[完結] 伴侶は自分で選びます。

キャロル

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14 違和感

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__カラン__

東国の人気魔道具店の扉が開いた。

鍵は開けてあったがまだ開店前だ、開店の看板も出してないから客が入ってくる訳ないが何かあったのかと不思議に思い奥で店の準備をしていたが俺はトーヤ店内に向かった。

驚いた!店の真ん中にリリィが居た、ここはリリイの店だから、何も不思議ではないのだが、しばらく帰れないと言っていたはずだが、帰るにしても連絡もなしに帰ってくるなんて、……しかも…様子が変だ!…泣い…てる?

「おい!リリィ、何があった?どうした?…向こうで何かあったのか?」

聞いても、何も答えず、ただただ、泣きじゃくるリリィを抱きしめて子供をあやすように背中を撫でながら、落ち着くのを待ち、店の鍵を閉め奥の応接室に移動した。

いつも大人びた口調で俺をこき使い容赦なく毒を吐き、大きな瞳をキラキラさせてる明るく元気なリリィをこんな様子にさせる何かがあったんだろう萎れた花のように下を向き思い詰めた表情は見てるこっちが辛くなる。

「少し、落ち着いたか?どうした?リリィ」

ポンポンと頭に手を置き顔を覗き込んだ。真っ赤に腫らした目をこちらに向けて情けない顔してポツリ、ポツリと話し出した。
自分リリィが今はないクインズ王国の王族の生き残りで母が父と兄の命を奪ったレイ王国の王弟の番だった事、

その息子と甥の2人の番が自分リリィだという事、

ずっとのに憎みきれなかった事、

母から見た過去の真実を怖くて聞けなかった事、

番だという2人の側が居心地いいと感じた自分にを感じてしまった事、

自分の存在は周りを不幸にしてるように感じた事、

リリィの話を聞いて一つ疑問に思った事があった。確かに親を殺されたら理由はどうであれ恨みに思うのは当然だが、あの頃は俺も当時は10歳だったから、詳しくは知らないがクインズ王国が混乱の最中に王族が滅びレイ王国が統治し安定したと聞いた事がある、当時僅か5歳のリリィがなぜこれ程強い憎悪を抱いているのか『憎んでいなければならない』と言った事に違和感を感じた。……少し調べる必要がありそうだな。

「リリィ、そんなに自分を責めるな!お前はちっとも悪くないじゃないか、むしろ命を救ったんだ!胸をはれ!恨みつらみに囚われていては、救える命も救えなくなる。_所で、少し確認したい事があるんだが、答えたくなかったら答えなくていいが、2、3聞いてもいいか?」

「うん、いいよ、」

「リリィは父と兄が王弟に殺されたと言っていたが、その話を誰から聞いた?」

「…、12歳の時に索敵魔法が仕えるようになって、私を城から連れ出した従者がどうなったか気になって探して会いに行ったの、その時聞いた話ではレイ王国の王弟が一方的に残虐な方法で父と兄を殺し国を滅ぼして母を連れ去ったと、憎むべき倒すべき敵でリリアンナにはその力倒すがあるから、憎しみは忘れるなって……時が来たら…なんて言っていたかな?何か言ってたけど、……そうだ!王女としての役目を果たすようにと言っていた……役目って?…なんだろう?」

「……リリィの父と兄を殺したのは本当に王弟殿下か?」

「…?…そうよ!だって、本人も言っていたわ、命を奪うことになったって、……それって殺したって事でしょ?」

「…そうだが、……違う場合もある、…奪う原因になったが殺したのは、……どちらにせよ王弟はその場にいたことは間違いないから、命を奪ったのは自分だと言ったんじゃないか?俺はあの王弟がリリィの従者が言うような残虐な方法を取ったとは思えないんだ、とても温厚だと言われているし、怒りで自制が効かなかったとしても命まで奪うだろうか?今となっては真実を知る者はリリィの母と王弟殿下しか居ないだろうが、……実際王弟殿下に会って見てどうみえた?」

「……王弟殿下はとても穏やかで優しい方だった。母の為に迷わず私に頭を下げて、王族なら命令できるのにしなかった。床に膝をつけ頭を下げたの……あの2人は愛に溢れていた。」

「そうか……」

やはり腑に落ちないな、ただの愛憎からくる出来事とは思えないむしろ、利用されたんじゃないか?今の段階では単なる憶測でしか無いが、このままではいつまで経ってもリリィは過去に囚われたままだ。

この国東国はリリィに助けられた者が大勢いる、みんなリリィを大切に思っているから喜んでリリィの幸せな未来の為といえば協力してくれるだろう。特に国王は事実に近い情報を持っているかもしれないな。


「リリィが不在の間にギルドの依頼が溜まってたんだ、帰ってきたんなら、店の方はリリィに任せて俺はギルドの案件片付けに行っていいか?まぁ2日はゆっくりしていいが、その後はしっかり働けよ!例の国王の依頼も溜まってるからな!」

バン!と背中を叩き気合を入れた。

イタッ!と言いながら、強ばっていた顔がいつもの生意気なリリィの顔になっていた。

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