31 / 31
番外編 皇太子マクミランの受難
しおりを挟む
「殿下、今日はやけにご機嫌ですね。というよりそのだらしない顔やめて貰えませんか!ちょっと気持ち悪いです。」
「なんだと!マイロ!いくらお前でも気持ち悪いは言い過ぎだろ?…確かに…ふふ、…緩んだ顔してるのは認めるが…ふふ、ついにヴィーと正式に婚約する事ができたんだぞ!いいじゃないか少しぐらい緩んだって…しっかり政務はこなしてるだろ?逆にいつもより捗ってるじゃないか!気になるならこっちを見るなよ!」
「……まぁ、確かに…そうなんですけどね、ヴィオラ様にお気持ちが通じて浮かれたい気持ちはわかりますが…ぐふっ!とか、ムフっ!とか頻繁に聞こえると見たくはないですが流石に目が行きます、顔は…しょうがない…あきらめましょう、ですがその口から漏れる気持ち悪い声は控えてください!」
「……そこまで…言わなくても…いいじゃないか……、わかった…善処する」
相変わらず辛辣な奴だな、こいつが優秀だから返す言葉もないのが悔しいが、長年の片思いが報われたんだぞ!そこは喜びを分かち合う所だろ?全くマイロと話しているとまるで母上と話をしてるようだ!以前は母上の部下だと言っていたが…辛辣さが似ている、きっと母上が男だったら、こんな感じじゃないか?
いや、母上が男だったら……ブル!…考えるのはやめよう、ただ、間違いなく父上とは女性の好みが違うのは確かだという事だ…。
………皇妃としての母上は完璧だ!人心収攬、政治手腕は父上に引けを取らない能力を持っていて尊敬しているが……それは結婚してから発揮された能力で…結婚前はレティア王妃様の侍女だったと聞く……元から歯に衣をきせぬ物言いだったらしいがこんな辛辣な母上のどこに父上は惚れたんだろう?
「そういえば、殿下はもうすぐ卒業ですが、ヴィオラ様に飛び級の話をされて断られたらしいですね!」
「ぐ!…なんでそれを…ヴィーには断られてはいない!2年飛び級して一緒に卒業する事は叶わなかったが…1年飛び級してくれることになった、……一応、皇子妃教育もあるし……成績も優秀で既に卒業に必要な単位は1年目取得していたからな!それにヴィーは承諾してくれたのに…婚約発表の後の披露宴で母上に邪魔されたんだ!」
____婚約披露宴会場の皇族席にて____
「ヴィオラ、私は今日この日を迎えることができてどんなに幸せか、これからは私のことをおば様ではなく、おかあ様って呼んでくれるかしら、」
「はい!…お、おかあ様…」
「あー、もう、なんて可愛いのーヴィオラが娘になってくれる決心をしてくれたなんて嬉しいけどマクミランにはもったいないわね!いいの?ほんとに?」
「え!あ、」
「母上!なんてこというんですか!いいに決まってるじゃないですか!それにヴィーは飛び級して私と一緒に卒業して半年後には結婚するんですから!」
「飛び級?卒業?すぐ結婚?……マック…いつも言ってるでしょ、寝言は寝て言えと……そんなこと許可しません!ヴィオラはまだ16歳です。どんなに早くても18歳になるまでは結婚の許可は出しません、ですから飛び級は却下です!」
「…(くそ、母上はヴィーに関しての事は言い出すと聞かないからなぁ)ですが、既にヴィーは卒業資格を得てますし、皇子妃教育もあります。結婚は……準備もありますから…18歳まで…待ちますが、卒業は私と一緒でもいいと思いますが」
「…うーん、将来の皇妃としての教育ねぇ、確かに学園と両立は負担があるわねぇ」
「(よし、もう一押しかな、)そうですよ、将来の皇妃として母上から主外国の要人について学ぶことがたくさんありますからね」
