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第21話
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「はっ、くしゅん」
チカの地上での知識は、姉から教わったもの。くしゃみが出る時は他人に噂をされているサイン。噂をしている人物にチカはまったく心当たりがない。
「寒いのか」
「平気だ。ありがとう」
人魚が風邪なんてひいたら、笑い話にもならないどころか大丈夫、頭を打ったのかとそっちを心配される。
「なら良い。なんですかね。この人だかり」
寮に通じる何らかの仕掛けか、魔法をが施されている木の周りにたくさんの生徒がいた。動揺の色を全員が見せている。未来予知。スキルがあるからか、チカには人の感情が色になってみえる。不安の色が渦巻いている。不安の色はおもに黄色をベースに作られた色と言われている。チカには人が多すぎて隣同士の色が混ざり合い気持ちが悪くなっていた。顔に出さないように必死に隠しながら、ルダスと一緒に人混みをかき分け先頭に出る。直ぐに理由が分かった。木からは酷い匂い。幹が例えるなら硫酸でもかけたかのように、溶けかかっている。木の前に立て札があった。
木に普通に触れる事なかれ。
立て札には黒字で記載されている。普通に触れる。素手で近付いて触れることだろう。触れる事自体はチカには余裕で触れる。普通に触るな。意味が分からない。魔法を使えば良いのか。何魔法が正解なのか。オリエンテーションで複雑な問題を出すだろうか。単純な問いなのかも知れな、あれ。チカは気が付いた立て札には文字だけではない、絵も描かれている。炎のマーク=風のマーク。水のマーク=氷のマーク。光のマーク=闇のマーク。それぞれのマークの下に人。
「なるほど」
「分かったのですか」
「ルダスは、何魔法が使える」
「風が使えます」
「ルダスは普通の話し方の方が良いな。わたしが炎を使います」
チカの予想が正しければきっと。チカは左手に小さな炎を出した。
チカの地上での知識は、姉から教わったもの。くしゃみが出る時は他人に噂をされているサイン。噂をしている人物にチカはまったく心当たりがない。
「寒いのか」
「平気だ。ありがとう」
人魚が風邪なんてひいたら、笑い話にもならないどころか大丈夫、頭を打ったのかとそっちを心配される。
「なら良い。なんですかね。この人だかり」
寮に通じる何らかの仕掛けか、魔法をが施されている木の周りにたくさんの生徒がいた。動揺の色を全員が見せている。未来予知。スキルがあるからか、チカには人の感情が色になってみえる。不安の色が渦巻いている。不安の色はおもに黄色をベースに作られた色と言われている。チカには人が多すぎて隣同士の色が混ざり合い気持ちが悪くなっていた。顔に出さないように必死に隠しながら、ルダスと一緒に人混みをかき分け先頭に出る。直ぐに理由が分かった。木からは酷い匂い。幹が例えるなら硫酸でもかけたかのように、溶けかかっている。木の前に立て札があった。
木に普通に触れる事なかれ。
立て札には黒字で記載されている。普通に触れる。素手で近付いて触れることだろう。触れる事自体はチカには余裕で触れる。普通に触るな。意味が分からない。魔法を使えば良いのか。何魔法が正解なのか。オリエンテーションで複雑な問題を出すだろうか。単純な問いなのかも知れな、あれ。チカは気が付いた立て札には文字だけではない、絵も描かれている。炎のマーク=風のマーク。水のマーク=氷のマーク。光のマーク=闇のマーク。それぞれのマークの下に人。
「なるほど」
「分かったのですか」
「ルダスは、何魔法が使える」
「風が使えます」
「ルダスは普通の話し方の方が良いな。わたしが炎を使います」
チカの予想が正しければきっと。チカは左手に小さな炎を出した。
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