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第1章 アストリア王国に転生
17 ゴブリンでレベリング
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マリエル達は辺境伯領の南の草原を更に南に進みました。
山裾の森へと草原が続いていて、段々と木々も増えてきました。
「お嬢様、森に入るとゴブリンが居ます。最近、街道の旅人が襲われているのです」
「そうなんですね。それじゃあケンちゃんに、魔物を草原に誘き出して貰いましょう」
「マリちゃん、俺が囮になって、ゴブリンを森の外に連れてくれば良いの?」
「うん。森で戦うのはちょっと心配だから、草原に誘き出して頂戴な。私達は体制を整えて待っているから」
「俺1人で行くの?」
「うん。走ればステータスが上がるのだから、一石二鳥でちょうど良いでしょ?」
「う~ん、まぁいっか! じゃあ、行って来るね」
ペッコ、ペッコ、ペッコ、ペッコ、……。
ケンちゃんが1人で森の中に走って行きました。
「お嬢様、1人で大丈夫でしょうか? ケンちゃんはゴブリンに遣られてしまいませんか?」
「たぶん大丈夫よ、ルイス。 エイルちゃんから聞いてるのだけれど、例え手足がバラバラに成ってもHP1で止まってHP0に成らないそうなの。それに人形だから綿と布だけなので【修復】すれば元通りに成るんだって」
「え~っと、心臓…では無くて魔石で動いているのですよね? 魔石が砕けたら死んでしまうのでは無いのですか?」
「魔石は入って無いそうなのよ。中は綿だけらしいの。魔道具ではなくて、エイルちゃんが魂を入れた只の人形なのよ」
「そうなんですか。さらっと凄い事を仰ってる様な気がしますが……」
「凄いの?」
「女神から授かった神器って事に成りますよね。聖剣ならぬ聖人形でしょうか?」
「ケンちゃんが聖人形ッ! ック、クククククッ! ケンちゃんが聖…キャハハハハァァァッ!」
「おっ、お嬢様。女神様に失礼ですよ!」
メアリィが心配そうに言いました。
「ご免なさい、だって…ケンちゃんが……聖ケンちゃん人形ッ! キャハハハハァァァッ!」
「「お嬢様ぁ……」」
「はぁ、苦しかったぁ! ケンちゃんはたぶん聖人形じゃ無いけど。エイルちゃんには凄く感謝しています」
『いいえ、どういたしまして』
「…ぁぁぁぁぁわあああああっ!」
そんな話をしていたら、ケンちゃんが森から走って逃げてきました。5匹のゴブリンに追われています。
「メアリィ! 3、2、1で一緒に【癇癪玉】を投げるわよ!」
「はいっ!」
「3、2、1、それっ!」
「はいっ!」
ビュンッ! とスリングが風きり音を鳴らしました。
2つの【癇癪玉】はケンちゃんに向かって真っ直ぐ飛んで行きましたが、彼は華麗なサイドステップで横に避けます。
1つは地面に落ちて砕けましたが、もう1つは先頭のゴブリンに直接当って、お粉が上手く巻き上がりました。
地面で砕けた【癇癪玉】のお粉も風で巻き上がって、ゴブリン達を苦しめます。
「ヒギャアアアアアッ……」
「ゲフンッ、ゲフンッ、ゲフンッ、ゲフンッ……!」
「ウゲゲゲゲーッ……!」
ゴブリン達は動きを止めて、目を擦り鼻や口から激しく咽て、のたうち回っています。
「魔法攻撃をして下さい!」
私とスズちゃんは【土弾】、ケンちゃんは【火弾】、ピーちゃんは【氷弾】を撃ちます。
ヒュゥゥゥッ、ドォンッ!
ボワッ、シュゥゥゥッ、バァンッ!
パリッパリッ、キィィィンッ、ダァンッ!
