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番外編 皇太子マクミランの受難
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「母上は…なぜ、ここに?」
私がヴィーに夢中になっていてこんなに近くに母がいることに気がつかなかったのか?音も気配も全く感じなかった。
ある程度訓練されていたはずなのに
「え?私は視察よ!当然仕事に決まってるじゃない。他にどんな理由があるの?」
絶対違う、あの母が視察?しかも植物園を?ありえない……絶対、揶揄う為だ!折角気持ちが伝わり…いい雰囲気でだったのに…私の恋を応援してるのか邪魔してるのか、そもそも息子のデートに親乱入とか意味がわからない、タチ悪いだろ……それより…まさかと思うが…あれは間違いない…おそらく……。
「母上?あの…母の隣にいる…従者は…父上ですよね!…皇帝と皇妃が揃いも揃って何やってんですか!」
「え?やっぱりわかっちゃった?うまく従者に変装できてたと思うんだけどな~」
わからない訳ないじゃないか、そんなに距離の近い従者がいる訳ないだろ?近すぎなんだよ!
「わかりますよ、大体母上を護衛がいるとはいえ1人で城から出すと思えませんからね!それよりせっかくヴィーに私の思いを受け入れてもらえて婚約の承諾取れたいい雰囲気を……、邪魔しといて、私の前でイチャイチャしないでくださいよ!」
お爺様も父もだが兎に角、妻が好きすぎて時間があれば(なくても)常に側にいる、単独で外出などさせるわけがない!
同じ血を受け継ぐ私もおそらくそうなるだろうが、その中で特に父は軍を抜いて母を溺愛している。
常に母にへばり…つきまと…一緒にいてベタベタまとわりついては怒られている。
今も私の……私の…キスを邪魔しといて、イチャコラしてる。
そういう私もヴィーと心通わせた今はしっかり後ろから抱きしめてるけどね。
「イチャ…これは…私にはどうにもできない、不可抗力よ!とりあえずこれはいない者として無視していいわ、それよりヘタレのお前がヴィオラに婚約の話を受けて貰えたのは僥倖よ!ヘタレは撤回しよう!早速レティア様にお知らせしなければ、ふふ、……そうだ!ヴィオラ、この子を受け入れてくれてありがとう。マクミランは少々ヘタレな所があるが間違いなく一途に愛してくれるわよ(重すぎるが、まぁヴィオラなら…鈍いから問題ないかな)よろしく頼みますよ。」
「はい、私の方こそいつもマックには助けられてます、こちらこそよろしくお願いします。」
「ヴィオラ、デート中にお邪魔してごめんなさいね、じゃぁ、私たちは退散するから、ここのスイトピーも綺麗だから見て回るといいわ、マック、今日は…夕食は早めにとる予定だから、…気をつけて帰ってくるのよ。」
「「はい」」
何かあったかもしれない、この後噴水公園に行ってから食事して帰る予定だったことを母は知っているから、…今いる植物園は安全だが、それ以外は寄らずに帰れという事なのだろう。
何かしら調べる為に出てきたのは本当のようだが、半分は私をからかいたくてきたのだろう。
___皇妃執務室__
「マイロ、報告を」
「は!殿下はあの後皇妃様おすすめのスイトピーエリアでデレデレと緩み切ったお顔でヴィオラ様と散歩をされながら時折耳元で愛を囁き頬にキスされてました。いやーその時のヴィオラ様の恥ずかしそうに俯くお姿のお可愛らしい事、皇妃様にお見せしたかったですよー」
「く~!それは是非見たかったわ。……いや、今聞きたいのはその事ではないわ!息子のデレた姿の報告じゃなくあっちの報告よ!」
「ハハハハ、わかってますよ!」
「………、早くしなさい!ルベルが来る前に聞きたいから、彼が来ると話が…進まなくなるし……」
「そうですね、流石に上司のイチャコラを目の前で見せられるのは…勘弁ですから…」
