3 / 20
勧誘
しおりを挟む
入学式が終わり、自己紹介から委員会と係を決めて解散となった後のこと。
「お前、日本オナニー最前線の仮性神じゃないか?」
伊織は他クラスに可愛い女子がいないかと探検をしている最中、背後から声を掛けられた。
振り返るとそこには、口元にピアスの穴が開いた茶髪の男が立っていた。
うーん、と記憶を辿ってみても、伊織には男の顔に見覚えがない。
対バンしたかライブを客として見ていたのか、はたまた動画サイトにアップされた動画を見て自分のことを知っているのだろうか?
そう考えを巡らせて、伊織は考えるのを止めた。何と言うか面倒臭かった。
知っているかもわからない男のことなんて考えるのは、全ての事象の中で最も意味のないことだと考えた。
簡単に言うと、死ぬほど面倒臭かったのだ。
「今はもう仮性神じゃないんだぜ。今の俺はズル剥けだ」
「お、おう。そうか…」
唐突なズル剥け発言に、ピアスの男は若干引き気味である。
余談だが、日本オナニー最前線はヴォーカルの仮性神、ギターの真性神、ベースの嵌頓神、ドラムの蛸壺女神の4人組であった。
全て仮性神こと亀頭伊織が名付けたステージネームなので、本人達の名誉の為にも本名ではないとだけは説明しておこう。
「俺は岡稔琉って言うんだ。日本オナニー最前線のことは動画で見て知ってた。
単刀直入に言う。俺とバンドやらないか?」
茶髪の、毛先をワックスで遊ばせて耳にもいくつもピアスの穴が開いている。
そんなチャラついた見た目の稔琉が、真面目な表情で伊織を誘った。
稔琉は日本オナニー最前線解散の話をどこかから聞いたらしく、理由はわからないが伊織を本気で勧誘しているらしい。
真剣な眼差しで差し出された手。
伊織はその手を取って握手すると、稔琉を引き寄せて肩を組んだ。
「稔琉氏は何組?可愛い子いたなら教えてくれよ。
パンツはチェックしたか?うちのクラスの黒井さんは名前の通り黒ギャルの黒パンツでクッソエロかったぞ。
あ、ちゃんとパンツ見る時は許可取りからするんだぞ。今の時代はスカートの中を覗くにも合意が必要だからな。
俺はしっかりとパンツを見ても良いですかって質問をして、見せパンだからいーよって絶対に見せパンじゃないパンツを見せて貰ったんだぜ。
俺は思ったね。あの黒ギャルは天界から遣わされた天使なんだって。
だってパンツ見せてくれる上におっぱいもでかいなんて、はっきり言ってノー貞操観念もいいところで…」
バンドとは全然関係のない話を始めた伊織は、稔琉の勧誘に返事をすることなく、夢衣の話と正規ルートのパンツの覗き方をレクチャーして帰っていった。
話に聞いていた通り、本気で掴みどころのない奴だったと溜息を吐いた稔琉は、これからどうやってあの男を口説き落とすかと眉間を抑えて思案するのであった。
口説き落とすと言っても稔琉はBL趣味は一切ないので、“バンドメンバーとして”の意味であるが。
伊織の方は行動を言動を見ればわかるだろうが、言わずもがなだ。
帰り掛けに校舎裏と体育館裏を覗いたら上級生と思われる男女がズキュゥゥゥンしている現場を目撃して青春の1ページにしっかりと焼き付けた伊織。
下校途中にビデオボックスに寄ろうとして制服姿は流石にNGと入店を拒否された伊織は仕方なしに大人しく帰宅した。
「お前、日本オナニー最前線の仮性神じゃないか?」
伊織は他クラスに可愛い女子がいないかと探検をしている最中、背後から声を掛けられた。
振り返るとそこには、口元にピアスの穴が開いた茶髪の男が立っていた。
うーん、と記憶を辿ってみても、伊織には男の顔に見覚えがない。
対バンしたかライブを客として見ていたのか、はたまた動画サイトにアップされた動画を見て自分のことを知っているのだろうか?
そう考えを巡らせて、伊織は考えるのを止めた。何と言うか面倒臭かった。
知っているかもわからない男のことなんて考えるのは、全ての事象の中で最も意味のないことだと考えた。
簡単に言うと、死ぬほど面倒臭かったのだ。
「今はもう仮性神じゃないんだぜ。今の俺はズル剥けだ」
「お、おう。そうか…」
唐突なズル剥け発言に、ピアスの男は若干引き気味である。
余談だが、日本オナニー最前線はヴォーカルの仮性神、ギターの真性神、ベースの嵌頓神、ドラムの蛸壺女神の4人組であった。
全て仮性神こと亀頭伊織が名付けたステージネームなので、本人達の名誉の為にも本名ではないとだけは説明しておこう。
「俺は岡稔琉って言うんだ。日本オナニー最前線のことは動画で見て知ってた。
単刀直入に言う。俺とバンドやらないか?」
茶髪の、毛先をワックスで遊ばせて耳にもいくつもピアスの穴が開いている。
そんなチャラついた見た目の稔琉が、真面目な表情で伊織を誘った。
稔琉は日本オナニー最前線解散の話をどこかから聞いたらしく、理由はわからないが伊織を本気で勧誘しているらしい。
真剣な眼差しで差し出された手。
伊織はその手を取って握手すると、稔琉を引き寄せて肩を組んだ。
「稔琉氏は何組?可愛い子いたなら教えてくれよ。
パンツはチェックしたか?うちのクラスの黒井さんは名前の通り黒ギャルの黒パンツでクッソエロかったぞ。
あ、ちゃんとパンツ見る時は許可取りからするんだぞ。今の時代はスカートの中を覗くにも合意が必要だからな。
俺はしっかりとパンツを見ても良いですかって質問をして、見せパンだからいーよって絶対に見せパンじゃないパンツを見せて貰ったんだぜ。
俺は思ったね。あの黒ギャルは天界から遣わされた天使なんだって。
だってパンツ見せてくれる上におっぱいもでかいなんて、はっきり言ってノー貞操観念もいいところで…」
バンドとは全然関係のない話を始めた伊織は、稔琉の勧誘に返事をすることなく、夢衣の話と正規ルートのパンツの覗き方をレクチャーして帰っていった。
話に聞いていた通り、本気で掴みどころのない奴だったと溜息を吐いた稔琉は、これからどうやってあの男を口説き落とすかと眉間を抑えて思案するのであった。
口説き落とすと言っても稔琉はBL趣味は一切ないので、“バンドメンバーとして”の意味であるが。
伊織の方は行動を言動を見ればわかるだろうが、言わずもがなだ。
帰り掛けに校舎裏と体育館裏を覗いたら上級生と思われる男女がズキュゥゥゥンしている現場を目撃して青春の1ページにしっかりと焼き付けた伊織。
下校途中にビデオボックスに寄ろうとして制服姿は流石にNGと入店を拒否された伊織は仕方なしに大人しく帰宅した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる