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第四章 交錯
心情 ラウリアside [第一部完]
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父上とエンフィルが死んだ。
父上と最後に会ったのはいつだったろうか?ある日『公務に付き合いなさい』と言われた日だろうか?
外交へ行くから、不在の間はこの国のことを担うように頼まれたのだ。
以前病で倒れてから、父上はほとんどの仕事を部屋でしかしていなかったから驚いた。
でも、この時もいつものように呑気に構えていた。いや、むしろこの時から良太に夢中だったから、あまり気にしていなかったのかもしれない。
父上は国の勢力争いに意欲的だった。
その昔、グルファン王国は過去にあらゆる手段をとって国土を広げていった。
それは本当にありとあらゆる手段を使って……。
でも、ある時から他国への侵略をやめて、他国と友好的な関係を築くようになったのだ。
父上が国王陛下になった時、父上も他国と友好関係を長らく築いてきた国の方針に賛成しているのだと思っていた。
でも、父上は国を大きくしたいと思っていたようだ。父上は狡猾で水面下で動いた。
父上は魔力のない人間を虐げて来たくせに、魔力のない人間を平等にすると公言し、魔力のないエンフィルに外交をさせ始めたのだ。
あの手この手で支配下に置こうとするグルファン王国。もちろん他国は攻め入れられたくないので、交換条件や側室を送ることで和平を結んだ。
僕の母はグルファン王国出身の正妃、第二王子のトルデンの母はルゥ国、第三王子のエンフィルの母はアルツナハイン国と父上は3人の妻を娶った。
そんな中でも僕は小さい頃から一番魔力が高く、魔術を使いこなすのが上手かったため、父上には目をかけてもらえていた。
そして、僕も自分の魔力を誇っていて周りに目を向けることはなかった。
ーー良太が現れるまでは……
良太の魔力に魅了され、彼しか頭になかった。彼が僕など眼中にないと分かっていても。
良太と過ごす日々の中、色々と曖昧な記憶の自分に違和感はあった。
それでも、その曖昧な記憶のままで良太が微笑んでくれるのなら、いいかなと思っていた。
良太が甲斐甲斐しく世話をするユニィ。彼は何者なんだろうか?
愛おしそうに良太はユニィを見つめるのに、その相手は良太のことをそのようには思っていないのだ。
ーー僕ならそんなことないのに……
誰かから羨まれることはあっても、羨むことは一度だってなかった。
だから、自分がこんなにおかしくなるなんて思ってなかった。
ユニィをフグラセンへ連れて行くと魔物討伐会議で言った時、良太と大輝は慌てていた。
2人の行かせたくないという気持ちが顕著に伝わりーーそして思い出した。
ユニィはユラーセル国出身などではなく、良太と一緒にこの世界へやって来た人間だと。
言葉を勉強しにも来ていないし、現地調査もしに来ていない。
でも、良太に僕を見て欲しいから、かかったフリをしてフグラセンへの遠征を強行させた。
フグラセンでエンフィルがユニィを助けた。久しぶりに会ったエンフィルは母親譲りの綺麗な黒髪を靡かせていた。
エンフィルとユニィが結婚すれば良太が僕を見てくれるかも知れない。
エンフィルを利用することに何の抵抗もなかった。
そのエンフィルが現れてから良太はピリピリしていた。
良太からエンフィルについて聞かれた時、良太の発言に違和感があった。
『兄弟なのに……』
『……全然似ていないな』
兄弟に対して良太は時折理解しがたい様子だった。でも、それは僕たちの住む世界と良太たちの元いた世界の価値観の違いかと思っていた。
大輝も以前、弟の話をした時、兄が弟を想い慈しむような表情、そしてどこか悲しそうな表情をしていた。
だから向こうの世界では兄弟というものはもう少し密な関係なのかもしれない。スハンとミンのように。
良太がエンフィルと僕の見た目のことを言った時、兄弟で似るという認識があまりなかった。
そして、ずっと違和感があった。フグラセン以降、ユニィの表情が良太とどこか似ていると。
自信に満ち溢れて、自己肯定感の高い良太や僕。
魔物に怯えビクビクし、そして自己肯定感が低そうで笑うことが少ないユニィ。
良太とユニィは真逆そうなのに、似ていると思った。
ーーどこが似ているのだろう?