「…わかってるなら、早く話しなさい!」
「は! 件の令嬢は自作で書いた物語の主人公が自分だと思い込んでいるようです。本人は学園に通う3年間を前世のゲームで体験したと申しておりまして…この世界はそのゲームの中の世界で自分の為に作られた世界だと…言っていました。そして自分が皇太子の真実の愛の相手で未来の皇妃だと……後はギャーギャーと騒ぎリセット?運営?モブ?バグ?などとなんとなく意味はわかりますが、聞き慣れない単語を喚き散らしておりました。おそらく、リセットはやり直し、運営は何らかの組織、バグは不可解または壊れるという意味合いがありそうですが、モブは…わかりませんでした。後、その物語の登場人物名は概ね実在するものが殆どですが、一部レンフルー王国の登場人物に誤りがありました。その物語がこちらです。」
「ほうー、『真実の愛は運命と共に~寵愛に溺れる』……何やらすごいタイトルね…内容は?」
「はい、簡単に言えば、ほぼ平民に近い下級貴族の令嬢が学園に入学して高位貴族の令息を次々虜にして皇太子殿下も籠絡させ嫉妬した皇太子の婚約者と取り巻きの令嬢にいじめられるが健気に頑張る姿についに皇太子は卒業式に婚約者を断罪して婚約破棄、破棄された令嬢は最果ての修道院に送られその後男爵令嬢と結婚してめでたし~…とまぁこんな話なんですが、登場人物の名前の中で皇太子の婚約者の名前がヴィオラ=グランハム公爵令嬢という名前なのが引っかかりまして、」
「そうね、内容は陳腐で非現実的な内容だけど、その名前は気になるわね、クラウス陛下が国王になる前の家名なのよね~その家名は使われていないけど領地はそのままの名前で陛下の家臣に褒賞として譲渡されていることは貴族だったら知っているはずだしヴィオラが王女で母親がラグラン皇国の皇女だということはこの国のものなら平民でも知っているはずなんだけど…」
「私もそこが引っかかっていまして、この令嬢はヴィオラ王女が公爵令嬢だと思い込んでいまして、兎に角話が全く通じませんので、尋問官も困り果てていました。」
「……確かに、私も実際見たけど、話に聞いてたより強烈だったわ、あれは…ない…ルベルなんかドン引きで自分なら吐くって言ってたし…あれに付き纏われている息子に同情したわよ。」
「…同情…_という割に笑っていらっしゃったじゃないですか」
「……む、それは…あれよ…マックの百面相が面白かったから?……コホン…えーと、詳細報告は明日書面で提出してちょうだい、後は引き続き監視を続けて!」
「御意」
私がヴィーに夢中になっていてこんなに近くに母がいることに気がつかなかったのか?音も気配も全く感じなかった。
ある程度訓練されていたはずなのに
「え?私は視察よ!当然仕事に決まってるじゃない。他にどんな理由があるの?」
絶対違う、あの母が視察?しかも植物園を?ありえない……絶対、揶揄う為だ!折角気持ちが伝わり…いい雰囲気でだったのに…私の恋を応援してるのか邪魔してるのか、そもそも息子のデートに親乱入とか意味がわからない、タチ悪いだろ……それより…まさかと思うが…あれは間違いない…おそらく……。
「母上?あの…母の隣にいる…従者は…父上ですよね!…皇帝と皇妃が揃いも揃って何やってんですか!」
「え?やっぱりわかっちゃった?うまく従者に変装できてたと思うんだけどな~」
わからない訳ないじゃないか、そんなに距離の近い従者がいる訳ないだろ?近すぎなんだよ!
「わかりますよ、大体母上を護衛がいるとはいえ1人で城から出すと思えませんからね!それよりせっかくヴィーに私の思いを受け入れてもらえて婚約の承諾取れたいい雰囲気を……、邪魔しといて、私の前でイチャイチャしないでくださいよ!」
お爺様も父もだが兎に角、妻が好きすぎて時間があれば(なくても)常に側にいる、単独で外出などさせるわけがない!
