると女子生徒達がオレ達に感謝を伝えようと大泣きして顔がクシャクシャになりながらもオレ達の近くにやってきた。
そんな女子生徒達にオレとモーガンは優しく微笑み落ち着かせようと【もう大丈夫だよ】と優しく声をかけた。
だがより大きな声で女子生徒達は泣き出した。
「クライヴ先輩が優しすぎて尊いよぉ…………」
「モーガン先輩が大丈夫って表情で微笑んでくれるから胸が苦しい…………」
オレ達の手助けでカオス予備軍が二名誕生した…………
そしてオレの背後には真顔なフィーネさんがオレを見ていた。
途中女子生徒達がザワついていたが、そこはフィーネさんの眼力で黙らせていた…………
今年の入学生は五名で、男子が二名で女子が三名のみんな平民の子ども達だった。
オレは改めて王立学院分校の初等部に貴族の子どもが入学する事は珍しい事だとしみじみと思った。
そして放課後、いつもはオレ一人だが今日はみんなと一緒にショッパーニ商会にやってきた。
ショパンさんの事での昨日の打ち合わせの続きをする為に…………
「成る程、ハッピースマイルポテイトンの店長がクライヴ殿では何かと支障を来たすので、対外的には息子を店長として、営業日のみ息子を借りたいと言う事ですか……
勿論良いですよ。前々から息子はクライヴ殿を高く評価しておりまして、経営の考え方やアイデア等の柔軟な発想がとても新鮮だったみたいで、学ぶ事が多いと喜んでおりました。
後で息子にも伝えときますので、これからもよろしくお願いします」
ショッパーニさんは快く了承してくれて、これからはショパン店長(仮)とともに店舗の内外装、その他諸々相談しながら進めて行く事となった。
ちなみにイングリッシュガーデンの花達はショッパーニ商会から買い取らせて貰っている。
そしてオレ達は本日休業日のハッピースマイルポテイトンに行き、ショパンさんを待った。
「すみません皆様、遅くなりました」
ショパンさんは急いで仕事を済ませて駆けつけてくれたようで、また二時間後には別の取引があるらしい…………
(ショパンさん過労死とかしないか心配だなぁ)
ショパンさんの滞在時間を考慮して、オレは事前にみんなと話していた内容を手短に伝えた。
「まずショパンさん、店長を引き受けて下さりありがとうございます。これで対外的なやり取りは子どもの僕達よりも、大人のショパンさんの方が信用度も変わってくるかと思います。これからはショパンさんも含めて利益を六人で分けましょう」
「ありがとうございますクライヴ殿。精一杯頑張りますのでよろしくお願いいたします」
ショパンさんはオレ達に姿勢を正して一礼した。
そして顔を上げたショパンさんには使命感に燃えている、そんな表情をしていた。
オレはそんなショパンさんに早速提案をした。
「月初めの三日間の売り上げは店舗の家賃や修繕費として貯めていければと考えています。そして、フライドポテトだけの販売ではなく、飲み物も販売できればと考えております」
「成る程、それは良い考えですね。今後のことも考えて修繕費等、ある程度お店の貯蓄にに余裕が欲しいですからね。それとクライヴ殿一つだけ確認したい事があるのですが…………」
ショパンさんも同意してくれたようだが、一つ疑問が残っているらしい多分飲み物の販売についてだろう。
「大丈夫です、ショパンさん。飲み物の販売に関しては銅貨一枚で提供しようと思います。その価格を実現するためにショッパーニ商会から大量に発注しようと考えています。また飲み物用のコップはお客様持参で、またこちらの店舗にもショッパーニ商会とハッピースマイルポテイトンがコラボしたロゴ入りの限定コップを陳列する予定です。そうする事でお互いの知名度が広がりますので」
オレがショパンさんの疑問を汲み取って説明をした事で、ショパンさんは少し驚いた顔をしていた。
「さすが、クライヴ殿! そこまで考えておりましたか」
「それともう一つ……ショパンさんがいないと実現しない事があるんです…………酒類の提供です。僕達だけでは水か果物ジュースしか提供出来ませんが、大人達のリピーターを増やすためにはブドウ酒等も必要かと思います。ゆくゆくは提供するフライドポテト以外の商品や、飲み物のアイデアを増やしたり、改良したりと考えていますが…………まずは現実的に行える所からやっていければと思います」
