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守りたいもの
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「奥様、起きていらっしゃいますか?」
「ええ」
翌朝、レティシアはグレースとニナの声に目を覚ました。
身体のだるさも無くなり、とてもすっきりとした気分だった。
「旦那様は……目を覚ましそうにありませんね」
小さな声で話しかけてきたニナの言葉に、レティシアは隣に目を向ける。
アロイスは深く眠っている様子で、レティシアとニナの話し声にも目を覚ましそうになかった。
「よろしければ、もう少し眠らせておいていただけませんか? 奥様が目を覚ますまでほとんど眠れていなかったようですから……」
グレースの言葉に、レティシアは眠る彼の顔を注意深く観察する。
確かに彼の目の下には色濃いくまがあった。
「では、起こさずにおきましょう」
「はい。そのように」
「奥様、お湯を使えるようにしてあります。体調がよろしいようであれば、いかがですか?」
「ぜひ!」
願ってもないニナの提案にレティシアは小さな声で答えた。
メイドたちと共に浴室に移動し、レティシアは彼女たちの手を借りて身体を洗う。
傷を負った場所を確認したが、治癒士のおかげか、うっすらと赤くなっているくらいで、きれいに治っていた。
「奥様の怪我もすっかり治ったようで、ほっといたしました」
レティシアと共に傷を確認したグレースがほっとした表情を見せる。
「心配をかけてごめんなさい」
「いいえ、奥様がお謝りになることはございません。ただ、皆心配しております。どうか、二度とこのようなことのないように、お気を付けいただければ十分です」
「そうです。気を付けてくださいね」
グレースとニナがそろってレティシアを見つめた。
「……はい」
母を亡くしてから、アロイス以外にこれほど親身になってレティシアを気にかけてくれる者はいなかった。
彼らの心遣いは雇用主と雇用者という枠を超えているように思えるほどだ。
レティシアはグレースたちの心配してくれる気持ちが嬉しく、くすぐったさを味わっていた。
「さ、治ったとはいえ、まだ病み上がりです。早めに上がりましょうか」
「ええ」
レティシアは自分でも治癒魔法を使って確認してみたが、特に不調は見つからない。これならば、すぐに仕事に復帰できるだろう。
レティシアが身支度を整え、朝食の席に着くと、ようやく起きたアロイスが姿を現した。
彼は昨日よりも疲れの取れた様子で、ずいぶんとすっきりとした表情をしていた。
「レティ、起こしてくれればよかったのに」
「おはようございます。よく眠っていたから起こすのが申し訳なくて……」
アロイスは座っているレティシアに近づくと、身をかがめ、さりげない身のこなしで彼女の唇にキスを落とした。
「おはよう」
突然のことに、驚き、固まるレティシアに、アロイスは無邪気に笑った。
「別に、おはようのキスくらいかまわないだろう?」
これまでは、礼儀正しい挨拶を交わすくらいだったのに、あまりに違いすぎる彼の甘い表情と態度に、レティシアの顔が真っ赤になる。
「なんだか、すごく今までと態度が違う気がするのだけれど……」
レティシアの耳の中ではうるさいほど鼓動が鳴っていた。
「自分に正直になることにしただけだ」
アロイスはうそぶくと、彼女のわずかに濡れた髪をひと筋すくって口づけた。
「……っ」
真っ赤になるレティシアに、アロイスはにっこりと笑い、向かいに腰を下ろす。
この行動が正直な気持ちだと言われると、嬉しくて、恥ずかしくて、どうしていいのかわからなくなる。
黙り込んだレティシアに、アロイスは破顔した。
「さあ、食事にしよう」
彼の声を合図に、朝食が運ばれてくる。
ある程度食事を腹に収めたところで、昨夜途中になっていた話をレティシアは再開させた。
「あの……、私が倒れたあとのことなのだけれど……。アンリは無事だったの?」
「ああ。あなたの防御魔法のおかげでほとんど無傷といっていい」
