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最終章 終焉(ナミル・魔界編)
判定の魔法石
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朝、小鳥の囀りで目が覚めると身体中のキスマークに気付き、恥ずかしくなって布団に入り込んだ。ナミルへ来てから何度も大輝さんと身体を重ねているけど、いつもドキドキする。
(……でも、昨日の大輝さんは特に凄かったな)
「何してるんだ?」
大輝さんが揶揄いながら、布団を引きはがす。太陽の光が大輝さんの身体を明るく映し出し、その分厚い胸板や肩に歯形がついているのに気付いた。もちろん俺のだ。揺さぶられている間、あまりの快感で、自分が何をしているかたまに分からないことがあるけど、昨日はこんなに噛んでたっけ?うぅ、恥ずかしい……。俺、変なこと言ってないよね?
「優馬、誕生日、おめでとう」
大輝さんが俺の前髪をサラッと触ると言った。え?今日、俺、誕生日?もうあれから一週間経ったの?
「あ、ありがとうございます」
照れながらもぞもぞと布団の中にまた潜ろうとしたら、大輝さんがそうはさせないと俺を捕まえてキスをした。まだまだ大輝さんとまどろんでいたいものの、今日はアシデアさんの所へ行くので、2人で準備して向かうことにした。
「それデ、どうしたイカ決まりましタカ?」
「はい!俺、薬師を目指したいです。判定の魔法石を握ってみたいです」
「フフッ、はい、どうぞ」
アシデアさんは待ってましたと言わんばかりにすぐに判定の魔法石を差し出した。黒くも見える濃い緑色、手のひらに乗る小さなサイズの魔法石。大輝さん、アシデアさんに見守られながらその魔法石を手に乗せた。ドキドキしながらその石を見守る。徐々にその小さな石はポウッ輝いた。濃い緑色だったそれは光を放ち、綺麗な薄い緑色に輝いた。
「こ、これって……!」
嬉しくて思わず大輝さんを見た。大輝さんもアシデアさんもニコニコと俺を見ている。
「優馬、おめでとう!」
「う、嬉しいです!夢じゃないですよね?!」
「あぁ」
嬉しくて溜まらなくて大輝さんに抱きついていた。大輝さんも嬉しそうに抱きしめ返してくれる。「コホンッ」というわざとらしい咳払いが聞こえ、アシデアさんがいたことを思い出して、お互いに気まずそうに離れた。
「フフフ、良かったでスネ。他の皆も薬屋はまだかまだかと待ち望んでましタヨ」
まだ実感がわかない。え?俺、本当に薬師になれたの?思わず、ほっぺをつねりそうになったけど、それは大輝さんにとめられた。早速大輝さんの準備中だという薬屋へと案内してもらうことになった。ナミルのお店は並んでいることが多く、向かっている先は俺が仕事の手伝いをしていた場所に近い。
『おやおや、そんなにご機嫌で。私まで嬉しくなるよ。あぁ、もしかして……?開店したらすぐに行くよ。今から楽しみだ』
ニッコラさんが馬のアアルの散歩ついでに荷物を運んでいるようだった。アアルはあれから警戒することなく過ごしているらしい。今は俺に鼻を擦りつけ、撫でさせてくれさえする。またまたニッコラさんは口早なので、何を言っているか分からないけど、ニコニコと見てくれるのでこちらまで嬉しくなる。
