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六巴街事件
6. ゴブリンクエスト①
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それから……、ロイドさんとクエストを受けつつ、マスターから求愛される日々が続き1週間が経った。
あれ以来マスターは言わずもがなだけど何故かロイドさんからの接触も増えた。具体的にはクエスト中に手を繋いできたり、距離感が近かったり、だ。
そして今、そのロイドさんと俺はゴブリン退治へ向かっている。目的地はゴブリンが大発生していると言う四季の森。
「ロ、ロイドさん…あの、これじゃあ魔物倒せないですよ?」
恋人繋ぎされている手をふるふると振りながら訴えてみる。 ギルドを出てから数時間、もうずっとこの状態なのだ。
「…ロイドさーん。」
俺が喋りかけても一向に離そうとしない。
距離が近いだけで動悸が激しくなるから避けてるのに、最近は接触が多すぎて困る…心臓が止まっちゃいそう。
「…片手が空いてるから、大丈夫。」
そう言ってロイドさんは片手を出すと風魔法を放った。どぉんっっ、と大きな音と共に地面は大きく抉れる。
さすが神様、チートだなぁ……
「……ね?」
「…えっと……俺実は、ロイドさんの側にいると動悸が凄くって…だから、その……?」
「離してください。」と言おうとしたが、ロイドさんのきらきらした目に一瞬言葉が詰まる。え…なんでそんな顔を…?
「…えと、だから……あっ、街が見えてきましたよ!」
ロイドさんの反応を見てなんだか恥ずかしくなってきた俺は話題を変える。実際、街も見えてきたし…
「いや、そんな事はどうでも…」
話を戻そうとするロイドさん。
そうはさせまいと、俺は話をさらに被せた。
「ほっ、ほら!四季の森手前の六巴街(ろくはがい)は治安が悪いんですよね?気をつけないと!」
「え?あ、そうだったね。ここは入った途端に刺されるような街だ。絶対僕から離れないで。」
「はい!」
六巴街へ入ると、あちこちに浮浪者の様な人がうろついていた。そのほとんどが獣人だ。
道にはゴミが散乱しており、それをカラスがつついている。
「ここは獣神が管理する街だよ。アレは最近荒れていてね…ここ数年前からこの街はこんな状態なんだ。」
ロイドさんはため息を吐く。
なんでも獣人族だけ均衡がとれておらず、その影響が人族にも現れ始めているんだとか。
「ちゃんと管理して欲しいものだよ…、さて。日が暮れてきたし今日はここで泊まろうか?」
ロイドさんが足を止めたのは、周りの建物よりは幾分ましなホテル。
中は薄暗く、ライトがチカチカしている。その下で座っている獣人はライトが気になるのか目を細めていた。
その獣人は俺達に気がつくと、目をこすりふにゃふにゃと口を動かす。
「いらっしゃいー」
「2人で、1泊2日。2部屋とりたい。」
「あー…2部屋?悪いね、今1つしか部屋が空いてないんだ。それでも良けりゃ泊まれるけど…どうする?」
獣人が困った顔をする。
周囲で汚くないホテルがここしかないから混んでるのかな…
ロイドさんはそれを聞いて一瞬顔をしかめたが、すぐにポッケから財布を出した。
「…そう。じゃあ1部屋でいいよ。」
「悪いねー、10号室だから。」
部屋は小さく、ビジネスホテルの様な所だった。風呂なしトイレなしで1人5000マリー…ちょっと高く感じる。
「…お風呂ないんですよね、どうします?銭湯とか…」
俺は荷物整理しながら話しかける。道中砂っぽかったのでできれば風呂に入りたい。
「あぁ、じゃあこっち来て。」
ロイドさんはこいこいと手招きする。
俺が近寄ると、軽く人差し指をくるっと回した。
「………浄化。」
同時にぱっ、と体が光る。
汗でベトベトだった体と服の汚れが落ち、すっきりした。
「…浄化魔法!ありがとうございます!」
「喜んでもらえて良かったよ……じゃあ、僕はここで寝るから。愛しい子はベッド使ってね?」
いそいそと、床へ寝転がるロイドさん。それを見て俺は顔を青くする。
そんな、神様を床で寝かせるなんてできる訳ない…!