同じ血を受け継ぐ私もおそらくそうなるだろうが、その中で特に父は軍を抜いて母を溺愛している。
常に母にへばり…つきまと…一緒にいてベタベタまとわりついては怒られている。
今も私の……私の…キスを邪魔しといて、イチャコラしてる。
そういう私もヴィーと心通わせた今はしっかり後ろから抱きしめてるけどね。
「イチャ…これは…私にはどうにもできない、不可抗力よ!とりあえずこれはいない者として無視していいわ、それよりヘタレのお前がヴィオラに婚約の話を受けて貰えたのは僥倖よ!ヘタレは撤回しよう!早速レティア様にお知らせしなければ、ふふ、……そうだ!ヴィオラ、この子を受け入れてくれてありがとう。マクミランは少々ヘタレな所があるが間違いなく一途に愛してくれるわよ(重すぎるが、まぁヴィオラなら…鈍いから問題ないかな)よろしく頼みますよ。」
「はい、私の方こそいつもマックには助けられてます、こちらこそよろしくお願いします。」
「ヴィオラ、デート中にお邪魔してごめんなさいね、じゃぁ、私たちは退散するから、ここのスイトピーも綺麗だから見て回るといいわ、マック、今日は…夕食は早めにとる予定だから、…気をつけて帰ってくるのよ。」
「「はい」」
何かあったかもしれない、この後噴水公園に行ってから食事して帰る予定だったことを母は知っているから、…今いる植物園は安全だが、それ以外は寄らずに帰れという事なのだろう。
何かしら調べる為に出てきたのは本当のようだが、半分は私をからかいたくてきたのだろう。
___皇妃執務室__
「マイロ、報告を」
「は!殿下はあの後皇妃様おすすめのスイトピーエリアでデレデレと緩み切ったお顔でヴィオラ様と散歩をされながら時折耳元で愛を囁き頬にキスされてました。いやーその時のヴィオラ様の恥ずかしそうに俯くお姿のお可愛らしい事、皇妃様にお見せしたかったですよー」
「く~!それは是非見たかったわ。……いや、今聞きたいのはその事ではないわ!息子のデレた姿の報告じゃなくあっちの報告よ!」
「ハハハハ、わかってますよ!」
「………、早くしなさい!ルベルが来る前に聞きたいから、彼が来ると話が…進まなくなるし……」
「そうですね、流石に上司のイチャコラを目の前で見せられるのは…勘弁ですから…」
「…わかってるなら、早く話しなさい!」
「は! 件の令嬢は自作で書いた物語の主人公が自分だと思い込んでいるようです。本人は学園に通う3年間を前世のゲームで体験したと申しておりまして…この世界はそのゲームの中の世界で自分の為に作られた世界だと…言っていました。そして自分が皇太子の真実の愛の相手で未来の皇妃だと……後はギャーギャーと騒ぎリセット?運営?モブ?バグ?などとなんとなく意味はわかりますが、聞き慣れない単語を喚き散らしておりました。おそらく、リセットはやり直し、運営は何らかの組織、バグは不可解または壊れるという意味合いがありそうですが、モブは…わかりませんでした。後、その物語の登場人物名は概ね実在するものが殆どですが、一部レンフルー王国の登場人物に誤りがありました。その物語がこちらです。」
「ほうー、『真実の愛は運命と共に~寵愛に溺れる』……何やらすごいタイトルね…内容は?」
「はい、簡単に言えば、ほぼ平民に近い下級貴族の令嬢が学園に入学して高位貴族の令息を次々虜にして皇太子殿下も籠絡させ嫉妬した皇太子の婚約者と取り巻きの令嬢にいじめられるが健気に頑張る姿についに皇太子は卒業式に婚約者を断罪して婚約破棄、破棄された令嬢は最果ての修道院に送られその後男爵令嬢と結婚してめでたし~…とまぁこんな話なんですが、登場人物の名前の中で皇太子の婚約者の名前がヴィオラ=グランハム公爵令嬢という名前なのが引っかかりまして、」
「そうね、内容は陳腐で非現実的な内容だけど、その名前は気になるわね、クラウス陛下が国王になる前の家名なのよね~その家名は使われていないけど領地はそのままの名前で陛下の家臣に褒賞として譲渡されていることは貴族だったら知っているはずだしヴィオラが王女で母親がラグラン皇国の皇女だということはこの国のものなら平民でも知っているはずなんだけど…」
「私もそこが引っかかっていまして、この令嬢はヴィオラ王女が公爵令嬢だと思い込んでいまして、兎に角話が全く通じませんので、尋問官も困り果てていました。」
「……確かに、私も実際見たけど、話に聞いてたより強烈だったわ、あれは…ない…ルベルなんかドン引きで自分なら吐くって言ってたし…あれに付き纏われている息子に同情したわよ。」
「…同情…_という割に笑っていらっしゃったじゃないですか」
「……む、それは…あれよ…マックの百面相が面白かったから?……コホン…えーと、詳細報告は明日書面で提出してちょうだい、後は引き続き監視を続けて!」
「御意」
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