「優馬、ここだ」
そう言って案内されたのは、小さいながらもしっかりとした作りのお店で、中に入ると色々な薬草のいい香りが鼻をくすぐった。手前が調合済みの薬を売るスペースで、奥にも部屋があり、そこで調合したり生体を育てたりするのだ。
「優馬」
大輝さんが優しい声で俺を呼ぶ。どうしたのだろうと思って振り向くと、シンプルで綺麗な紺色のハンカチに包まれた四角い何かを手に持っている。何だろう?と首を傾げていると、大輝さんがそれを手渡した。
「優馬、誕生日おめでとう。それに薬師も」
「ありがとうございます」
朝にもお祝いの言葉をもらったのに、またおめでとうと祝福の言葉をもらい、嬉しくて溜まらなかった。
「開けてみてくれないか?」
大輝さんに手渡されたそれは固い何かだった。ワクワクしながらそれをほどき、開いていく。
「え?これって……」
綺麗なハンカチの中から出てきたそれは、紺青色の木の板、それには金色のユモルの絵が1枚描かれていて、下には『大輝と優馬の薬屋』と書いてあった。
「う、嬉しいです!ありがとうございます!!」
早速、お店の外へその看板をかけに行き、2人でそれを見た。嬉しくて2人で見つめ合った。明日から俺もここで働くんだと思うと、ワクワクが止まらない。
「大輝さん、ありがとうございます!」
もう一度お店の中に入り、先ほどよりも勢いよく飛びつくように大輝さんに抱き着いた。さっきはアシデアさんがいたけど、今は誰もいないからいいよね?大輝さんも嬉しそうに微笑み、俺を見つめている。唇を徐々に近づけた時……
「優馬!聞いたぞ、薬師に……あ、わりぃ」
友也が勢いよく入って来た。唇を急いで離すも遅かったようでその扉は閉じられた。扉の向こうでトルデンさんが「だから部屋に入る時はノックしないとっていつもいっているでしょウ?」と友也に注意している。
いそいそと扉を開けて、外にいる2人に謝る。友也が「……こっちこそごめん。あ、それより薬師おめでとう!」と言った。
「誕生日ともききましタ。おめでとうございまス」
「そうそう!誕生日もおめでとうな!」
「えへへ、ありがとう」
こんな風に祝われたことがあまりないから嬉しくて照れながらお礼を言う。
「薬屋がオープンしたらまた来まス。楽しい誕生日を2人で楽しんデ」
「あぁ、じゃぁ、またな」
そう言って2人は去って行った。2人を見送った後、もう一度キスをして、お店を出た。お店を振り返り、先ほどの看板を見てまた嬉しくなって頬を緩ませる。
(……でも、昨日の大輝さんは特に凄かったな)
「何してるんだ?」
大輝さんが揶揄いながら、布団を引きはがす。太陽の光が大輝さんの身体を明るく映し出し、その分厚い胸板や肩に歯形がついているのに気付いた。もちろん俺のだ。揺さぶられている間、あまりの快感で、自分が何をしているかたまに分からないことがあるけど、昨日はこんなに噛んでたっけ?うぅ、恥ずかしい……。俺、変なこと言ってないよね?
「優馬、誕生日、おめでとう」
大輝さんが俺の前髪をサラッと触ると言った。え?今日、俺、誕生日?もうあれから一週間経ったの?
