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3章 ニート、勘違いを知る
ニートは楽しくお茶も出来る。
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駄々をこねる旦那さまから許可を得てクドラスさまとお出かけできたのは、1週間後の昼のことだった。流石に筋肉圧迫してくる二人が同席していてはクドラスさまも心休まらないだろうと思ったので、座席は別にしてもらう。これも旦那さまは最後まで渋っていて、何度もお願いしてようやく了承してもらえた。
先日行ったカフェとは別の、食事も出来る場所を選ぶ。お出かけで死にかけるニートではあるが、クドラスさまに会えるなら若干頑張る気になれる。若干。もちろん馬車の中では旦那さまを枕に爆睡をかまして準備万端であるから、クドラスさまにお会いした時は少し寝ぼけていた。
「おはようございます、クドラスさま」
「昼過ぎですが、おはようございます。寝ていたんですか? 申し訳ないのですが起きましょうね、ルシア」
俺が寝てばかりいるのは無論クドラスさまもご存じなので、寝ぼける俺の頬をむにむにと揉んで起こしてくださる。はっ、いかん、せっかくお会いできるのだから目を開けておくべき。
「おい、触れていいとは言っていない」
「あらら~、嫌ですねぇ、人のヨメさんにあんなふうに」
「やかましいのが居ますが無視しましょうね、ルシア」
「はーい」
後ろ2mほど離れた場所から大きめの声でヤジが飛ばされるが、これはちょっと我慢していただく他ない。多分仲間外れにされるのが嫌なのだと思う。二人は二人で一緒に遊べばいいんじゃないかと思うが、それを言ったら旦那さまには無言の圧をかけられたしチェリーワインくんには普通に頭をしばかれた。痛い。いいじゃんか、遊べよ。トランプとかで。
店内には店主の趣味であろう本が詰まった棚もあって、興味を示したクドラスさまが嬉しそうに一冊手に取っていた。
「クドラスさま、それはなんですか」
「この国の特産に関わる統計と、流通経路にかかわる商人の記録ですね。とはいえ大分昔のモノなので、今の商売にはあまり役に立ちませんが」
「役に立たないのに読むのですか?」
「昔のやり取りを見るのも興味深いものですよ」
「へえ」
ちらと中を見せてもらったが、物凄く小さい文字が並んでいてスッと目を逸らす。小さく笑ったクドラスさまが俺の手を引いてくれるので、そのまま窓際の席について食事を待った。
俺が居なくなった後、クドラスさまは血眼になって探してくれたらしい。大変申し訳ないと思って謝れば、俺のせいではないのだからと言ってくれる。
「無いとは思っていましたが、出て行ったのではないかと少しだけ肝が冷えました」
「まさか。何の不満もないどころか、ずっと幸せでしたよ。クドラスさまのおかげです」
ななめ後方の方から、何かが割れるような音がしたので驚いてそちらを見ると、グラスを握り締めた旦那さまがこちらをガン見している。ちらと手元を見れば、ぱらぱらと欠片のようなものが落ちていたので、多分グラスを握力で粉砕している。ゴリラかな?
手袋はしていたようなので怪我は無さそうだが、旦那さまはうっかりグラスを割るくらいの握力があると言う事実に慄く。俺に触れる時はひょっとして大分慎重に触っているということだろうか。えっち騎士、セックスの最中ですら理性があるということだ。俺にはとてもできない。
名前を呼ばれたのでクドラスさまの方を見れば、頬杖をついてじっとこちらを見つめていらっしゃる。どうかしましたかと問えば、苦笑交じりに答えてもらえる。
「ルシア。どうしても僕と一緒には暮らせませんか?」
「そうしたい気持ちもありますが、」
そこまで言ったら、今度はガタン! という大きな音がして吃驚してもう一度振り向く。盛大に椅子をひっくり返して立ち上がった旦那さまが居て、気にはなるが怪我をしているわけではないので後回しにしよう。旦那さま、大分おっちょこちょい疑惑も出てきた。
「俺は既に旦那さまと婚姻を結びましたし……」
「契約は白紙に出来ます。もともとの前提が間違っていたのですから。ルシア、あなたの気持ち一つで簡単に戻せるのですよ」
「ええと……」
しどろもどろになって目を泳がせていたら、後ろからひそひそと小さな声の会話が聞こえて来る。
「見ろよ、一回断られてるのにしつこく誘ってんぞ」
「諦めの悪いやつだ。どう考えても勝ち目はない」
「いや勝ち目はないとか言いながらグラスガタガタさせるな鬱陶しいな」
「していない」
あ本当だ。すごいグラスが振動してる。
「外野が喧しいですが、無視しましょうね、ルシア」
「はーい」
