清らかなのに、時々もう一つの人格“クズ“がやってきます...

田口 光✒︎————

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公国から旅立ちたい

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それは、勇気が無いわたしにだから救いと思える人格。

だから、わたしはわたしを探すため、この公国から離れて冒険に出てみたいと思ったのでした。

それで、王様であるお父様に冒険に出たと言ったのですが......

「却下に決まっておる」

即答でそう告げられてしまいます。

だから、もう一人のチェムリー、今日も助けて!

(え?)

お願い......

(うん?ちょっとは努力をして欲しんだけど?)

そんな...

(頼りすぎるとそれこそ私になってしまうけど?いいの?)

それでも......

(じゃあ?ちょっと私の真似してみてよ、そしたら考える)

ええ!?
ちょっと無理なんじゃないかな?

(やっても無いのに無理とか言うのは早いんじゃないの? まあ、そう言うことだから頑張ってね!)

..........
確かにもう一人のチェムリーが言ってる事は間違いでも無い.....

そうだね......
やっても無いのに決めつけちゃダメだよね。

「父上...妾は旅に出てもっといろんな事を知りたいのじゃ」

「は?」

「え?」

(ぷはははは...今のは無いね!何処ぞの悪女様ってそりゃ~なるよね!)

もう...真面目にやってるんだから笑わないでよ......

「だから止めないでくれるかな?」

「.........しかし、オマエの身に何かあったら、ワシは...ワシは...」

お父様......

「それは心配ご無用です」

「ショウ!いつからおったんじゃ!?」

お兄様......

「いや最初からいましたけどね.....それよりもチェムリーの旅に我が護衛として着いていくなら身の安全は確保できるでしょう(我としても、今のチェムリーはみすみす放って置けんし...)」

「確かにそうじゃが...しかしの.....」

「兄者もこう言っておるのじゃ!だから良いではあろう?」

「兄者とはなんだ...けどいいだろう!兄として我がオマエをバックアップしてやろう」

「まあ、ショウがそこまで言うのなら.......」

「決まりじゃな...では、明日にはこの公国を出て東に行くとするかの...それで構わないか?兄者よ」

「兄者は余計だが、まあいいだろう...今回は特別に従ってやるよ」

「き、気をつけて行ってくるのじゃぞ?」



やった!
わたしでも上手く......
そう思わない?もう一人のチェムリー?

(ん?王様の王冠が大きいのはハゲを隠すためかそうではないかの話だっけ?)

ちっ違うよ!
それに、ハゲてないもん...多分.......

(ところでさ?なんで妾だったのかな?チェムリー的には“わたし“で統一して欲しかったんだけどね!)

ああごめん
つい、この前読んだ物語のヒロインに影響して......

(ふん?ねえねえ?もう一回やってよ!)

二度とやらないよ。
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