[完結] 伴侶は自分で選びます。

キャロル

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26 兄との新しい?生活

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久しぶりの我が家です。

今日から兄とルビーとの生活が始まりました。

「お兄様、まず、国王に謁見を申し込んで、ある程度は事情をご存知でしょうが、今後を考えて東国に籍を置いてもらいましょう。」

「そうだね、私の見た目は子供だが魔力と魔法の実力は大人並みなだからギルドに登録して、トーヤさんと依頼をこなし実戦で力をつけることにしようかな。この体は魔法によって時間が止められていたから、解除された今、その成長スピードは普通より早いような気がするんだよ。もしかしたら、実年齢23歳までの成長は早いかもしれないから、あまり他の人には会わないようにしようかな。」

「そういえば、昨日より成長してますよね、体は痛みとかないんですか?」

「うん、痛みはないけど、洋服が、…ほら、これももう小さいし、私の予想では3、4年でほぼ実年齢になりそうだから、早めに年齢ごとの洋服揃えてくれる?」

「ええ、わかったわ、実際年齢って見た目ではわからないし、私もこの見た目のままでいつの間にか200歳になっていそうだし、…まぁ、でも体は大人の方が動きやすいから、早く大人の体になって欲しいわ。」

と2階のリビングでお茶しながら今後の話を兄としていたら、今日の店番担当のトーヤさんから念話が届いた。

『リリィ、ルーファスと一緒に店の方に来てくれ!2人に客人だ』

『客?お兄様も?一緒に?』

『ああ、とにかく、最短で来い!』

『わかった。』

最短って転移でしょ!兄の手を握り店の奥に転移してトーヤさんの所に向かうとそこには、ニコニコと面白いおもちゃ見つけた子供のように楽しそうな顔した……ジィさ…国王様がいた。

「おお、リリィ無事に帰ってきたなーよきよき。其方の兄も見つかったしのう、兄妹揃って竜の番と聞いておったから、もしや今度こそレイ王国から帰ってこぬとおもっておったぞ!我にとっては吉報じゃが、…よかったのか?2人は番から離れてなもかまわぬのか?」

よかったのかと聞きながら、絶対面白がっているくせに、それにこの国は獣人を拒絶してるのに…拒絶してるから面白がっているのかな?

「きちんと向こうには話をしてあります。お兄様はまだ見た目は子供ですし、番は赤ちゃんです。私の番の1人もまだ子供ですし…グラシオスとは…色々あるんですよ。とにかく今のところ婚約も結婚も考えていません。せっかくお兄様と会えたんです、家族水入らずお兄様とルビーの生活を楽しみにしてるんです。」

「そうか、リリィがそれで良いのなら、我は構わぬしこの国にいてくれるなら嬉しい限りだ!兄も加わった事で新しい魔道具もできるであろうなぁ、楽しみが増えたまだまだ死ねぬなぁ、ワハハハ」

いや、あんた、殺しても死なないよ、間違いない。なんて口に出したら流石に不敬だから飲み込んでおこう。

「それより国王様、今日はどんな御用向きで?」

「おお、肝心なこと忘れておった、ほれ、これじゃ。」

渡された封筒の中には書類が…。

「こ、これは、国民証!お兄様の国民証ですね。ルーファス=ダンテ?ダンテ?」

「本人の許可取らず申し訳なかったが、リリィの実の兄であるのだからこれが1番いいとダンテ侯爵と話をつけておいた。事情も知っておるのだし、問題なかろう?ダンテ侯爵は息子ができたと喜んでおったぞ!今回のことで心配していたから落ち着いたら顔見せに行ってやれ」

「お父様が、…はい…そうします。「ありがとうございました。」」

「リリィを育ててくれた恩人が私の父と母になるのですね。私たちはこれからたくさん親孝行しなければいけませんね。リリィ」

「そうね、お父様とお母様には返し切れないほどのたくさんのご恩があるもの。愛情いっぱい育ててくれたわ、私の剣の師匠でもあるお父様はお兄様にとってもいい剣の師匠になると思うわ、お父様のところに利用者限定の転移魔法陣を地下に設置すればいつでもお父様に剣技指導受けられるわ。」

「「国王様、ありがとうございます。」」

「うむ、我の方こそ助かる。我にとってリリィは娘のようなものだ!遠慮するな。」

「ありがとうございます、私にとっても国王様はのような方ですから」

「……、わかった。孫だ孫。爺で良い。」

「さすがはお爺様、話が早くて嬉しいです。これからも宜しく(ご贔屓に)お願いします。」

こちらからお願いすべきことを先に手配してくれていたことに有り難いと思いつつ、この国の国王はこんなに気軽に出てきてのんびりこんなところでお茶して大丈夫なのか?用が済んだら帰るかと思ったら、しっかり次の魔道具のオーダーしがてらダラダラと夕刻まで店にいた。

一日国王不在でも大丈夫なのか?王太子の苦労がうかがわれる。



賑やかな時間もあっという間にすぎ、よるベットに入るとふと、グラシオスの悲痛な顔が思い出され、ツキリと胸が痛んだ。

傷つけたいわけじゃなかったが、結局は傷つけた。たった一言あいしてるが聞きたいという我儘のために傷つけた。

出発前に顔を出さなかったのがその証拠、どんなに突っぱねても今まではめげずに笑顔で側にいたのに、あの笑顔を奪ってしまった今回は相当傷つけた。

私は彼の胸に素直に飛び込みたい気持ちにブレーキをかけた。

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