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公爵家の問題
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カムパネルラ公爵家へ久しぶりに来ている。
リヴィオの一件があってからは、王家が警戒している間は公爵家に近づくなとカムパネルラ公爵であるハリーの意向だった。
あまり王家を刺激したくないということだろう。
「やっと女王陛下も落ち着いたから、二人が出入りしてもいいだろう」
ハリーが少し疲れた顔でそう言う。陛下と相当やり取りしたと見た。
「ご迷惑、おかけしました」
私がそう言うと、首を横に振る。
「いや、こちらこそリヴィオを助けてくれ、礼を言わねばならない。まさかこんなことが起こるとは……」
「オレは王になる気なんて、まったく無いけどな。勝手に王家が盛り上がっていたんだろ」
お茶を飲みつつ、そうリヴィオが言うと長兄のアーサーが睨みつける。
「おまえに無くとも利用されたり疑われたりするんだ!まったく!いつも何かしら問題を持ってくる奴だな。もっと静かに生きれないのか?」
「なんだとー!」
アーサーとリヴィオの言い合いが始まりそうであったが、まあまあとやんわりと口を挟んだのは次男のレオンだった。
「僕がステラ王女と結婚すれば解決でしょう」
さらりと言うレオンの言葉にハリーが額に手を当てた。
息子達、大変ね……とちょっとハリーに同情した。
「だからこそだ!……カムパネルラ公爵家は王家に近づきすぎている。王座を狙ったり王家に入り込もうとしていると思われる。気をつけて行動しろ!」
レオンとリヴィオは肩をすくめる。しかたない弟達をアーサーは苦労人っぽく恨みがましげに見る。
「めんどくせーなー。レオン、おまえが王座を狙えよ」
「アハハハ。リヴィオ、それは乱暴な意見だねぇ。でもごちゃごちゃ周りが言うならそれもいいかもしれないね!」
二人が冗談をとばしていると、控えめにあのぉと言う声がした。
「僕も居るんですけど……陛下に報告するとか思わないんですかね?」
フリッツが居た。リヴィオとレオンとアーサーが似たような笑い方でフリッツに向けてニッと笑った。
私はお茶を思わずゴクッと飲んでしまい、熱かった……その笑い方が3人とも怖いです。
「いえ、なんでもありません」
ひきつるフリッツの顔。
「……フリッツ、お茶のおかわりは?」
「ありがとうございます。頂きます」
「この焼き菓子美味しいわよ」
「あ!ホントですね。しっとりとして程よい甘さがお茶に合いますねー」
私とフリッツは現実逃避をした。
公爵家の男達は円卓を囲み、話をする。
「とりあえず陛下のご機嫌は悪くない。黒龍の守護がリヴィオにあることを知っている者たちもとりあえず……おまえは王に不向きであることはわかってるからな」
ハリーの言い方に、リヴィオはどういうことだよ!?と言う。
「アハハハ!きっと『よりにもよってリヴィオか!』って言われてるねー」
レオンが爆笑した。
「おまえの日頃の行いのせいか?おかげというべきか?」
アーサーはニヤニヤしている。リヴィオだけがムッとして、兄達に末っ子らしく反論できずにいた。
ハリーはお茶を一口飲んでから話をした。
「……カムパネルラ公爵家のこれからの方針について話しておく。王位継承については永遠に放棄する旨の誓約書を書く。レオン、いいな?ステラ王女のために働け。前には出るな。影に徹するようにしろ」
もとよりそのつもりだよとレオンは柔らかく笑う。
「リヴィオ、おまえがしがらみを嫌うのはわかっている。が、王家のために働け。それがカムパネルラ公爵家の立場、セイラさんやナシュレを守ることになる」
リヴィオにそうハリーは言った。やや不満げな表情を浮かべたが、わかってると短く彼は答えた。以前なら口うるさい!と文句を言っていただろう。
その顔は浮かなかった……。
私はナシュレヘ帰ってから、もう一度リヴィオにこの件について尋ねた。
二人だけの空間ではリヴィオは本音を口にした。
「シン=バシュレのように王家に利用されるのは嫌だ」
リヴィオはあまりシン=バシュレについては話さない。話さないということはあまり話したくない内容なのだろうと思い、聞かなかった。
「自分の意に沿わないことを王家から頼まれたり、そのうち他国にも足を踏み入れることになるし、戦うこともあったりするだろう。それにセイラを巻き込みたくない」
祖父は……シンヤ君はそういうことをしてきていたのだと察する。
一人では重すぎるものを一人で抱えてきた。
私はリヴィオの深刻そうな物言いにニッコリと微笑みで返した。それは彼を安心させたかったからだ。だが口調は断固としたものになった。
「思いっきり巻き込んでよ。私はリヴィオのいる扉を開けた時にもう覚悟を決めていたわ」
少し泣きそうな情けない顔しているリヴィオ。以前なら絶対に見せなかった表情はきっとシンヤ君の記憶が影響している。
でもそんな変化があった彼も私は嫌いじゃない。大切にしたいと思っている。
「私も同じ景色を見ていたいの」