「……マック、…ふ!…まだまだ、青いな!…ヴィオラは王族よ!その辺の貴族のバカ娘と一緒にしてはいけないよ!語学は主要5ヵ国語は勿論、各国の要人我が国の貴族名鑑は既に頭に入っている、皇子妃教育?そんなもの必要ないくらい優秀なことはお前が1番よく知っているんじゃないの?そんな小細工しないで素直に側に置きたいからと言えばいいものを、…却下だ!」
そうだ!レンフルー国王のクラウス様の言うことなら聞いてくれるかも、
「そんなぁ、…クラウス様は許可してくれましたよね、母上を説得してください!」
「……すまない…マック……確かに許可はしたんだが…アンナを止める事は…私には無理かな…それができるのはレティだけ…かな」
母上…あなたは一体…何者ですか?一国の国王が…無理だって…苦笑いって…
「レティア様お願いです…母を…説得して貰えませんか?私は…長い間ヴィーに片思いしていたので思いが通じた今、もう片時も離れたくなくて…」
「ふふ、(なんか昔のクラウス様みたい)アンナ、これ以上は可哀想よ!…そうね、間をとって飛び級1年と言うことで、ヴィオラはあと1年学園に通い卒業してから1年後に婚姻ってことでどうかしら?どちらにしてもヴィオラが18歳の誕生日を迎えての婚姻になるでしょ!アンナ、それで、いいわね!」
「レティア様がそう仰るなら、…それに従います。」
ああ、流石レティア様!母上と違ってお優しい、
「レティア様、ありがとうございます。」
「ふふふ、マック、ヴィオラをよろしくね!それといずれ親子になるんだから、私の事はおかあ様って呼んでね!クラウス様の事はおとう様よ!」
「はい、おかあ様、おとう様ヴィオラはお任せ下さい。」
ふぅ、1年かぁ、長いなぁでもそこは我慢しなければ…ここにきてこの4人のパワーバランスが垣間見得てしまった。
この4人の最強はヴィオラの母レティア様だ!あの猛獣が借りてきた猫のようになっていた。
不本意だが後1年はルークの世話になる事になるのか……
「なんだと!マイロ!いくらお前でも気持ち悪いは言い過ぎだろ?…確かに…ふふ、…緩んだ顔してるのは認めるが…ふふ、ついにヴィーと正式に婚約する事ができたんだぞ!いいじゃないか少しぐらい緩んだって…しっかり政務はこなしてるだろ?逆にいつもより捗ってるじゃないか!気になるならこっちを見るなよ!」
「……まぁ、確かに…そうなんですけどね、ヴィオラ様にお気持ちが通じて浮かれたい気持ちはわかりますが…ぐふっ!とか、ムフっ!とか頻繁に聞こえると見たくはないですが流石に目が行きます、顔は…しょうがない…あきらめましょう、ですがその口から漏れる気持ち悪い声は控えてください!」
「……そこまで…言わなくても…いいじゃないか……、わかった…善処する」
相変わらず辛辣な奴だな、こいつが優秀だから返す言葉もないのが悔しいが、長年の片思いが報われたんだぞ!そこは喜びを分かち合う所だろ?全くマイロと話しているとまるで母上と話をしてるようだ!以前は母上の部下だと言っていたが…辛辣さが似ている、きっと母上が男だったら、こんな感じじゃないか?
いや、母上が男だったら……ブル!…考えるのはやめよう、ただ、間違いなく父上とは女性の好みが違うのは確かだという事だ…。
………皇妃としての母上は完璧だ!人心収攬、政治手腕は父上に引けを取らない能力を持っていて尊敬しているが……それは結婚してから発揮された能力で…結婚前はレティア王妃様の侍女だったと聞く……元から歯に衣をきせぬ物言いだったらしいがこんな辛辣な母上のどこに父上は惚れたんだろう?