ついつい旦那さまの方を見てしまっていたらクドラスさまに手をつつかれたので視線を戻す。戻したところで、何か他に僕と暮らせない理由があるんですね、などと言われるので図星を貫かれた気持ちである。
でも旦那さまがえっち騎士なのはばらしたらいけないしなぁ、と思ったけど、いや待てよ? 旦那さまのことじゃあなければ別に言ってもいいのか。ピーンと閃いた頭のまま、クドラスさまに耳打ちするような仕草でこそこそと内緒の話をする。
「実は黙っていたことがありまして」
「ほう」
「クドラスさまにはお頼み出来ないので、それも理由です」
「僕に頼めない? なぜ。大抵のことなら何でもしてあげられますよ」
クドラスさま、流石やさしさの権化である。思わず感動していたら、言ってごらんなさいと言われるので少し悩んで、若干の照れを隠しつつ口を開く。
「えっちなやつです」
「……は!?」
おぉ。珍しく大きな声を出したクドラスさまを見て、なんだか宝くじに当たったような得をした気分になる。後ろからなんだなんだとヤジが飛んでくるが、わかる。珍しいからねと頷いた。
ズレたメガネをがちゃがちゃ言わせながら指先で直したクドラスさまが、何故か震える声で問うてくる。
「あ、の。それは、つまり。まさか」
「はい」
「あの騎士とは、そういう?」
「はい!」
ベキィ! という物凄い音をたてて、目の前でクドラスさまがメガネごと顔面をテーブルに叩きつけたので、流石の俺もぎょっとする。クドラスさまのご尊顔が大惨事になってしまう。
大丈夫ですかと問えば、スッと顔をあげたクドラスさまが、ベキベキにひび割れたメガネを外してその辺に捨てて、立ち上がって俺の傍に立つ。メガネ可哀そうだなあ、と思って見てから、少し遅れてクドラスさまを見上げれば、にこりと笑って彼が口を開く。
「ルシア。今すぐ僕と帰りましょう。あのクソ色ボケ騎士と居たらダメになります。速攻で帰りましょう。契約書を履行していただきます」
俺は既に駄目の極みなので、仮にそうだとしてもそれは問題ないと思う。ぽけっとしていたら、同じく立ち上がった旦那さまとの間でびっくりするほどの罵詈雑言が飛び交ったので、俺たちは普通に店を追い出されたのだった。
先日行ったカフェとは別の、食事も出来る場所を選ぶ。お出かけで死にかけるニートではあるが、クドラスさまに会えるなら若干頑張る気になれる。若干。もちろん馬車の中では旦那さまを枕に爆睡をかまして準備万端であるから、クドラスさまにお会いした時は少し寝ぼけていた。
「おはようございます、クドラスさま」
「昼過ぎですが、おはようございます。寝ていたんですか? 申し訳ないのですが起きましょうね、ルシア」
俺が寝てばかりいるのは無論クドラスさまもご存じなので、寝ぼける俺の頬をむにむにと揉んで起こしてくださる。はっ、いかん、せっかくお会いできるのだから目を開けておくべき。
「おい、触れていいとは言っていない」
「あらら~、嫌ですねぇ、人のヨメさんにあんなふうに」
「やかましいのが居ますが無視しましょうね、ルシア」
「はーい」
後ろ2mほど離れた場所から大きめの声でヤジが飛ばされるが、これはちょっと我慢していただく他ない。多分仲間外れにされるのが嫌なのだと思う。二人は二人で一緒に遊べばいいんじゃないかと思うが、それを言ったら旦那さまには無言の圧をかけられたしチェリーワインくんには普通に頭をしばかれた。痛い。いいじゃんか、遊べよ。トランプとかで。
店内には店主の趣味であろう本が詰まった棚もあって、興味を示したクドラスさまが嬉しそうに一冊手に取っていた。
「クドラスさま、それはなんですか」
「この国の特産に関わる統計と、流通経路にかかわる商人の記録ですね。とはいえ大分昔のモノなので、今の商売にはあまり役に立ちませんが」
「役に立たないのに読むのですか?」
「昔のやり取りを見るのも興味深いものですよ」
「へえ」
ちらと中を見せてもらったが、物凄く小さい文字が並んでいてスッと目を逸らす。小さく笑ったクドラスさまが俺の手を引いてくれるので、そのまま窓際の席について食事を待った。
俺が居なくなった後、クドラスさまは血眼になって探してくれたらしい。大変申し訳ないと思って謝れば、俺のせいではないのだからと言ってくれる。
「無いとは思っていましたが、出て行ったのではないかと少しだけ肝が冷えました」
「まさか。何の不満もないどころか、ずっと幸せでしたよ。クドラスさまのおかげです」
ななめ後方の方から、何かが割れるような音がしたので驚いてそちらを見ると、グラスを握り締めた旦那さまがこちらをガン見している。ちらと手元を見れば、ぱらぱらと欠片のようなものが落ちていたので、多分グラスを握力で粉砕している。ゴリラかな?