「あ、ありがとうございます」
照れながらもぞもぞと布団の中にまた潜ろうとしたら、大輝さんがそうはさせないと俺を捕まえてキスをした。まだまだ大輝さんとまどろんでいたいものの、今日はアシデアさんの所へ行くので、2人で準備して向かうことにした。
「それデ、どうしたイカ決まりましタカ?」
「はい!俺、薬師を目指したいです。判定の魔法石を握ってみたいです」
「フフッ、はい、どうぞ」
アシデアさんは待ってましたと言わんばかりにすぐに判定の魔法石を差し出した。黒くも見える濃い緑色、手のひらに乗る小さなサイズの魔法石。大輝さん、アシデアさんに見守られながらその魔法石を手に乗せた。ドキドキしながらその石を見守る。徐々にその小さな石はポウッ輝いた。濃い緑色だったそれは光を放ち、綺麗な薄い緑色に輝いた。
「こ、これって……!」
嬉しくて思わず大輝さんを見た。大輝さんもアシデアさんもニコニコと俺を見ている。
「優馬、おめでとう!」
「う、嬉しいです!夢じゃないですよね?!」
「あぁ」
嬉しくて溜まらなくて大輝さんに抱きついていた。大輝さんも嬉しそうに抱きしめ返してくれる。「コホンッ」というわざとらしい咳払いが聞こえ、アシデアさんがいたことを思い出して、お互いに気まずそうに離れた。
「フフフ、良かったでスネ。他の皆も薬屋はまだかまだかと待ち望んでましタヨ」
まだ実感がわかない。え?俺、本当に薬師になれたの?思わず、ほっぺをつねりそうになったけど、それは大輝さんにとめられた。早速大輝さんの準備中だという薬屋へと案内してもらうことになった。ナミルのお店は並んでいることが多く、向かっている先は俺が仕事の手伝いをしていた場所に近い。
『おやおや、そんなにご機嫌で。私まで嬉しくなるよ。あぁ、もしかして……?開店したらすぐに行くよ。今から楽しみだ』
ニッコラさんが馬のアアルの散歩ついでに荷物を運んでいるようだった。アアルはあれから警戒することなく過ごしているらしい。今は俺に鼻を擦りつけ、撫でさせてくれさえする。またまたニッコラさんは口早なので、何を言っているか分からないけど、ニコニコと見てくれるのでこちらまで嬉しくなる。
「優馬、ここだ」
そう言って案内されたのは、小さいながらもしっかりとした作りのお店で、中に入ると色々な薬草のいい香りが鼻をくすぐった。手前が調合済みの薬を売るスペースで、奥にも部屋があり、そこで調合したり生体を育てたりするのだ。
「優馬」
大輝さんが優しい声で俺を呼ぶ。どうしたのだろうと思って振り向くと、シンプルで綺麗な紺色のハンカチに包まれた四角い何かを手に持っている。何だろう?と首を傾げていると、大輝さんがそれを手渡した。
「優馬、誕生日おめでとう。それに薬師も」
「ありがとうございます」
朝にもお祝いの言葉をもらったのに、またおめでとうと祝福の言葉をもらい、嬉しくて溜まらなかった。
「開けてみてくれないか?」
大輝さんに手渡されたそれは固い何かだった。ワクワクしながらそれをほどき、開いていく。
「え?これって……」
綺麗なハンカチの中から出てきたそれは、紺青色の木の板、それには金色のユモルの絵が1枚描かれていて、下には『大輝と優馬の薬屋』と書いてあった。
「う、嬉しいです!ありがとうございます!!」
早速、お店の外へその看板をかけに行き、2人でそれを見た。嬉しくて2人で見つめ合った。明日から俺もここで働くんだと思うと、ワクワクが止まらない。
「大輝さん、ありがとうございます!」
もう一度お店の中に入り、先ほどよりも勢いよく飛びつくように大輝さんに抱き着いた。さっきはアシデアさんがいたけど、今は誰もいないからいいよね?大輝さんも嬉しそうに微笑み、俺を見つめている。唇を徐々に近づけた時……
「優馬!聞いたぞ、薬師に……あ、わりぃ」
友也が勢いよく入って来た。唇を急いで離すも遅かったようでその扉は閉じられた。扉の向こうでトルデンさんが「だから部屋に入る時はノックしないとっていつもいっているでしょウ?」と友也に注意している。
いそいそと扉を開けて、外にいる2人に謝る。友也が「……こっちこそごめん。あ、それより薬師おめでとう!」と言った。
「誕生日ともききましタ。おめでとうございまス」
「そうそう!誕生日もおめでとうな!」
「えへへ、ありがとう」
こんな風に祝われたことがあまりないから嬉しくて照れながらお礼を言う。
「薬屋がオープンしたらまた来まス。楽しい誕生日を2人で楽しんデ」
「あぁ、じゃぁ、またな」
そう言って2人は去って行った。2人を見送った後、もう一度キスをして、お店を出た。お店を振り返り、先ほどの看板を見てまた嬉しくなって頬を緩ませる。
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