【本編完結・外伝投稿予定】異世界で双子の弟に手篭めにされたけど薬師に救われる

第四章 交錯

対談の内容 良太side

【ルウファ新聞特ダネ独占大スクープ】

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救世主様は婚約者ではなかった！

あの可愛らしくて魔力が膨大な救世主様はラウリア第一王子の婚約者ではないと公言
魔物全滅ための協力関係を結んでいるとのこと！
救世主様は魔物討伐だけでなく、他国への交渉にも積極的に取り組む姿勢
魔物出現による難航していた外交問題もこれで解決か？
王族と救世主様は契約も締結済み
前召喚者と同じ過ちを踏まないように王族も慎重だ

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部屋を繋ぐ扉はなかった！

以前掲載した救世主様とラウリア第一王子の部屋を繋ぐ扉はなかった！
魔物討伐に真摯に取り組むラウリア王子と救世主様
2人の間に恋愛関係など一切なく
2人にあるのは魔物討伐と我が国に対する熱い想いのみ！

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毎夜行われる魔物討伐会議

毎日夜20時に魔物討伐会議を行うとのこと
魔物状況についてルウファ新聞の翌朝朝刊にて毎日掲載！

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救世主様が婚約者ではないと分かり
ガッカリされた読者もいるのではないでしょうか？
ですが、今、我が国は直面している問題、魔物の出現を解決することを第一優先にして動いているのです。
この国に住んでいる人間だけでなく、この世界を護るために動いているラウリア第一王子と救世主様万歳！
魔物退治に真摯に取り組んでいる王族に万歳！

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ルウファ新聞
ルウファ城専属記者 ニッチス
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　新聞を握りしめて、苛立ちで眉間にしわを寄せる。さすがゴシップネタを書く人間というだけで低俗で内容が薄いことをつらつらと書いている。王族の他国への交渉に僕をチラつかせる書き方にも腹が立った。

　外交問題も色々と聞いてはいたがよほど深刻なのだろう。対談直前に王子が僕の元へとやって来て、『婚約者ではないことを部屋に扉がないことを見せるだけでは真実味がないから魔物討伐として協力関係を結んでいるという形にしても良いか？』と聞かれた。
　そのついでに外交交渉する時にも同席してくれたら嬉しいと打診された時は、召喚者をさも当たり前かのように利用するこいつや王族のやり方には辟易したが、他国について気になることがあったので、この話を受けたのだ。
　まさか新聞に大々的に書かれるとは思っていなかったが。

　あの男、大輝が城にやってきてからかき回され、ゆうにぃとも必要最低限しか会えずイライラが溜まる。
　日中は結界作業、夕食はダイニングルーム、夜は魔物討伐会議をした後は王子の隣の部屋で過ごすことになっている。
　
　全て守る必要はないと考えていたのに、王子から差し出された魔法石を受け取ったところ、契約が勝手に締結されてしまった。聞くと、何となしに受け取った魔法石は外交交渉などに使われるもので、契約した内容が解決したら勝手に壊れるという代物らしい。
　契約違反をすると契約違反した国は相手に重要なものを献上する代償があるとのことだ。契約の内容は魔物討伐と外交問題への取り組み、夜の魔物会議に出席するというものだ。

　そして、この取り組みというものに夜は別の部屋に住むというものも含まれている。重要なもの……通常は領土などをさすことが多いが、僕の場合は魔力かゆうにぃとなるだろう……。

（小癪なことばかりして……何とかして解除してやる……）

　契約してしまった初日、ダイニングルームに入ってくるなと言ったにも関わらず、王子が乱入してきて結界を張らなかったことを後悔した。出て行こうとしたら『契約違反になっちゃうよ～』と言われて渋々座り直した。
　大輝が城で住むと聞き、この男の狙いが何か分からなかった。ゆうにぃのことをただ気にかけているってだけではなさそうだ。それだけでここまで面倒を見ないだろう。

　大輝に「ゆうにぃは僕の恋人で、僕のちんこであんあん言う淫乱だ」って言おうとしたらゆうにぃがやめてと必死に言った。ゆうにぃにとってこいつの存在がどういうものなのか気になった。

　ゆうにぃはあいつのことを、自分を気にかけてくれいるだけで、僕たちが双子の兄弟だと知っているから言わないでほしいと言った。ゆうにぃの瞳を覗き込んだけど嘘をついている気配はなく、本当にそれ以上の感情はないのだろう……今の段階では。

　ゆうにぃが僕以外のことを考えるなんて許さない。

（……最低最悪な状況でゆうにぃをどん底につきつけてやる）

　どうすればゆうにぃと大輝がお互いに関わったことを後悔するかな？大輝の前でセックスして打ちひしがらせようか？大輝は猛毒で苦しませて、時間をかけて死に至らしめたい。
　王子が死に瀕した時は即死を望んだけど、あいつは苦しみもがいて死んでもらわないと……。
　毒ヘビ・ヤコラは猛毒で死に至るものの薬師の大輝では解毒薬をすぐに作れるだろう……。
　あいつが解毒薬を作れない毒、もしくは回復できないような状況で死に至らしめるようにしないと……。

（ふふっ……2人が苦しみもがくところを想像するだけで興奮するな……）