あぁ、ユニィがたまに大輝と言葉を交わし、安心した時の表情だ。
良太がユニィを心配し無事を確認した時の安心した表情と似ているのだ。
ユニィが良太を見ても決してそんな表情をしないのに、ユニィは大輝にはそんな表情をしているのかと思うと、良太と僕は似ているのかもしれない。
大輝と通信石で話している時、スハンが図書館でユニィのことをゆうま様と言った。
あぁ、ユニィの本当の名前はゆうまなのだとこの時、分かった。
今までの召喚者だってこちらの世界とはかけ離れた呼び名だったのだ。こちらの世界に似通った名前であるユニィのはずがなかった。
ーーユニィは良太の兄弟なのだろう……
良太の今までの言葉を思い返して、ユニィは良太の兄弟なのだと分かった。
兄弟を好きになる気持ちは分からない。
トルデンだってエンフィルだって、兄弟ではあるものの、そんな感情を持ったことはないから。
父上は同じでも僕たち兄弟は、他人のような感覚。そして、父上の駒。
そんな中でも、エンフィルは不遇な境遇だったと思う。
見目麗しい誇り高い母親から生まれたエンフィルには魔力がほぼなく、誰からもとても冷遇されていたから。
フグラセン国で偶然エンフィルと居合わせたにしては状況が整いすぎていた。そして、アルツナハインの疫病も。
エンフィルのことを思うと、憎しみが外に向かうのもしょうがないかもしれない。
父上とエンフィルが同じ日に死んだと分かった時ーー父上が死んだのはもっと前だけど……僕は何とも言えない気持ちだった。
父上のことは好きだった。僕の魔力を褒め、そして魔術に長けている僕に目を向けていたから。
でも、もし僕がエンフィルのように魔力がなければ?魔術に長けていなければ?
誰もが恐れ敬い、そして国を大きくしたかった父上。
そんな父上にもっと認めてもらいたかった。だから、国のためだと言ってエンフィルや他人を利用することに僕も厭わなかったのかも知れない。
エンフィルが死ぬ直前、良太が部屋へとやって来ていきなり僕との結婚を前向きに考えていると言った。
いや、一度初めて一緒に食事したも前向きに考えてくれると言ってくれていた。
でも、一緒に過ごすうちに、その時の言葉はその場しのぎのもので実際には考えていないと分かっていた。
だから、良太から結婚を前向きに考えていると言われて嬉しかった。
だって、今までそんな風に意識してくれてなかった良太が自ら言ってくれたのだ。
その良太が僕に跪き、手にキスを落とした。
それが、僕を利用するためだと分かっていても……僕は抗えなかった。
抗えず、その甘い言葉を受け入れた結果ーーエンフィルは死に、そして、次に良太は僕に大輝を殺せと言った。
ーーそして、僕は気づいた。ただ、ただ、誰かに利用されるのは悲しいものだと……
利用された側の人間はなんて虚しくて、寂しいんだと……。
ーー同じ境遇で父上の駒だったトルデンもエンフィルもいなくなり、僕は一人ぼっちだ
一人ぼっちになってから気づく、もしかするとトルデンもエンフィルもこの虚しくて寂しい気持ちだったのだろうか?と。
兄弟で他人みたいだと思っていたけど、もしかするとそう言った感情を共有できたかもしれない。
グルファン王国の国王陛下である父上は死んだ。外交官であるエンフィルもだ。
2つの不幸はもう隠しようがなく、すぐにこの世界に広まるだろう。
父上を殺したのはエンフィルだけど、良太がエンフィルを殺した。
僕は良太を捕らえないといけない。良太が簡単に捕まってくれるとは思わないけど、捕らえれば側にいれるかもしれない。
ーーあぁ、僕はなんて愚かなのだろう……
大輝がユニィを逃そうと何をしようとしているのかも薄々分かっていた。
何かの役に立てばと思い、大輝に眠り薬・スリアを渡して行かせた。
もちろん大輝が良太と争った時、どちらが勝つかなんて分からなかった。
でも、良太の魔力は少し前にこの城から消えていた。
大輝とユニィは無事に逃げれただろうか?
利用された悲しみに気づいたのに僕はまた誰かを利用することを考えている。
良太は僕が大輝を殺さず、2人を逃した僕を恨むだろうか?
それで良太が僕を少しでも考えてくれるなら、もう本望だ。
どんな形であれ、側にいれて良太が僕を考えてくれたらいいと思ってしまうのだから。
この城から気配を消した良太がどこへ行ったかも分からない。
でも、良太はあの窓のない部屋にいるユニィを迎えに行くだろう。
彼がこの城のあの窓のない部屋へ戻った時、僕にどんな感情を向けるだろうか?