ゴブリン達の体力は残り僅かに成りました。
ルイス、ケンちゃん、スズちゃん、ルディくんが武器で止めを刺します。
グサッ、ズシャッ……、
マリエルは顔を背けました。
(う~ん、グロイ! こういうのは見たくないなぁ……)
「エイルちゃん、ゲームみたいに残酷シーンをファンタジーに仕様変更して欲しいな~?」
『えっとぅ、私にそこまでの能力は無いの。ご免ね~、我慢してねぇ』
「そうなんだ~、我慢しまぁす。無理な事言って、こちらこそご免ねぇ」
『いいのよぅ』
「お嬢様、魔石と討伐証明部位をケンちゃんに収納しますね」
「はい、お願いします」
「ァアアアンッ……ゴックン!」
ルイスがケンちゃんの口に、解体したゴブリンの討伐証明部位を詰め込みました。
「ウグッ…ウエッ!」
それを見ていたメアリィが、口を押さえ嘔吐きます。
「メアリィ、見ないで。見なければ大丈夫だから」
「すみませんお嬢様。怖い物見たさで、ついつい見てしまうのです」
「早く慣れるといいね」
「お嬢様は大丈夫なのですか?」
「これは全然大丈夫です」
「はぁぁ、そうですか……」
「ケンちゃん、他にゴブリンは居なかったの?」
「森に入って、そう深くない所に今のゴブリン達が座ってたから、先に行けばもっと居るかもね」
「ルイス、ゴブリンの棲家ってあるの?」
「ある程度の集団に成ると、木や草を集めたり洞穴を掘ったりして巣を作るらしいです」
「へぇ、そうなんだぁ」
「はい」
「私達はゴブリンの巣を討伐できるかなぁ?」
「上位種が居なければ出来ると思います」
「上位種って?」
「はい、ホブゴブリン、ゴブリンマジシャン、ゴブリンリーダー、ジェネラル、キングなどが居ます」
「強いの?」
「はい。ですが、ここら辺では目撃された事は有りません。ケンちゃんに偵察してもらって上位種が居なければ討伐しても良いと思います」
「ママ~」
「なぁに? スズちゃん」
「私の忍術に【索敵】が有るから。調べようかぁ?」
「まぁ、便利そうね。お願いするわ!」
「森のゴブリンを【索敵】!」
ピッキィィィィィンッ!
「ママ。50メートルぐらい先に、8匹の普通のゴブリンが群れてるよ。他には居ないみたい」
「まぁ、いい子ね。そこまで分かるなんて凄い凄い!」
私はスズちゃんを抱き寄せて頭をワシャワシャ撫でました。
「へへぇ、さっきレベルアップして覚えたばかりなのぅ」
「まぁそうなのね、いい子いい子! それじゃあルイス、森の中へゴブリン討伐に行きましょう」
「はい、お嬢様」
山裾の森へと草原が続いていて、段々と木々も増えてきました。
「お嬢様、森に入るとゴブリンが居ます。最近、街道の旅人が襲われているのです」
「そうなんですね。それじゃあケンちゃんに、魔物を草原に誘き出して貰いましょう」
「マリちゃん、俺が囮になって、ゴブリンを森の外に連れてくれば良いの?」
「うん。森で戦うのはちょっと心配だから、草原に誘き出して頂戴な。私達は体制を整えて待っているから」
「俺1人で行くの?」
「うん。走ればステータスが上がるのだから、一石二鳥でちょうど良いでしょ?」
「う~ん、まぁいっか! じゃあ、行って来るね」
ペッコ、ペッコ、ペッコ、ペッコ、……。
ケンちゃんが1人で森の中に走って行きました。
「お嬢様、1人で大丈夫でしょうか? ケンちゃんはゴブリンに遣られてしまいませんか?」
「たぶん大丈夫よ、ルイス。 エイルちゃんから聞いてるのだけれど、例え手足がバラバラに成ってもHP1で止まってHP0に成らないそうなの。それに人形だから綿と布だけなので【修復】すれば元通りに成るんだって」
「え~っと、心臓…では無くて魔石で動いているのですよね? 魔石が砕けたら死んでしまうのでは無いのですか?」
「魔石は入って無いそうなのよ。中は綿だけらしいの。魔道具ではなくて、エイルちゃんが魂を入れた只の人形なのよ」
「そうなんですか。さらっと凄い事を仰ってる様な気がしますが……」
「凄いの?」
「女神から授かった神器って事に成りますよね。聖剣ならぬ聖人形でしょうか?」
「ケンちゃんが聖人形ッ! ック、クククククッ! ケンちゃんが聖…キャハハハハァァァッ!」
