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第1話 はじまり
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あれは25の頃だったな。
俺、槇島霧僧は怪しい保険会社の訪問セールスに貰った宝くじに当選して大金持ちになったんだ。
当選金は何と1等前後賞の5億円。
有名な話だが日本の宝くじは非課税なので5億円を丸ごと手にした俺は、あり余る富をぶん回して遊びまくった。
全然金は減らなかった。
俺みたいな一般庶民では遊ぶって言っても1日で使えるのはせいぜい10万だ。
ギャンブルとかは馬鹿らしくてしなかったし、キャバクラに金を落とすのもしなかった。
1本100万するワインは飲んでみたが、大して旨いと感じなかったし、そもそも酒は付き合いで飲む程度なのでそれ以降は買わなかった。
一番の贅沢と言えばセクシー女優が接客してくれる風俗で嬢をはしごする贅沢な時間を過ごしたぐらいだったな。
あれは夢の様な時間だった…。
沼に嵌りそうで怖いから1度きりにしたけれど…。
結局遊びでは金を使い切れなかった俺は、実家の家を建て替えたり、兄夫婦が住む家を購入したりと家族孝行をして、あとは1億だけ残して近所の土地を購入。
駐車場に改装して、働かなくても恒久的に収入が入る体制を整えた。
そうそう、確かその辺りだったはずだ。
宝くじが当たって、何処から聞きつけたのか訪問セールスと電話でのセールスがめちゃくちゃ増えていたんだが、ある日インターホンが鳴って防犯カメラの映像を確認すると、例の怪しい訪問セールスが立っていた。
俺が宝くじで5億円を手にしたのは偏に、完全に、120%彼女のお陰だったと言って過言ではないだろう。
俺は一言お礼ぐらい言いたいと思い、ついでに保険に加入するのもやぶさかではないと考えて玄関を開けると、その場で彼女に泣きつかれた。
何でも今月の売上が悪過ぎて、最下位になったらクビにすると宣告されているらしかった。
それが事実かどうかは今でもわからないけれど、泣き落としと寝技で保険の加入を迫られた俺は、カミサマ保険という怪しさしか感じない保険会社の商品を購入した。
加入ではなく購入にしたのは、カミサマ保険との関係をこれきりにしたかったからだ。
寝技のテクがヤバすぎて泥沼に嵌る未来しか見えなかったからな…。
俺が購入したのは一括購入で一生涯保証の異世界保険。
完全に冗談だったし、悪ノリだった。
セールス担当からも 「正気ですか…?本当に良いんですか…?」 と心配されたよ。
まあ…な、元は降って湧いたようなあぶく銭だし、あぶく銭はさっさと使い切ってゼロから人生を再スタートするのも悪くないと思ったんだ。
あの時の悪ノリが、まさか39歳アラフォーになって生きてくるとは思わなかったぜ…。
俺の強運には驚くばかりだ。
俺、槇島霧僧は怪しい保険会社の訪問セールスに貰った宝くじに当選して大金持ちになったんだ。
当選金は何と1等前後賞の5億円。
有名な話だが日本の宝くじは非課税なので5億円を丸ごと手にした俺は、あり余る富をぶん回して遊びまくった。
全然金は減らなかった。
俺みたいな一般庶民では遊ぶって言っても1日で使えるのはせいぜい10万だ。
ギャンブルとかは馬鹿らしくてしなかったし、キャバクラに金を落とすのもしなかった。
1本100万するワインは飲んでみたが、大して旨いと感じなかったし、そもそも酒は付き合いで飲む程度なのでそれ以降は買わなかった。
一番の贅沢と言えばセクシー女優が接客してくれる風俗で嬢をはしごする贅沢な時間を過ごしたぐらいだったな。
あれは夢の様な時間だった…。
沼に嵌りそうで怖いから1度きりにしたけれど…。
結局遊びでは金を使い切れなかった俺は、実家の家を建て替えたり、兄夫婦が住む家を購入したりと家族孝行をして、あとは1億だけ残して近所の土地を購入。
駐車場に改装して、働かなくても恒久的に収入が入る体制を整えた。
そうそう、確かその辺りだったはずだ。
宝くじが当たって、何処から聞きつけたのか訪問セールスと電話でのセールスがめちゃくちゃ増えていたんだが、ある日インターホンが鳴って防犯カメラの映像を確認すると、例の怪しい訪問セールスが立っていた。
俺が宝くじで5億円を手にしたのは偏に、完全に、120%彼女のお陰だったと言って過言ではないだろう。
俺は一言お礼ぐらい言いたいと思い、ついでに保険に加入するのもやぶさかではないと考えて玄関を開けると、その場で彼女に泣きつかれた。
何でも今月の売上が悪過ぎて、最下位になったらクビにすると宣告されているらしかった。
それが事実かどうかは今でもわからないけれど、泣き落としと寝技で保険の加入を迫られた俺は、カミサマ保険という怪しさしか感じない保険会社の商品を購入した。
加入ではなく購入にしたのは、カミサマ保険との関係をこれきりにしたかったからだ。
寝技のテクがヤバすぎて泥沼に嵌る未来しか見えなかったからな…。
俺が購入したのは一括購入で一生涯保証の異世界保険。
完全に冗談だったし、悪ノリだった。
セールス担当からも 「正気ですか…?本当に良いんですか…?」 と心配されたよ。
まあ…な、元は降って湧いたようなあぶく銭だし、あぶく銭はさっさと使い切ってゼロから人生を再スタートするのも悪くないと思ったんだ。
あの時の悪ノリが、まさか39歳アラフォーになって生きてくるとは思わなかったぜ…。
俺の強運には驚くばかりだ。
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