「え、あの俺が床で寝ますから!ロイドさんはベッドで寝て下さい!」
「…愛しい子を床で寝かせるぐらいなら僕は寝ないよ。」
真顔で答えるロイドさん。
その後ちら、とベッドに視線を寄せ「ただ…その…」と口ごもる。
「一緒に寝るなら…まぁ…」
独り言レベルの小さな声。かろうじて聞こえた提案に俺は思案する。
多分ロイドさんと一緒に寝たら動悸が凄くて寝られない。でも断ったら一晩中起きてそうだし…
「えっと…じゃあ一緒に寝ましょう。」
俺はロイドさんへ答える。
まぁ、今日寝れなくても昼とかに仮眠取ればいっかな。
「え、い…いいの?よし、すぐ寝よう。気が変わらない内に!」
あれ以来マスターは言わずもがなだけど何故かロイドさんからの接触も増えた。具体的にはクエスト中に手を繋いできたり、距離感が近かったり、だ。
そして今、そのロイドさんと俺はゴブリン退治へ向かっている。目的地はゴブリンが大発生していると言う四季の森。
「ロ、ロイドさん…あの、これじゃあ魔物倒せないですよ?」
恋人繋ぎされている手をふるふると振りながら訴えてみる。 ギルドを出てから数時間、もうずっとこの状態なのだ。
「…ロイドさーん。」
俺が喋りかけても一向に離そうとしない。
距離が近いだけで動悸が激しくなるから避けてるのに、最近は接触が多すぎて困る…心臓が止まっちゃいそう。
「…片手が空いてるから、大丈夫。」
そう言ってロイドさんは片手を出すと風魔法を放った。どぉんっっ、と大きな音と共に地面は大きく抉れる。
さすが神様、チートだなぁ……
「……ね?」
「…えっと……俺実は、ロイドさんの側にいると動悸が凄くって…だから、その……?」
「離してください。」と言おうとしたが、ロイドさんのきらきらした目に一瞬言葉が詰まる。え…なんでそんな顔を…?
「…えと、だから……あっ、街が見えてきましたよ!」
ロイドさんの反応を見てなんだか恥ずかしくなってきた俺は話題を変える。実際、街も見えてきたし…
「いや、そんな事はどうでも…」
話を戻そうとするロイドさん。
そうはさせまいと、俺は話をさらに被せた。
「ほっ、ほら!四季の森手前の六巴街(ろくはがい)は治安が悪いんですよね?気をつけないと!」
「え?あ、そうだったね。ここは入った途端に刺されるような街だ。絶対僕から離れないで。」
「はい!」
六巴街へ入ると、あちこちに浮浪者の様な人がうろついていた。そのほとんどが獣人だ。
道にはゴミが散乱しており、それをカラスがつついている。
「ここは獣神が管理する街だよ。アレは最近荒れていてね…ここ数年前からこの街はこんな状態なんだ。」
ロイドさんはため息を吐く。
なんでも獣人族だけ均衡がとれておらず、その影響が人族にも現れ始めているんだとか。
「ちゃんと管理して欲しいものだよ…、さて。日が暮れてきたし今日はここで泊まろうか?」
ロイドさんが足を止めたのは、周りの建物よりは幾分ましなホテル。
中は薄暗く、ライトがチカチカしている。その下で座っている獣人はライトが気になるのか目を細めていた。
その獣人は俺達に気がつくと、目をこすりふにゃふにゃと口を動かす。
「いらっしゃいー」
「2人で、1泊2日。2部屋とりたい。」
「あー…2部屋?悪いね、今1つしか部屋が空いてないんだ。それでも良けりゃ泊まれるけど…どうする?」
獣人が困った顔をする。
周囲で汚くないホテルがここしかないから混んでるのかな…
ロイドさんはそれを聞いて一瞬顔をしかめたが、すぐにポッケから財布を出した。
「…そう。じゃあ1部屋でいいよ。」
「悪いねー、10号室だから。」
部屋は小さく、ビジネスホテルの様な所だった。風呂なしトイレなしで1人5000マリー…ちょっと高く感じる。
「…お風呂ないんですよね、どうします?銭湯とか…」
俺は荷物整理しながら話しかける。道中砂っぽかったのでできれば風呂に入りたい。
「あぁ、じゃあこっち来て。」
ロイドさんはこいこいと手招きする。
俺が近寄ると、軽く人差し指をくるっと回した。
「………浄化。」
同時にぱっ、と体が光る。
汗でベトベトだった体と服の汚れが落ち、すっきりした。
「…浄化魔法!ありがとうございます!」
「喜んでもらえて良かったよ……じゃあ、僕はここで寝るから。愛しい子はベッド使ってね?」
いそいそと、床へ寝転がるロイドさん。それを見て俺は顔を青くする。
そんな、神様を床で寝かせるなんてできる訳ない…!
「え、あの俺が床で寝ますから!ロイドさんはベッドで寝て下さい!」
「…愛しい子を床で寝かせるぐらいなら僕は寝ないよ。」
真顔で答えるロイドさん。
その後ちら、とベッドに視線を寄せ「ただ…その…」と口ごもる。
「一緒に寝るなら…まぁ…」
独り言レベルの小さな声。かろうじて聞こえた提案に俺は思案する。
多分ロイドさんと一緒に寝たら動悸が凄くて寝られない。でも断ったら一晩中起きてそうだし…
「えっと…じゃあ一緒に寝ましょう。」
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