「おっ、お嬢様。女神様に失礼ですよ!」
メアリィが心配そうに言いました。
「ご免なさい、だって…ケンちゃんが……聖ケンちゃん人形ッ! キャハハハハァァァッ!」
「「お嬢様ぁ……」」
「はぁ、苦しかったぁ! ケンちゃんはたぶん聖人形じゃ無いけど。エイルちゃんには凄く感謝しています」
『いいえ、どういたしまして』
「…ぁぁぁぁぁわあああああっ!」
そんな話をしていたら、ケンちゃんが森から走って逃げてきました。5匹のゴブリンに追われています。
「メアリィ! 3、2、1で一緒に【癇癪玉】を投げるわよ!」
「はいっ!」
「3、2、1、それっ!」
「はいっ!」
ビュンッ! とスリングが風きり音を鳴らしました。
2つの【癇癪玉】はケンちゃんに向かって真っ直ぐ飛んで行きましたが、彼は華麗なサイドステップで横に避けます。
1つは地面に落ちて砕けましたが、もう1つは先頭のゴブリンに直接当って、お粉が上手く巻き上がりました。
地面で砕けた【癇癪玉】のお粉も風で巻き上がって、ゴブリン達を苦しめます。
「ヒギャアアアアアッ……」
「ゲフンッ、ゲフンッ、ゲフンッ、ゲフンッ……!」
「ウゲゲゲゲーッ……!」
ゴブリン達は動きを止めて、目を擦り鼻や口から激しく咽て、のたうち回っています。
「魔法攻撃をして下さい!」
私とスズちゃんは【土弾】、ケンちゃんは【火弾】、ピーちゃんは【氷弾】を撃ちます。
ヒュゥゥゥッ、ドォンッ!
ボワッ、シュゥゥゥッ、バァンッ!
パリッパリッ、キィィィンッ、ダァンッ!
ゴブリン達の体力は残り僅かに成りました。
ルイス、ケンちゃん、スズちゃん、ルディくんが武器で止めを刺します。
グサッ、ズシャッ……、
マリエルは顔を背けました。
(う~ん、グロイ! こういうのは見たくないなぁ……)
「エイルちゃん、ゲームみたいに残酷シーンをファンタジーに仕様変更して欲しいな~?」
『えっとぅ、私にそこまでの能力は無いの。ご免ね~、我慢してねぇ』
「そうなんだ~、我慢しまぁす。無理な事言って、こちらこそご免ねぇ」
『いいのよぅ』
「お嬢様、魔石と討伐証明部位をケンちゃんに収納しますね」
「はい、お願いします」
「ァアアアンッ……ゴックン!」
ルイスがケンちゃんの口に、解体したゴブリンの討伐証明部位を詰め込みました。
「ウグッ…ウエッ!」
それを見ていたメアリィが、口を押さえ嘔吐きます。
「メアリィ、見ないで。見なければ大丈夫だから」
「すみませんお嬢様。怖い物見たさで、ついつい見てしまうのです」
「早く慣れるといいね」
「お嬢様は大丈夫なのですか?」
「これは全然大丈夫です」
「はぁぁ、そうですか……」
「ケンちゃん、他にゴブリンは居なかったの?」
「森に入って、そう深くない所に今のゴブリン達が座ってたから、先に行けばもっと居るかもね」
「ルイス、ゴブリンの棲家ってあるの?」
「ある程度の集団に成ると、木や草を集めたり洞穴を掘ったりして巣を作るらしいです」
「へぇ、そうなんだぁ」
「はい」
「私達はゴブリンの巣を討伐できるかなぁ?」
「上位種が居なければ出来ると思います」
「上位種って?」
「はい、ホブゴブリン、ゴブリンマジシャン、ゴブリンリーダー、ジェネラル、キングなどが居ます」
「強いの?」
「はい。ですが、ここら辺では目撃された事は有りません。ケンちゃんに偵察してもらって上位種が居なければ討伐しても良いと思います」
「ママ~」
「なぁに? スズちゃん」
「私の忍術に【索敵】が有るから。調べようかぁ?」
「まぁ、便利そうね。お願いするわ!」
「森のゴブリンを【索敵】!」
ピッキィィィィィンッ!
「ママ。50メートルぐらい先に、8匹の普通のゴブリンが群れてるよ。他には居ないみたい」
「まぁ、いい子ね。そこまで分かるなんて凄い凄い!」
私はスズちゃんを抱き寄せて頭をワシャワシャ撫でました。
「へへぇ、さっきレベルアップして覚えたばかりなのぅ」
「まぁそうなのね、いい子いい子! それじゃあルイス、森の中へゴブリン討伐に行きましょう」
「はい、お嬢様」
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