「よかった……」
彼が無事だと知って、レティシアは安堵の息を零した。
だが、レティシアの表情とは対照的に、アロイスは不満げな様子を隠そうとはしなかった。
「あいつだって、王城に勤める魔法使いだ。身を守るくらいはできただろう。あなたは自分の防御を優先すべきだったのではないか?」
アロイスの厳しい表情に、レティシアは少し怯みながらも、あの時の状況を思い出してみる。
アンリの意識は魔法陣に奪われていて、自身に対してはかなり無防備になっていた。彼の経験では、二重に張り巡らされた罠に気づくのは難しかっただろう。
レティシアは気持ちを落ち着け、静かに口を開いた。
「……いいえ。魔導士である私でも、防御魔法を展開するのが精一杯だっだ。あの状況では仕方がないことだったと思います。それに、私がもっと注意すべきだった。あの魔法陣に罠が仕掛けられていたことは知っていたのだもの」
「だからといって、アンリはあなたが傷を負ってまで守るべき相手ではない」
「そうかもしれないけれど……」
「あなたが無事であれば、すぐに治癒魔法を使うこともできたはずだろう?」
あのとき、レティシアは咄嗟に準備していた防御魔法を発動させた。
より魔法陣に近いアンリを優先させたのは、被害を最小限に止めるために間違っていなかったと思っている。
彼の厳しい言葉が、レティシアのことを思っての発言であることはわかった。
「まあいい。過ぎたことを話しても仕方がない。もう少し生産的な話をすることにしようか」
上に立つ者としての判断に慣れている彼の言い分の方が正しいのかもしれない。それでもレティシアはあのとき、近衛の中で初めて彼女の味方をしてくれたアンリを守りたかった。
「……はい」
レティシアはうなずいて話の続きを促す。
「あのあと、ほかの魔法使いに頼んで陛下の寝室に仕掛けられていた魔法陣は回収してもらった。レティにはしばらく護衛任務から外れて、魔法陣の調査を優先して進めて欲しいと、エヴァが言っている。私はもうあなたを王城にはやりたくないんだが、そういうわけにもいかないようだ」
近衛の実質的な責任者であるヴァリエ伯爵の指示では、アロイスも断れなかったらしい。
「一度引き受けた仕事ですから、きちんと役目を果たさせてください」
「ああ。王に仕える者として、あなたの力を貸してほしい」
「もちろん」
レティシアは自分の力が彼の役に立てることが嬉しかった。
誰よりも大切な人を守りたい。そして、レティシアにはそれだけの力があるはずだった。
「……あなたがもっと無力だったら閉じ込めてどこにもやらないのに」
呟くような彼の言葉に、レティシアはどう答えるべきか迷う。
「アル……」
「自分でも矛盾しているとは思うがな……」
レティシアの戸惑いに気づいたのか、アロイスは苦笑した。
「レティに魔導士となれほどの力があったおかげで再会できたのはわかっている。だが、その所為であなたを危険な目に合わせたと思うと、複雑な気持ちなんだ」
「私は……この力があったおかげで、もう一度アルに会えたんだと思うの……。次からはこんな無様なまねを晒さないよう、もっときちんと注意深く行動するから」
レティシアの言葉をアロイスは即座に否定する。
「もう次は二度とない。私があなたを守る。行動でそれを証明させてもらおう」
誰かに守られることに慣れていないレティシアには、彼にそう言ってもらえるだけで十分すぎるほどだった。
「私にもあなたの背中を守らせてくれるのなら」
「もちろんだ」
放胆な笑みを浮かべるアロイスに、レティシアの胸はくすぐったくなる。
レティシアは気恥ずかしさを誤魔化すように、他に気になっていた話題を彼に振った。
「そういえば、誰があの魔法陣を仕掛けたかは、わかりそう?」
「残念ながらまだ特定できていない。あの部屋に出入りできるのは掃除婦かメイド、それから近衛くらいだが、いつから仕掛けられていたのかわからないので、絞込みが難しい状況だ」
「なら、余計に魔法陣から手がかりを探ったほうが良さそうね」