※『真意』『深層』の魔鏡についての書き方を少し修正しています。
父上と最後に会ったのはいつだったろうか?ある日『公務に付き合いなさい』と言われた日だろうか?
外交へ行くから、不在の間はこの国のことを担うように頼まれたのだ。
以前病で倒れてから、父上はほとんどの仕事を部屋でしかしていなかったから驚いた。
でも、この時もいつものように呑気に構えていた。いや、むしろこの時から良太に夢中だったから、あまり気にしていなかったのかもしれない。
父上は国の勢力争いに意欲的だった。
その昔、グルファン王国は過去にあらゆる手段をとって国土を広げていった。
それは本当にありとあらゆる手段を使って……。
でも、ある時から他国への侵略をやめて、他国と友好的な関係を築くようになったのだ。
父上が国王陛下になった時、父上も他国と友好関係を長らく築いてきた国の方針に賛成しているのだと思っていた。
でも、父上は国を大きくしたいと思っていたようだ。父上は狡猾で水面下で動いた。
父上は魔力のない人間を虐げて来たくせに、魔力のない人間を平等にすると公言し、魔力のないエンフィルに外交をさせ始めたのだ。
あの手この手で支配下に置こうとするグルファン王国。もちろん他国は攻め入れられたくないので、交換条件や側室を送ることで和平を結んだ。
僕の母はグルファン王国出身の正妃、第二王子のトルデンの母はルゥ国、第三王子のエンフィルの母はアルツナハイン国と父上は3人の妻を娶った。
そんな中でも僕は小さい頃から一番魔力が高く、魔術を使いこなすのが上手かったため、父上には目をかけてもらえていた。
そして、僕も自分の魔力を誇っていて周りに目を向けることはなかった。
ーー良太が現れるまでは……
良太の魔力に魅了され、彼しか頭になかった。彼が僕など眼中にないと分かっていても。
良太と過ごす日々の中、色々と曖昧な記憶の自分に違和感はあった。
それでも、その曖昧な記憶のままで良太が微笑んでくれるのなら、いいかなと思っていた。
良太が甲斐甲斐しく世話をするユニィ。彼は何者なんだろうか?
愛おしそうに良太はユニィを見つめるのに、その相手は良太のことをそのようには思っていないのだ。
ーー僕ならそんなことないのに……
誰かから羨まれることはあっても、羨むことは一度だってなかった。
だから、自分がこんなにおかしくなるなんて思ってなかった。
ユニィをフグラセンへ連れて行くと魔物討伐会議で言った時、良太と大輝は慌てていた。
2人の行かせたくないという気持ちが顕著に伝わりーーそして思い出した。
ユニィはユラーセル国出身などではなく、良太と一緒にこの世界へやって来た人間だと。
言葉を勉強しにも来ていないし、現地調査もしに来ていない。
でも、良太に僕を見て欲しいから、かかったフリをしてフグラセンへの遠征を強行させた。
フグラセンでエンフィルがユニィを助けた。久しぶりに会ったエンフィルは母親譲りの綺麗な黒髪を靡かせていた。
エンフィルとユニィが結婚すれば良太が僕を見てくれるかも知れない。
エンフィルを利用することに何の抵抗もなかった。
そのエンフィルが現れてから良太はピリピリしていた。
良太からエンフィルについて聞かれた時、良太の発言に違和感があった。
『兄弟なのに……』
『……全然似ていないな』
兄弟に対して良太は時折理解しがたい様子だった。でも、それは僕たちの住む世界と良太たちの元いた世界の価値観の違いかと思っていた。
大輝も以前、弟の話をした時、兄が弟を想い慈しむような表情、そしてどこか悲しそうな表情をしていた。
だから向こうの世界では兄弟というものはもう少し密な関係なのかもしれない。スハンとミンのように。
良太がエンフィルと僕の見た目のことを言った時、兄弟で似るという認識があまりなかった。
そして、ずっと違和感があった。フグラセン以降、ユニィの表情が良太とどこか似ていると。
自信に満ち溢れて、自己肯定感の高い良太や僕。
魔物に怯えビクビクし、そして自己肯定感が低そうで笑うことが少ないユニィ。
良太とユニィは真逆そうなのに、似ていると思った。
ーーどこが似ているのだろう?
