無能な俺が、年下騎士さまの溺愛ゲージを溜める話。

ツキハ|BL小説

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1章 ニート、日当たりのよい部屋に住む。

※ニートはまさかの三度目で体位の大切さを知る。

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 全く気付かぬうちにベッドに転がされて、あまりの鮮やかさに感動する。あれだ。柔道とかであっという間に一本取られるみたいな感じ。俺学生の時の授業でしかやったことないけど。

 当然のようにベッド脇のサイドテーブルからローションを持参した旦那さまが見えて、俺はいよいよ訝しんだ。なぜだ。2回目はなんかまあ、何かの間違いであり得るかもしれないが、3回目はいよいよわからない。

「あの、旦那さま。質問があるのですが」
「どうした?」

 自分の手のひらに中身を出して、しばらくそのままにしたのち、旦那さまが手のひらからローションを俺の下半身に垂らす。いつもみたいに冷たくはなかったので、なるほど、そうやって使うのかと感心してから、思ったことを口に出す。

「何故俺はあらぬところにローションを垂らされているのでしょうか」
「今更何を。三度目だぞ」

 それはそう。

「それとも、他にしてほしいことがあるのか?」
「へ?」

 少しずつぽわぽわとする思考で、想定外の質問の答えを考える。うーん、と首を捻っていたら、変な奴だなという言葉と共に、旦那さまの右手が腹から胸元にかけてを撫でるから、くすぐったくて変な声が出る。

 そうしていたら、突然両脇に手を突っ込まれて持ち上げられたので、俺は目を丸くした。じっとこちらを見ていた旦那様が、そのままくるりと俺を反転させて、旦那様に背を預ける形で、膝の上に下ろされる。

 ちなみに、背後から抱き込まれるようなこの体勢は、ほぼ服を着ていないようなバスローブ一枚の現在、尻にあたるイチモツが滅茶苦茶気になる問題だらけの姿勢だと、ここに供述しておく。チキチキ、尻にあたるアレを刺激しないゲームが突然始まってしまった。


 何故急に膝に乗せられたのだろうかと思っていたら、後ろから伸びてきた手のひらが、俺の胸を撫でてくる。俺に旦那さまみたいな胸筋は皆無なので、揉み心地は良くないはずだから、これは遠回しなマウントの可能性があるかもしれない。なんてやつだ。

「あの、これは一体何をなさっているんです?」
「少し試したいことがあってな」

 さようでございますか。俺としては、親指が何度か乳首を掠めていくから気になってしょうがないので、旦那さまが早々に飽きることを期待したい。

 そう思って、力を抜いて旦那さまを背もたれにしていたのだが、ローションで少し滑った指先が、いよいよ偶然ではないほど執拗に乳首を撫でてくる。

 俺は、非常に困惑した。何故だ。女の子であるならわかるが、俺は男である。胸筋は無いが、だからこそ胸はぺちゃんこな男である。いくら乳首を撫でたとて、ちょっと硬くなってしまうくらいしか特筆すべきことは無いし、触り心地もよくないはず。

 しかし、何が楽しいのか、なんと旦那さま、ついには親指と人差し指でつまむようにしてくる。少し硬くなってたっているから、なるほどつまみやすいだろうなと思ったが、なんだか扱かれているみたいに思える。

 視界にうつる己の下半身、既に若干勃っているソレもあいまって、ぬらぬらと光る乳首がとても卑猥。これが本当のわいせつ物陳列。対して可愛くもない俺の卑猥なものを陳列するとか相当な罪。


 最初は擽ったいだけだったはずが、だんだんとびりびりとした何かが乳首から体の中に走る感じがしてきて、呼吸が浅く乱れていく。ワインの酔いと、おそらくは薬か何かの効き目が出てきて、足の指先をきゅっと丸めて耐えてみても効果が無い。

 膝を擦り合わせてもじもじとしていたら、右手だけが胸元から離れて、尻穴と勃ったそれの間を軽く揉まれる。


「あ、の、これ、なんで、今日はこんな、っ、ぁ」
「自分で触ったことは無いのか」
「そりゃあ、無い、です、けど」
「なら、元から素質があったんだな」

 乳首の素質とは。ぼけっとしていたら、先走りとローションで濡れて、既にがちがちになったそれが、剣だこでごつごつとした手の中に握り込まれる。あっ、と思った時にはもう遅くて、時折泡立つような音をたてながら、両方を扱かれるはめになった。



「ぁ、まって、くださ、ぃ、こっち、もういぃ、です、から」
「は、腰が逃げているが。気持ちがいいのは好きなのではなかったのか?」
「う、ぁ」

 いやホントに待ってくれ。後ろから動けないようにしたうえで、耳元でえっちな声を出すのはやめて欲しい。俺も腰が揺れるせいで、めちゃくちゃ旦那さまのソレを尻で撫でているためか、彼の息もちょっと荒いのである。そのうえ、いつもと声音が違う。いい声をしているのは前からだが、今日は一層、腹の底にずんとクる。

 気持ちがいいのは好きだが、これはいきなりレベルが上がりすぎだ。目の前に本人が居ないからマシだろうと、高をくくっていた自分を張り倒したい。枕に縋って快感を逃がすことも出来ないし、体が密着している分、なんならこっちの方がよほど恥ずかしい。



「だ、って、これ、もう、限界、で」

 ふるりと震えて、イってしまう直前。耳にぬめりを伴った、ざらりとした感触と、生暖かい吐息。あ、耳、たべられた、と思ったまま、耐え切れずに旦那さまの手の中に出してしまって、がくがくと震える体がぴったりと密着させられる。これ、全身でイったのバレてるのでは。なんとえっち。

 へなへなと力が抜けていれば、旦那さまが飽きもせず、出したばかりのそこを弄るから、情けない声でゆるしを乞う。

「だ、旦那さま、手、止めてくださぃ」
「まだ出来るだろ」
「そ、れは。そうなんですけど、ちょっと休憩を」
「なるほど」

 よかった。流石に聞き入れてくれるようだ。ほっとしていたら、またもや体を持ち上げられて、今度は真正面から向き合う形で下ろされる。

「? あの」

 ぽかんとしたままじっと見ていれば、腰を引き寄せられて、その手がそのまま尾骶骨をなぞりドンドン下へ、って。

「待って待って待って」
「休憩したいんだろう」
「全身! 全身休憩したいです!! 前がダメなら後ろはいいとかじゃないです!!」

 なんだか不満そうに、じーっと見つめられるので、俺も負けじと見つめ返したのだが。

「……。ルシア」
「え、はい」
「一か月だ」
「はぁ。一か月ですか」
「つまり、週に一度なら、4回だ」
「そう……ですね?」
「しかも、私は戦場帰りで、気が昂っている」
「なるほど」

 確かに、1カ月は約4週間だ。戦場帰りとあっては、疲れも溜まっていることだろう。何故改めて算数のようなことを言い出したかは不明だが、なるほど、今日は疲れているから、俺で遊んで終わりにするというわけか。理解した、と頷いて見せれば、旦那さまは満足気に目を細めて。


 俺の尻はあっけなく暴かれたし、なんなら最後までされたし朝まで終わらなかったし、起きてからも散々な目に合って、ニートは初めて、仮病でも怠惰でもなく、ベッドの住人になり。

 そんな俺を見た執事は、素晴らしいバランスでのけぞり、両上を振り上げてガッツポーズを決めていたのだった。
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