「そういえば、殿下はもうすぐ卒業ですが、ヴィオラ様に飛び級の話をされて断られたらしいですね!」
「ぐ!…なんでそれを…ヴィーには断られてはいない!2年飛び級して一緒に卒業する事は叶わなかったが…1年飛び級してくれることになった、……一応、皇子妃教育もあるし……成績も優秀で既に卒業に必要な単位は1年目取得していたからな!それにヴィーは承諾してくれたのに…婚約発表の後の披露宴で母上に邪魔されたんだ!」
____婚約披露宴会場の皇族席にて____
「ヴィオラ、私は今日この日を迎えることができてどんなに幸せか、これからは私のことをおば様ではなく、おかあ様って呼んでくれるかしら、」
「はい!…お、おかあ様…」
「あー、もう、なんて可愛いのーヴィオラが娘になってくれる決心をしてくれたなんて嬉しいけどマクミランにはもったいないわね!いいの?ほんとに?」
「え!あ、」
「母上!なんてこというんですか!いいに決まってるじゃないですか!それにヴィーは飛び級して私と一緒に卒業して半年後には結婚するんですから!」
「飛び級?卒業?すぐ結婚?……マック…いつも言ってるでしょ、寝言は寝て言えと……そんなこと許可しません!ヴィオラはまだ16歳です。どんなに早くても18歳になるまでは結婚の許可は出しません、ですから飛び級は却下です!」
「…(くそ、母上はヴィーに関しての事は言い出すと聞かないからなぁ)ですが、既にヴィーは卒業資格を得てますし、皇子妃教育もあります。結婚は……準備もありますから…18歳まで…待ちますが、卒業は私と一緒でもいいと思いますが」
「…うーん、将来の皇妃としての教育ねぇ、確かに学園と両立は負担があるわねぇ」
「(よし、もう一押しかな、)そうですよ、将来の皇妃として母上から主外国の要人について学ぶことがたくさんありますからね」
「……マック、…ふ!…まだまだ、青いな!…ヴィオラは王族よ!その辺の貴族のバカ娘と一緒にしてはいけないよ!語学は主要5ヵ国語は勿論、各国の要人我が国の貴族名鑑は既に頭に入っている、皇子妃教育?そんなもの必要ないくらい優秀なことはお前が1番よく知っているんじゃないの?そんな小細工しないで素直に側に置きたいからと言えばいいものを、…却下だ!」
そうだ!レンフルー国王のクラウス様の言うことなら聞いてくれるかも、
「そんなぁ、…クラウス様は許可してくれましたよね、母上を説得してください!」
「……すまない…マック……確かに許可はしたんだが…アンナを止める事は…私には無理かな…それができるのはレティだけ…かな」
母上…あなたは一体…何者ですか?一国の国王が…無理だって…苦笑いって…
「レティア様お願いです…母を…説得して貰えませんか?私は…長い間ヴィーに片思いしていたので思いが通じた今、もう片時も離れたくなくて…」
「ふふ、(なんか昔のクラウス様みたい)アンナ、これ以上は可哀想よ!…そうね、間をとって飛び級1年と言うことで、ヴィオラはあと1年学園に通い卒業してから1年後に婚姻ってことでどうかしら?どちらにしてもヴィオラが18歳の誕生日を迎えての婚姻になるでしょ!アンナ、それで、いいわね!」
「レティア様がそう仰るなら、…それに従います。」
ああ、流石レティア様!母上と違ってお優しい、
「レティア様、ありがとうございます。」
「ふふふ、マック、ヴィオラをよろしくね!それといずれ親子になるんだから、私の事はおかあ様って呼んでね!クラウス様の事はおとう様よ!」
「はい、おかあ様、おとう様ヴィオラはお任せ下さい。」
ふぅ、1年かぁ、長いなぁでもそこは我慢しなければ…ここにきてこの4人のパワーバランスが垣間見得てしまった。
この4人の最強はヴィオラの母レティア様だ!あの猛獣が借りてきた猫のようになっていた。
不本意だが後1年はルークの世話になる事になるのか……
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。
亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。
しかし皆は知らないのだ
ティファが、ロードサファルの王女だとは。
そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる