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波乗りジョニーがやって来た
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『海鳴亭』の前には海水浴場がある。夏、真っ盛りの今、波乗りに来る人や海水浴に来る親子連れが多い。
サニーサンデーの売店コーナーはカフェ風にもなっていて、海水浴客の人たちも入れるようになっていて、夏の間は大盛況である。
「夏は暑いけど、この雰囲気に元気がもらえるわね」
「そんなこと言うの女将くらいですよー。暑いですよ。もう少し涼しくなってほしいですよ」
スタッフは苦笑してそう言う。そこへジーニーとリヴィオの二人が揃って歩いてきた。手にはサーフボード!?
「ちょっ!?ちょっと!?何よ!?その恰好は!?」
ま、まさか!?
「なんで驚いてるんだ?」
リヴィオは首を傾げる。
「サーフィンするの!?……あ、この世界ではそう言わないわね。えっとー、いえ、そんな意味じゃなくて、そもそもできるの!?」
二人がサーフィンをしてるところなんて見たことない!ジーニーがリヴィオを指さして言う。
「え?リヴィオが波乗りできるって言うから、教えてもらおうと思ってきたんだけど?」
「できるぞ!今日は良い波が来ている!」
そう言うリヴィオは自信がある様子だ。できたっけ?している所、見たことないんだけど?と思いつつ、二人の背中を見送る。
私が午前の仕事をし終えて、お昼になろうという時に、ふと二人がどうしているか気になった。熱を帯びている熱い砂浜を歩いて行く。キャアキャアと海に入って歓声をあげる声が響いている。お昼が近いのでバーベキューをしていて、お肉の焼けるいい匂いをさせているグループもいる。
「あ、いた」
海から出ていて、立っている二人が波のところを見ている。
「どうしたの?」
「おー、セイラ、プロがいる!サーフィン、めちゃくちゃうまいやつがいる!」
リヴィオが指差した方向には波と一体化し、気持ちよさそうにボードに乗る人がいた。ほんとだわ!と私が思っていると、その人は嬉しそうに海水を蹴り上げてザバザバと海から出てきた。
ダークブランの肩ほどまでの髪の毛を一つに束ねて、腕には波を描いたタトゥーをしている。人懐っこい笑みを浮かべている。
「どうだ!?かっこいいだろぉー!?」
リヴィオとジーニーといつの間にか仲良くなっていたらしく、二人に話しかける。
「……ん?こちらの美女さんは?」
「あ、美女じゃないですけど、セイラと言います」
「ジョニーです!いや、美しいですよ。どうです?一緒に波に乗りませんか?」
軽やかにそう言って私の手を握ろうとした瞬間、リヴィオがオイと低い声で言って、手を払い除ける。
「セイラは絶対、サーフインはするなよ!?っていうか、サーフボードに近づくのもやめろ!」
「過保護だなぁ。大丈夫ですって!」
そうジョニーは言うが絶対零度の冷たい目で相手を威圧し、睨むリヴィオ。
「あ、なるほど。そ、そうね。リヴィオの前ではしないようにするわ」
そもそも、異世界にシンヤ君が来る原因になったのが、カホが海でサーフボードにぶつかって溺れて……そうだった。
「いや!一生すんなよ!?」
「落ち着け、リヴィオ、何があった!?」
ジーニーが動揺しているリヴィオを落ち着かせようとする。
「アハハ。こんな彼氏、大変だー!じゃあ、波乗りを見せてあげるから、見てて!」
ジョニーは私たちの様子に笑って、海へと駆けていき、再び波へ乗る。気持ちよさそうである。
「もしかして、リヴィオがサーフィンできるのって、シンヤ君の記憶があるからってこと?」
「今、気づいたのかよ!?シンヤもしていただろ?」
「…………」
「いいんだ……カホの視界に入れてなかったのはわかってる」
ごめんねと思いつつ、フォローできない私だった。
「してみると波乗りもけっこう楽しいな」
ジーニーがもう一回してみようと言う。リヴィオがジーニーは筋が良いよなと褒める。私も羨ましくなりつつも、トラウマになっているリヴィオの前では絶対にしない方がいいと思い、大人しく観客となる。
「美女、どっちが彼氏なの?」
ジョニーがいつの間にか来ている。
「彼氏じゃないわよ。夫です。黒髪の方」
「お、夫!?人妻なのかーーーー!?残念すぎる。でもまたセイラちゃんに会いたいな。会うにはどうしたらいい?うわわああああああ!?」
ゲシッと蹴り飛ばされて、砂浜に倒れるジョニー。海水に濡れたリヴィオがふざけんなよと怒っている。
「なんだ!?こいつ、マジで隙がなさすぎる!人の妻を口説くなよ」
「いいじゃないかー!?口説くのはタダだろー!?」
ジョニーは涙目であった。波乗りしてる時は素人の私だってわかるくらい凄い腕前なのに、陸に上がるとちょっと残念な人になるらしい。
その後、度々、海で見かけるようになるのだが、リヴィオが言った。
「あいつ、絶対、ミズサワの転生者だと思う!」
カホの頭にボードを当てたクラスメイトのミズサワ君のことだと気づく。
「おまえ、知らないかもしれないけど、ミズサワはカホを狙っていた!オレというか、シンヤが阻止しまくってやったけどな!」
「なにしてんのよ……そして今、ここで、それをカミングアウトするの!?」
それ転生してから言うの!?どこか得意げな彼に私は呆れたのだった。
サニーサンデーの売店コーナーはカフェ風にもなっていて、海水浴客の人たちも入れるようになっていて、夏の間は大盛況である。
「夏は暑いけど、この雰囲気に元気がもらえるわね」
「そんなこと言うの女将くらいですよー。暑いですよ。もう少し涼しくなってほしいですよ」
スタッフは苦笑してそう言う。そこへジーニーとリヴィオの二人が揃って歩いてきた。手にはサーフボード!?