「ああ、レティなら安心して任せられる。頼んだぞ」
「……はい」
レティシアはアロイスの信頼に応えるべく、自分のなすべきことを思案し始めた。
「ええ」
翌朝、レティシアはグレースとニナの声に目を覚ました。
身体のだるさも無くなり、とてもすっきりとした気分だった。
「旦那様は……目を覚ましそうにありませんね」
小さな声で話しかけてきたニナの言葉に、レティシアは隣に目を向ける。
アロイスは深く眠っている様子で、レティシアとニナの話し声にも目を覚ましそうになかった。
「よろしければ、もう少し眠らせておいていただけませんか? 奥様が目を覚ますまでほとんど眠れていなかったようですから……」
グレースの言葉に、レティシアは眠る彼の顔を注意深く観察する。
確かに彼の目の下には色濃いくまがあった。
「では、起こさずにおきましょう」
「はい。そのように」
「奥様、お湯を使えるようにしてあります。体調がよろしいようであれば、いかがですか?」
「ぜひ!」
願ってもないニナの提案にレティシアは小さな声で答えた。
メイドたちと共に浴室に移動し、レティシアは彼女たちの手を借りて身体を洗う。
傷を負った場所を確認したが、治癒士のおかげか、うっすらと赤くなっているくらいで、きれいに治っていた。
「奥様の怪我もすっかり治ったようで、ほっといたしました」
レティシアと共に傷を確認したグレースがほっとした表情を見せる。
「心配をかけてごめんなさい」
「いいえ、奥様がお謝りになることはございません。ただ、皆心配しております。どうか、二度とこのようなことのないように、お気を付けいただければ十分です」
「そうです。気を付けてくださいね」
グレースとニナがそろってレティシアを見つめた。
「……はい」
母を亡くしてから、アロイス以外にこれほど親身になってレティシアを気にかけてくれる者はいなかった。
彼らの心遣いは雇用主と雇用者という枠を超えているように思えるほどだ。
レティシアはグレースたちの心配してくれる気持ちが嬉しく、くすぐったさを味わっていた。
「さ、治ったとはいえ、まだ病み上がりです。早めに上がりましょうか」
「ええ」
レティシアは自分でも治癒魔法を使って確認してみたが、特に不調は見つからない。これならば、すぐに仕事に復帰できるだろう。
レティシアが身支度を整え、朝食の席に着くと、ようやく起きたアロイスが姿を現した。
彼は昨日よりも疲れの取れた様子で、ずいぶんとすっきりとした表情をしていた。
「レティ、起こしてくれればよかったのに」
「おはようございます。よく眠っていたから起こすのが申し訳なくて……」
アロイスは座っているレティシアに近づくと、身をかがめ、さりげない身のこなしで彼女の唇にキスを落とした。
「おはよう」
突然のことに、驚き、固まるレティシアに、アロイスは無邪気に笑った。
「別に、おはようのキスくらいかまわないだろう?」
これまでは、礼儀正しい挨拶を交わすくらいだったのに、あまりに違いすぎる彼の甘い表情と態度に、レティシアの顔が真っ赤になる。
「なんだか、すごく今までと態度が違う気がするのだけれど……」
レティシアの耳の中ではうるさいほど鼓動が鳴っていた。
「自分に正直になることにしただけだ」
アロイスはうそぶくと、彼女のわずかに濡れた髪をひと筋すくって口づけた。
「……っ」
真っ赤になるレティシアに、アロイスはにっこりと笑い、向かいに腰を下ろす。
この行動が正直な気持ちだと言われると、嬉しくて、恥ずかしくて、どうしていいのかわからなくなる。
黙り込んだレティシアに、アロイスは破顔した。
「さあ、食事にしよう」
彼の声を合図に、朝食が運ばれてくる。
ある程度食事を腹に収めたところで、昨夜途中になっていた話をレティシアは再開させた。
「あの……、私が倒れたあとのことなのだけれど……。アンリは無事だったの?」
「ああ。あなたの防御魔法のおかげでほとんど無傷といっていい」
「よかった……」
彼が無事だと知って、レティシアは安堵の息を零した。
だが、レティシアの表情とは対照的に、アロイスは不満げな様子を隠そうとはしなかった。