オレはみんなで話し合いをした内容を全てショパンさんに説明した。
そしていつもクールなショパンさんの反応は……まさに開いた口が塞がらない状態の驚きの表情をしていた。
「ク、クライヴ殿は、経営に関する事をどこかで学ばれたのですか? 非の打ち所がないです。私もそこまで考える事が出来ておりませんでした! これからもクライヴ殿の元で経営について学ばせていただければと存じます」
そう言ってショパンさんは片膝をついてオレに頭を下げた…………
(ちょっと待て、ショパンさん! オレは王では無いです。頭を上げて下さい。ただ前世と今世で貴方より精神年齢が高いのと、この世界の学力水準というか文明が前世より低いんです……)
「ちょ、ショパンさん! 顔を上げて下さい。ショパンさんにショッパーニ商会の件でお願いする事が多いので、僕達が頭を下げるべきなんですよ」
オレがそう言っても中々納得しないショパンとのやり取りの末、ショパンさんが次の取引に行く前にこのやり取りは無事終える事ができた…………
(もっと打ち合わせしたい事があったのに…………)
オレはガクリと肩を落としていると、モーガンが少し心配な表情で話しかけてきた。
「クライヴ……やっぱりお酒の提供は大丈夫かな? 客層は増える何トラブルとか起きないか心配で……」
すると、リアナとショーンは息ピッタリに解決策を提案した。
「モーガン、ぼく達が強くなれば問題ないだろう? これからは冒険者協会の仕事も引き受けて強くならないとね」
「モーガン、わしらが強うなったらええんじゃ! やっぱり冒険者協会で仕事を受けるんが一番良かろう」
二人の発言にオレとモーガンは少し困った顔をした。
みんなが納得するかわからないがオレも一つ提案した。
「実はタダ働きをしてくれるザックに無理ない範囲で用心棒をお願いしようと思うんだ。営業日以外でザックの休みと会う時は、リアナやショーンは鍛えて貰えばどうかな?」
「「なるほど!」」
またしても息ピッタリで二人は納得したようだ。
(絶対リアナとショーンってケンカばかりしてるけど相性バッチリだよな……もう少し大人になったら付き合えばいいのに)
オレはお父さん的な立場でリアナとショーンの今後を気にしつつ、今日の打ち合わせは終了して学生寮に戻った。
そしてオレ達は門限前に学生寮に戻って夕食を食べに食堂に行った。
やはり今朝同様にメニュー表で悩んでいる新入生の五名がいて、そのうちの一人の男子生徒がオレ達に声をかけた。
「あっ! そ、その、早速困った事があって先輩に教えて欲しいんですが、メニューがわからないです…………」
他の生徒も困っていて、女子生徒は泣きそうな顔をしている子もいた。
オレは新入生達にこんな表情をさせる料理長に怒りが沸き起こったが心を落ち着かせて料理長を見た。
すると、料理長は困った生徒達を見てニヤニヤしている。
(あのクソ料理長め! 昨年はこんな事なかったのに、どんどん料理長が捻くれていく…………)
「これはね、ハンバーグ定食と和風パスタだよ。食堂のメニュー表は意地悪だから、また分からない時いつでも聞きにきてくれてかまわないからね」
オレがそう言うと学生達の表情は明るくなり、女子生徒達は急に大泣きをしている。もちろん料理長も悔しそうな顔でハンカチを噛み締めて泣いている。
すると女子生徒達がオレ達に感謝を伝えようと大泣きして顔がクシャクシャになりながらもオレ達の近くにやってきた。
そんな女子生徒達にオレとモーガンは優しく微笑み落ち着かせようと【もう大丈夫だよ】と優しく声をかけた。
だがより大きな声で女子生徒達は泣き出した。
「クライヴ先輩が優しすぎて尊いよぉ…………」
「モーガン先輩が大丈夫って表情で微笑んでくれるから胸が苦しい…………」
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そしてオレの背後には真顔なフィーネさんがオレを見ていた。
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