シンヤ君、シン=バシュレ……リヴィオと一緒にずっと同じ景色の中に私もいたい。
「ありがとう」
小さい声だったけど、聞こえた。重すぎるものも二人で抱えれば潰されずに済む。
リヴィオの一件があってからは、王家が警戒している間は公爵家に近づくなとカムパネルラ公爵であるハリーの意向だった。
あまり王家を刺激したくないということだろう。
「やっと女王陛下も落ち着いたから、二人が出入りしてもいいだろう」
ハリーが少し疲れた顔でそう言う。陛下と相当やり取りしたと見た。
「ご迷惑、おかけしました」
私がそう言うと、首を横に振る。
「いや、こちらこそリヴィオを助けてくれ、礼を言わねばならない。まさかこんなことが起こるとは……」
「オレは王になる気なんて、まったく無いけどな。勝手に王家が盛り上がっていたんだろ」
お茶を飲みつつ、そうリヴィオが言うと長兄のアーサーが睨みつける。
「おまえに無くとも利用されたり疑われたりするんだ!まったく!いつも何かしら問題を持ってくる奴だな。もっと静かに生きれないのか?」
「なんだとー!」
アーサーとリヴィオの言い合いが始まりそうであったが、まあまあとやんわりと口を挟んだのは次男のレオンだった。
「僕がステラ王女と結婚すれば解決でしょう」
さらりと言うレオンの言葉にハリーが額に手を当てた。
息子達、大変ね……とちょっとハリーに同情した。
「だからこそだ!……カムパネルラ公爵家は王家に近づきすぎている。王座を狙ったり王家に入り込もうとしていると思われる。気をつけて行動しろ!」
レオンとリヴィオは肩をすくめる。しかたない弟達をアーサーは苦労人っぽく恨みがましげに見る。
「めんどくせーなー。レオン、おまえが王座を狙えよ」
「アハハハ。リヴィオ、それは乱暴な意見だねぇ。でもごちゃごちゃ周りが言うならそれもいいかもしれないね!」
二人が冗談をとばしていると、控えめにあのぉと言う声がした。
「僕も居るんですけど……陛下に報告するとか思わないんですかね?」
フリッツが居た。リヴィオとレオンとアーサーが似たような笑い方でフリッツに向けてニッと笑った。
私はお茶を思わずゴクッと飲んでしまい、熱かった……その笑い方が3人とも怖いです。
「いえ、なんでもありません」
ひきつるフリッツの顔。
「……フリッツ、お茶のおかわりは?」
「ありがとうございます。頂きます」
「この焼き菓子美味しいわよ」
「あ!ホントですね。しっとりとして程よい甘さがお茶に合いますねー」
私とフリッツは現実逃避をした。
公爵家の男達は円卓を囲み、話をする。
「とりあえず陛下のご機嫌は悪くない。黒龍の守護がリヴィオにあることを知っている者たちもとりあえず……おまえは王に不向きであることはわかってるからな」
ハリーの言い方に、リヴィオはどういうことだよ!?と言う。
「アハハハ!きっと『よりにもよってリヴィオか!』って言われてるねー」
レオンが爆笑した。
「おまえの日頃の行いのせいか?おかげというべきか?」
アーサーはニヤニヤしている。リヴィオだけがムッとして、兄達に末っ子らしく反論できずにいた。
ハリーはお茶を一口飲んでから話をした。
「……カムパネルラ公爵家のこれからの方針について話しておく。王位継承については永遠に放棄する旨の誓約書を書く。レオン、いいな?ステラ王女のために働け。前には出るな。影に徹するようにしろ」
もとよりそのつもりだよとレオンは柔らかく笑う。
「リヴィオ、おまえがしがらみを嫌うのはわかっている。が、王家のために働け。それがカムパネルラ公爵家の立場、セイラさんやナシュレを守ることになる」
リヴィオにそうハリーは言った。やや不満げな表情を浮かべたが、わかってると短く彼は答えた。以前なら口うるさい!と文句を言っていただろう。
その顔は浮かなかった……。
私はナシュレヘ帰ってから、もう一度リヴィオにこの件について尋ねた。
二人だけの空間ではリヴィオは本音を口にした。
「シン=バシュレのように王家に利用されるのは嫌だ」
リヴィオはあまりシン=バシュレについては話さない。話さないということはあまり話したくない内容なのだろうと思い、聞かなかった。
「自分の意に沿わないことを王家から頼まれたり、そのうち他国にも足を踏み入れることになるし、戦うこともあったりするだろう。それにセイラを巻き込みたくない」
祖父は……シンヤ君はそういうことをしてきていたのだと察する。
一人では重すぎるものを一人で抱えてきた。
私はリヴィオの深刻そうな物言いにニッコリと微笑みで返した。それは彼を安心させたかったからだ。だが口調は断固としたものになった。
「思いっきり巻き込んでよ。私はリヴィオのいる扉を開けた時にもう覚悟を決めていたわ」
少し泣きそうな情けない顔しているリヴィオ。以前なら絶対に見せなかった表情はきっとシンヤ君の記憶が影響している。
でもそんな変化があった彼も私は嫌いじゃない。大切にしたいと思っている。
「私も同じ景色を見ていたいの」
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