チートなんて簡単にあげないんだから~結局チートな突貫令嬢~

まきノ助

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第3章 魔族王国の迷子令嬢

91 閑話:拠点で女子話

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 閑話です、話は襲撃前に戻ります。




 『タイガーケイブ』の男達が、刺客を拠点におびき寄せる為に早朝から馬車で出かけました。

 ミレーヌさん、リーゼさん、アダモちゃんと私は残って襲撃に備えます。
 たぶん襲ってくるのは深夜になると思いますので、私達は交代でお昼寝をしなければなりません。


 リーゼさんがアダモちゃんに質問しました。

「アダモちゃんは、まだ生まれてから1年ぐらいなのよね?」

『はい、そうですぅ』


「1年なのに言葉が上手だし、沢山変わった言葉を喋れるし、何処でそんな言葉を覚えたの?」

『インベントリの中にいっぱい本があるのです。コピー本とか薄い本という物ですぅ』

「聞いたことない本ね?」


「アダモちゃん、私もちょっと読んで見ようかな?」

『御嬢様には見せられませ~ん。成人指定とか15禁とか書いてあるのですぅ』

「まぁ、15歳以上の成人じゃないと閲覧できないって事ね?」

『はい、そうですぅ』


「いったい、どういう内容なの?」

『御嬢様には教えられませんが、本の筆者は全てサチコという方ですぅ』

 私はズキンズキンと頭が痛く成ってきました。


「私達は成人してるから問題ないわよね。マリエルちゃんに関する事が書いてないか検証してあげましょう」

「そうですね。アダモちゃん、ミレーヌさんとリーゼさんになら見せてもいいわよね?」

『は~い』


 私はインベントリから数冊の本を出して、ミレーヌとリーゼに渡しました。

「まぁ……」

「あらら……」

「むぅぅぅん……」

「ふんすっ……」

「はぁ、はぁ、はぁ……」


「う~ん、ガツンとくる大人の芸術本だわ!」

「残念ながら、マリエルちゃんに関することは無いみたいね」


「光成と吉次が秀逸だわ」

「わたしはヘンリーとリチャードかしら王子同士の禁断の愛がゾクゾクするわ」


「これはもう全巻読破するしかないわね」

「筆者にファンレターを書こうかしら」

「続きが読みたいわ。マリエルちゃん、もう少し本を出してくれますか?」

「……はい」


 私は再びインベントリから数冊の本を出して、ミレーヌとリーゼに渡しました。

「まぁ……」

「あらら……」

「むぅぅぅん……」

「ふんすっ……」

「はぁ、はぁ、はぁ……」



「う~ん、凄い。斬新な展開が次から次へと繰り広げられます」

「この様な奥深い世界があったのですね!」

「私達もマリエルちゃんの国に行きましょう」

「そうね、新しい世界の扉を開くのよ」


「あのぅ、私の国を一緒に探してくれるのですね?」

「ふんすっ、これはもう行くしかないでしょう」

「是非とも、他の作品を読ませて貰わなくてはならないわ。新刊というものを」



 更にまだ読んでない本に、ミレーヌとリーゼの手が伸びます。



「あのぅ、襲撃に備えた方がいいですよね? 食事やお茶も忘れて読み続けていますけどぅ……」

「そ、そうね……じゃあ食事の準備をしましょうね」

「はい」

 と、言ったにも関わらず、2人とも本を読み続けています。


「はぁ、スグに本の中に引き込まれてしまいますね。私が1人で準備するしかなさそうです」

 2人とも私の声が聞こえていません、仕方なく私は夕食の準備を1人で始めました。
 まだ昼食も食べていなかったのです。


「サチコって、何者なんでしょうね? はぁ」
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