「ちょっ!?ちょっと!?何よ!?その恰好は!?」
ま、まさか!?
「なんで驚いてるんだ?」
リヴィオは首を傾げる。
「サーフィンするの!?……あ、この世界ではそう言わないわね。えっとー、いえ、そんな意味じゃなくて、そもそもできるの!?」
二人がサーフィンをしてるところなんて見たことない!ジーニーがリヴィオを指さして言う。
「え?リヴィオが波乗りできるって言うから、教えてもらおうと思ってきたんだけど?」
「できるぞ!今日は良い波が来ている!」
そう言うリヴィオは自信がある様子だ。できたっけ?している所、見たことないんだけど?と思いつつ、二人の背中を見送る。
私が午前の仕事をし終えて、お昼になろうという時に、ふと二人がどうしているか気になった。熱を帯びている熱い砂浜を歩いて行く。キャアキャアと海に入って歓声をあげる声が響いている。お昼が近いのでバーベキューをしていて、お肉の焼けるいい匂いをさせているグループもいる。
「あ、いた」
海から出ていて、立っている二人が波のところを見ている。
「どうしたの?」
「おー、セイラ、プロがいる!サーフィン、めちゃくちゃうまいやつがいる!」
リヴィオが指差した方向には波と一体化し、気持ちよさそうにボードに乗る人がいた。ほんとだわ!と私が思っていると、その人は嬉しそうに海水を蹴り上げてザバザバと海から出てきた。
ダークブランの肩ほどまでの髪の毛を一つに束ねて、腕には波を描いたタトゥーをしている。人懐っこい笑みを浮かべている。
「どうだ!?かっこいいだろぉー!?」
リヴィオとジーニーといつの間にか仲良くなっていたらしく、二人に話しかける。
「……ん?こちらの美女さんは?」
「あ、美女じゃないですけど、セイラと言います」
「ジョニーです!いや、美しいですよ。どうです?一緒に波に乗りませんか?」
軽やかにそう言って私の手を握ろうとした瞬間、リヴィオがオイと低い声で言って、手を払い除ける。
「セイラは絶対、サーフインはするなよ!?っていうか、サーフボードに近づくのもやめろ!」
「過保護だなぁ。大丈夫ですって!」
そうジョニーは言うが絶対零度の冷たい目で相手を威圧し、睨むリヴィオ。
「あ、なるほど。そ、そうね。リヴィオの前ではしないようにするわ」
そもそも、異世界にシンヤ君が来る原因になったのが、カホが海でサーフボードにぶつかって溺れて……そうだった。
「いや!一生すんなよ!?」
「落ち着け、リヴィオ、何があった!?」
ジーニーが動揺しているリヴィオを落ち着かせようとする。
「アハハ。こんな彼氏、大変だー!じゃあ、波乗りを見せてあげるから、見てて!」
ジョニーは私たちの様子に笑って、海へと駆けていき、再び波へ乗る。気持ちよさそうである。
「もしかして、リヴィオがサーフィンできるのって、シンヤ君の記憶があるからってこと?」
「今、気づいたのかよ!?シンヤもしていただろ?」
「…………」
「いいんだ……カホの視界に入れてなかったのはわかってる」
ごめんねと思いつつ、フォローできない私だった。
「してみると波乗りもけっこう楽しいな」
ジーニーがもう一回してみようと言う。リヴィオがジーニーは筋が良いよなと褒める。私も羨ましくなりつつも、トラウマになっているリヴィオの前では絶対にしない方がいいと思い、大人しく観客となる。
「美女、どっちが彼氏なの?」
ジョニーがいつの間にか来ている。
「彼氏じゃないわよ。夫です。黒髪の方」
「お、夫!?人妻なのかーーーー!?残念すぎる。でもまたセイラちゃんに会いたいな。会うにはどうしたらいい?うわわああああああ!?」
ゲシッと蹴り飛ばされて、砂浜に倒れるジョニー。海水に濡れたリヴィオがふざけんなよと怒っている。
「なんだ!?こいつ、マジで隙がなさすぎる!人の妻を口説くなよ」
「いいじゃないかー!?口説くのはタダだろー!?」
ジョニーは涙目であった。波乗りしてる時は素人の私だってわかるくらい凄い腕前なのに、陸に上がるとちょっと残念な人になるらしい。
その後、度々、海で見かけるようになるのだが、リヴィオが言った。
「あいつ、絶対、ミズサワの転生者だと思う!」
カホの頭にボードを当てたクラスメイトのミズサワ君のことだと気づく。
「おまえ、知らないかもしれないけど、ミズサワはカホを狙っていた!オレというか、シンヤが阻止しまくってやったけどな!」
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