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入学
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時は過ぎて4月8日。
社会人や大学生であれば新生活が既に始まっているだろうが、世の中高生にとっては入学式であり、始業式という始まりの日。
新入生は新しい出会いに。在校生であれば新しいクラスメートに。
誰もがドキドキとワクワクで胸を膨らませ、そこに不安も入り混じって複雑な気持ちを抱きながら登校する、そんな日にだ。
「は?黒ギャルえっど!」
「あははー。えっどって何だよ。あたしは黒井夢衣。よろー」
「俺は四股利太陽だ!よろー」
「ぶはっ。絶対偽名なのウケるんだけど!」
高校入学早々ぶっ飛ばしている少年がいる。
少年の名は亀頭伊織。
“日本オナニー最前線”のヴォーカリストであり、ワースト的な意味合いでライブハウス史に残る伝説のライブをやらかしたアイツである。
高校1年生には到底見えない大人びた黒ギャル、黒井夢衣の言った通り、初対面から全開の下ネタで偽名を名乗っている。
それも、かなり声を張っているので伊織の声は教室中に響き渡り、既にクラスの女子の半数以上から警戒と軽蔑の眼差しを向けられているが、本人は全くもって気にした様子はない。
今の伊織は入学初日からネクタイを緩めて第2ボタンまで開けている夢衣の谷間を鑑賞しながらお喋りするのに忙しくて、それどころではないのだ。
金髪、健康的な褐色、無防備で開放的な着こなし。既に本人に伝えているのだが、伊織それは曰く最強である。
余談だが、この高校は校則がゆるゆるなので金髪にしていても問題はない。
着こなしに関しても胸元を開けたりスカートの丈をパンツすれすれまで短くしたりは注意されるが、それでも口頭注意ぐらいである。
但し、しゃがんで積極的にパンツを見にいくのは注意されるかもしれない。
事実、伊織の背後には誰かが立ち、その人は伊織の脳天にチョップを見舞った。
「こら、入学早々何をしてるのかしら?」
振り返った伊織が体勢を低くしてスカートの中を覗きにいくと、今度はゴツンとグーが叩きつけられた。
こめかみへのグーで大ダメージを負った伊織は、その場で仰向けに倒れて、寝ながら拳骨の主に目を向けた。
黒髪に眼鏡でスーツ姿の女性。その姿から想像するに担任だろうか。
「もうチャイムは鳴ってるわよ。さっさと席に着きなさい」
伊織以外は、全員が既に着席している。
そもそも中等部の無い高校で、入学式の前から席を立って初対面のクラスメートに絡みにいく者は少数派だろう。
伊織は夢衣に「ご馳走様でした。本日のオカズの提供ありがとうございました」と丁寧に礼を言ってから1列目1番後ろの席に着いた。
前の席に座る男子から「お前って凄い奴だな」と声を掛けられ、隣の女子からは若干席を離された伊織である。
この日から訳あって、伊織は1年間1番後ろの席を指定席とすることになるのだが、それはまた別のお話。
「1年A組の担任になりました山岸絵里子です。皆さんの充実した高校生活をサポート出来るようにしていきます。よろしくね」
そう言って自己紹介をした絵里子は、伊織に目を向けながら高校生活で注意すべきことや校則についての説明を始めた。
お互いに相手を値踏みするような視線を交わしているが、その内実は方や警戒、方や見た目から想像出来る年齢とスリーサイズの分析である。
説明が終わると席を立ち、1年A組の面々は入学式が行われる体育館へと向かった。
社会人や大学生であれば新生活が既に始まっているだろうが、世の中高生にとっては入学式であり、始業式という始まりの日。
新入生は新しい出会いに。在校生であれば新しいクラスメートに。
誰もがドキドキとワクワクで胸を膨らませ、そこに不安も入り混じって複雑な気持ちを抱きながら登校する、そんな日にだ。
「は?黒ギャルえっど!」
「あははー。えっどって何だよ。あたしは黒井夢衣。よろー」
「俺は四股利太陽だ!よろー」
「ぶはっ。絶対偽名なのウケるんだけど!」
高校入学早々ぶっ飛ばしている少年がいる。
少年の名は亀頭伊織。
“日本オナニー最前線”のヴォーカリストであり、ワースト的な意味合いでライブハウス史に残る伝説のライブをやらかしたアイツである。
高校1年生には到底見えない大人びた黒ギャル、黒井夢衣の言った通り、初対面から全開の下ネタで偽名を名乗っている。
それも、かなり声を張っているので伊織の声は教室中に響き渡り、既にクラスの女子の半数以上から警戒と軽蔑の眼差しを向けられているが、本人は全くもって気にした様子はない。
今の伊織は入学初日からネクタイを緩めて第2ボタンまで開けている夢衣の谷間を鑑賞しながらお喋りするのに忙しくて、それどころではないのだ。
金髪、健康的な褐色、無防備で開放的な着こなし。既に本人に伝えているのだが、伊織それは曰く最強である。
余談だが、この高校は校則がゆるゆるなので金髪にしていても問題はない。
着こなしに関しても胸元を開けたりスカートの丈をパンツすれすれまで短くしたりは注意されるが、それでも口頭注意ぐらいである。
但し、しゃがんで積極的にパンツを見にいくのは注意されるかもしれない。
事実、伊織の背後には誰かが立ち、その人は伊織の脳天にチョップを見舞った。
「こら、入学早々何をしてるのかしら?」
振り返った伊織が体勢を低くしてスカートの中を覗きにいくと、今度はゴツンとグーが叩きつけられた。
こめかみへのグーで大ダメージを負った伊織は、その場で仰向けに倒れて、寝ながら拳骨の主に目を向けた。
黒髪に眼鏡でスーツ姿の女性。その姿から想像するに担任だろうか。
「もうチャイムは鳴ってるわよ。さっさと席に着きなさい」
伊織以外は、全員が既に着席している。
そもそも中等部の無い高校で、入学式の前から席を立って初対面のクラスメートに絡みにいく者は少数派だろう。
伊織は夢衣に「ご馳走様でした。本日のオカズの提供ありがとうございました」と丁寧に礼を言ってから1列目1番後ろの席に着いた。
前の席に座る男子から「お前って凄い奴だな」と声を掛けられ、隣の女子からは若干席を離された伊織である。
この日から訳あって、伊織は1年間1番後ろの席を指定席とすることになるのだが、それはまた別のお話。
「1年A組の担任になりました山岸絵里子です。皆さんの充実した高校生活をサポート出来るようにしていきます。よろしくね」
そう言って自己紹介をした絵里子は、伊織に目を向けながら高校生活で注意すべきことや校則についての説明を始めた。
お互いに相手を値踏みするような視線を交わしているが、その内実は方や警戒、方や見た目から想像出来る年齢とスリーサイズの分析である。
説明が終わると席を立ち、1年A組の面々は入学式が行われる体育館へと向かった。
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