あぁ、ユニィがたまに大輝と言葉を交わし、安心した時の表情だ。
良太がユニィを心配し無事を確認した時の安心した表情と似ているのだ。
ユニィが良太を見ても決してそんな表情をしないのに、ユニィは大輝にはそんな表情をしているのかと思うと、良太と僕は似ているのかもしれない。
大輝と通信石で話している時、スハンが図書館でユニィのことをゆうま様と言った。
あぁ、ユニィの本当の名前はゆうまなのだとこの時、分かった。
今までの召喚者だってこちらの世界とはかけ離れた呼び名だったのだ。こちらの世界に似通った名前であるユニィのはずがなかった。
ーーユニィは良太の兄弟なのだろう……
良太の今までの言葉を思い返して、ユニィは良太の兄弟なのだと分かった。
兄弟を好きになる気持ちは分からない。
トルデンだってエンフィルだって、兄弟ではあるものの、そんな感情を持ったことはないから。
父上は同じでも僕たち兄弟は、他人のような感覚。そして、父上の駒。
そんな中でも、エンフィルは不遇な境遇だったと思う。
見目麗しい誇り高い母親から生まれたエンフィルには魔力がほぼなく、誰からもとても冷遇されていたから。
フグラセン国で偶然エンフィルと居合わせたにしては状況が整いすぎていた。そして、アルツナハインの疫病も。
エンフィルのことを思うと、憎しみが外に向かうのもしょうがないかもしれない。
父上とエンフィルが同じ日に死んだと分かった時ーー父上が死んだのはもっと前だけど……僕は何とも言えない気持ちだった。
父上のことは好きだった。僕の魔力を褒め、そして魔術に長けている僕に目を向けていたから。
でも、もし僕がエンフィルのように魔力がなければ?魔術に長けていなければ?
誰もが恐れ敬い、そして国を大きくしたかった父上。
そんな父上にもっと認めてもらいたかった。だから、国のためだと言ってエンフィルや他人を利用することに僕も厭わなかったのかも知れない。
エンフィルが死ぬ直前、良太が部屋へとやって来ていきなり僕との結婚を前向きに考えていると言った。
いや、一度初めて一緒に食事したも前向きに考えてくれると言ってくれていた。
でも、一緒に過ごすうちに、その時の言葉はその場しのぎのもので実際には考えていないと分かっていた。
だから、良太から結婚を前向きに考えていると言われて嬉しかった。
だって、今までそんな風に意識してくれてなかった良太が自ら言ってくれたのだ。
その良太が僕に跪き、手にキスを落とした。
それが、僕を利用するためだと分かっていても……僕は抗えなかった。
抗えず、その甘い言葉を受け入れた結果ーーエンフィルは死に、そして、次に良太は僕に大輝を殺せと言った。
ーーそして、僕は気づいた。ただ、ただ、誰かに利用されるのは悲しいものだと……
利用された側の人間はなんて虚しくて、寂しいんだと……。
ーー同じ境遇で父上の駒だったトルデンもエンフィルもいなくなり、僕は一人ぼっちだ
一人ぼっちになってから気づく、もしかするとトルデンもエンフィルもこの虚しくて寂しい気持ちだったのだろうか?と。
兄弟で他人みたいだと思っていたけど、もしかするとそう言った感情を共有できたかもしれない。
グルファン王国の国王陛下である父上は死んだ。外交官であるエンフィルもだ。
2つの不幸はもう隠しようがなく、すぐにこの世界に広まるだろう。
父上を殺したのはエンフィルだけど、良太がエンフィルを殺した。
僕は良太を捕らえないといけない。良太が簡単に捕まってくれるとは思わないけど、捕らえれば側にいれるかもしれない。
ーーあぁ、僕はなんて愚かなのだろう……
大輝がユニィを逃そうと何をしようとしているのかも薄々分かっていた。
何かの役に立てばと思い、大輝に眠り薬・スリアを渡して行かせた。
もちろん大輝が良太と争った時、どちらが勝つかなんて分からなかった。
でも、良太の魔力は少し前にこの城から消えていた。
大輝とユニィは無事に逃げれただろうか?
利用された悲しみに気づいたのに僕はまた誰かを利用することを考えている。
良太は僕が大輝を殺さず、2人を逃した僕を恨むだろうか?
それで良太が僕を少しでも考えてくれるなら、もう本望だ。
どんな形であれ、側にいれて良太が僕を考えてくれたらいいと思ってしまうのだから。
この城から気配を消した良太がどこへ行ったかも分からない。
でも、良太はあの窓のない部屋にいるユニィを迎えに行くだろう。
彼がこの城のあの窓のない部屋へ戻った時、僕にどんな感情を向けるだろうか?
※『真意』『深層』の魔鏡についての書き方を少し修正しています。
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