「あいつだって、王城に勤める魔法使いだ。身を守るくらいはできただろう。あなたは自分の防御を優先すべきだったのではないか?」
アロイスの厳しい表情に、レティシアは少し怯みながらも、あの時の状況を思い出してみる。
アンリの意識は魔法陣に奪われていて、自身に対してはかなり無防備になっていた。彼の経験では、二重に張り巡らされた罠に気づくのは難しかっただろう。
レティシアは気持ちを落ち着け、静かに口を開いた。
「……いいえ。魔導士である私でも、防御魔法を展開するのが精一杯だっだ。あの状況では仕方がないことだったと思います。それに、私がもっと注意すべきだった。あの魔法陣に罠が仕掛けられていたことは知っていたのだもの」
「だからといって、アンリはあなたが傷を負ってまで守るべき相手ではない」
「そうかもしれないけれど……」
「あなたが無事であれば、すぐに治癒魔法を使うこともできたはずだろう?」
あのとき、レティシアは咄嗟に準備していた防御魔法を発動させた。
より魔法陣に近いアンリを優先させたのは、被害を最小限に止めるために間違っていなかったと思っている。
彼の厳しい言葉が、レティシアのことを思っての発言であることはわかった。
「まあいい。過ぎたことを話しても仕方がない。もう少し生産的な話をすることにしようか」
上に立つ者としての判断に慣れている彼の言い分の方が正しいのかもしれない。それでもレティシアはあのとき、近衛の中で初めて彼女の味方をしてくれたアンリを守りたかった。
「……はい」
レティシアはうなずいて話の続きを促す。
「あのあと、ほかの魔法使いに頼んで陛下の寝室に仕掛けられていた魔法陣は回収してもらった。レティにはしばらく護衛任務から外れて、魔法陣の調査を優先して進めて欲しいと、エヴァが言っている。私はもうあなたを王城にはやりたくないんだが、そういうわけにもいかないようだ」
近衛の実質的な責任者であるヴァリエ伯爵の指示では、アロイスも断れなかったらしい。
「一度引き受けた仕事ですから、きちんと役目を果たさせてください」
「ああ。王に仕える者として、あなたの力を貸してほしい」
「もちろん」
レティシアは自分の力が彼の役に立てることが嬉しかった。
誰よりも大切な人を守りたい。そして、レティシアにはそれだけの力があるはずだった。
「……あなたがもっと無力だったら閉じ込めてどこにもやらないのに」
呟くような彼の言葉に、レティシアはどう答えるべきか迷う。
「アル……」
「自分でも矛盾しているとは思うがな……」
レティシアの戸惑いに気づいたのか、アロイスは苦笑した。
「レティに魔導士となれほどの力があったおかげで再会できたのはわかっている。だが、その所為であなたを危険な目に合わせたと思うと、複雑な気持ちなんだ」
「私は……この力があったおかげで、もう一度アルに会えたんだと思うの……。次からはこんな無様なまねを晒さないよう、もっときちんと注意深く行動するから」
レティシアの言葉をアロイスは即座に否定する。
「もう次は二度とない。私があなたを守る。行動でそれを証明させてもらおう」
誰かに守られることに慣れていないレティシアには、彼にそう言ってもらえるだけで十分すぎるほどだった。
「私にもあなたの背中を守らせてくれるのなら」
「もちろんだ」
放胆な笑みを浮かべるアロイスに、レティシアの胸はくすぐったくなる。
レティシアは気恥ずかしさを誤魔化すように、他に気になっていた話題を彼に振った。
「そういえば、誰があの魔法陣を仕掛けたかは、わかりそう?」
「残念ながらまだ特定できていない。あの部屋に出入りできるのは掃除婦かメイド、それから近衛くらいだが、いつから仕掛けられていたのかわからないので、絞込みが難しい状況だ」
「なら、余計に魔法陣から手がかりを探ったほうが良さそうね」
「ああ、レティなら安心して任せられる。頼んだぞ」
「……はい」
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