手袋はしていたようなので怪我は無さそうだが、旦那さまはうっかりグラスを割るくらいの握力があると言う事実に慄く。俺に触れる時はひょっとして大分慎重に触っているということだろうか。えっち騎士、セックスの最中ですら理性があるということだ。俺にはとてもできない。
名前を呼ばれたのでクドラスさまの方を見れば、頬杖をついてじっとこちらを見つめていらっしゃる。どうかしましたかと問えば、苦笑交じりに答えてもらえる。
「ルシア。どうしても僕と一緒には暮らせませんか?」
「そうしたい気持ちもありますが、」
そこまで言ったら、今度はガタン! という大きな音がして吃驚してもう一度振り向く。盛大に椅子をひっくり返して立ち上がった旦那さまが居て、気にはなるが怪我をしているわけではないので後回しにしよう。旦那さま、大分おっちょこちょい疑惑も出てきた。
「俺は既に旦那さまと婚姻を結びましたし……」
「契約は白紙に出来ます。もともとの前提が間違っていたのですから。ルシア、あなたの気持ち一つで簡単に戻せるのですよ」
「ええと……」
しどろもどろになって目を泳がせていたら、後ろからひそひそと小さな声の会話が聞こえて来る。
「見ろよ、一回断られてるのにしつこく誘ってんぞ」
「諦めの悪いやつだ。どう考えても勝ち目はない」
「いや勝ち目はないとか言いながらグラスガタガタさせるな鬱陶しいな」
「していない」
あ本当だ。すごいグラスが振動してる。
「外野が喧しいですが、無視しましょうね、ルシア」
「はーい」
ついつい旦那さまの方を見てしまっていたらクドラスさまに手をつつかれたので視線を戻す。戻したところで、何か他に僕と暮らせない理由があるんですね、などと言われるので図星を貫かれた気持ちである。
でも旦那さまがえっち騎士なのはばらしたらいけないしなぁ、と思ったけど、いや待てよ? 旦那さまのことじゃあなければ別に言ってもいいのか。ピーンと閃いた頭のまま、クドラスさまに耳打ちするような仕草でこそこそと内緒の話をする。
「実は黙っていたことがありまして」
「ほう」
「クドラスさまにはお頼み出来ないので、それも理由です」
「僕に頼めない? なぜ。大抵のことなら何でもしてあげられますよ」
クドラスさま、流石やさしさの権化である。思わず感動していたら、言ってごらんなさいと言われるので少し悩んで、若干の照れを隠しつつ口を開く。
「えっちなやつです」
「……は!?」
おぉ。珍しく大きな声を出したクドラスさまを見て、なんだか宝くじに当たったような得をした気分になる。後ろからなんだなんだとヤジが飛んでくるが、わかる。珍しいからねと頷いた。
ズレたメガネをがちゃがちゃ言わせながら指先で直したクドラスさまが、何故か震える声で問うてくる。
「あ、の。それは、つまり。まさか」
「はい」
「あの騎士とは、そういう?」
「はい!」
ベキィ! という物凄い音をたてて、目の前でクドラスさまがメガネごと顔面をテーブルに叩きつけたので、流石の俺もぎょっとする。クドラスさまのご尊顔が大惨事になってしまう。
大丈夫ですかと問えば、スッと顔をあげたクドラスさまが、ベキベキにひび割れたメガネを外してその辺に捨てて、立ち上がって俺の傍に立つ。メガネ可哀そうだなあ、と思って見てから、少し遅れてクドラスさまを見上げれば、にこりと笑って彼が口を開く。
「ルシア。今すぐ僕と帰りましょう。あのクソ色ボケ騎士と居たらダメになります。速攻で帰りましょう。契約書を履行していただきます」
俺は既に駄目の極みなので、仮にそうだとしてもそれは問題ないと思う。ぽけっとしていたら、同じく立ち上がった旦那さまとの間でびっくりするほどの罵詈雑言が飛び交ったので、俺たちは普通に店を追い出されたのだった。
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