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4章 ニート、陽当たりを愛ス。
ニートは保身のためなら秘密も場合によっては漏らす。
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助けてくれ。
開口一番そう言いたいくらいには、俺は非常に困惑していた。ようやくベッドから起き上がることを許されたぜやったー、と思ったら、朝食から朝食までずっとレガルさまが隣に陣取っているのである。誤字ではなく本当に一日中だ。しかも。
「ルシアは寝ているのが好きなのか」
「そうですね」
「私の相手をするよりもか」
「そ、う、かも。いや、うーん。比べるものでもないような」
「なぜ」
「なぜ???」
「私を一番にしてくれ」
「突然の要求」
暇なのかなと思ったけど、クルクルお髭の家令がたまに飛び込んで来て書類の確認を求めているから、多分暇ではない。最初はただじっと横にぴったりくっつかれていただけだったが、飽きたのかたまに話しかけられることが増え、俺が眠っていない間はずっとこんな感じである。
レガルさまが俺を抱く理由考えろと言われたのに、肝心の考える時間を与えてもらえない矛盾が発生している。そう主張したら、私はヒントは与えているの一点張りだ。困ってしまって執事に相談したら、私を巻き込むなと言われて舌打ちされた。シンプルにひどい。
「ひどすぎる。主が困っているのに」
「はいはい、大変でございますね」
「ルシア。執事じゃなく私と話してくれ」
ダメだこの人。ちょっと壊れてしまったのかもしれない。心配になったので、治れ~と思って頭を抱きしめて撫でてみたら、首筋を舐められたのでダメそうだった。執事がダメならレミリアたちはどうかなと思ったら、とってもにこにこしながら上機嫌にきゃっきゃと騒いで帰って行ったので、多分この屋敷の人は全員駄目だ。
「うーん。あ、でも、レガルさま」
「なんだ」
「くっついていると暖かくて幸せですね。ありがとうございます」
これはこれで大分アリ。すり寄ってそのまま目を閉じていたら、ちょっと首を噛まれた後に手つきが怪しくなって寝ているどころではなくなったので、取り扱い注意の抱き枕だなと思った。
数日たってもそんな感じなので、レガルさまがお仕事で王城に呼ばれて舌打ちしながらがっつりちゅーしてから出かけて行った後、俺は助っ人に会うことにした。
「レガルが壊れただぁ?」
「そうなんです。直してください」
「そんな道具か機械みたいに言うなんて、よほどのことなんですね、ルシア」
「なんでしれっといるんだよクドラスさま」
「名前で呼ぶのやめていただけます? ルシアはいいんですよ、もっと呼んでください」
「扱いの差ひでえな」
およそ3週間ぶりに会ったチェリーワインくんとクドラスさまだが、なんとクドラスさま、うちから15分ほどの場所に屋敷を買ったらしく、既に引っ越しを済ませたんだとか。遊びに来てくださいねの手紙はレガルさまに木端微塵にされたが、普通にクドラスさま本人がやって来て教えてくださった。あれ? 何のための手紙だったのかな?
チェリーワインくんは暇だからと来てくれたらしく、レガルさまは居ませんよと告げたら目を丸くしてニヤニヤしていた。気持ち悪いなと思ったのでそう教えてあげたら頭を叩かれたが、事実でも言っていいことと悪いことはあるので多分俺が悪い。
「あー、で、レガルが壊れただっけ? なんで。なんかおかしいのか?」
「朝から朝まで俺にくっついて変なことを言うので」
「なるほど危険ですね。ルシア、僕の家に避難しましょう」
「危険なのはテメエだわ。変な事ってなんだよ」
その話をする前に、チェリーワインくんに聞きたいことがある。旦那さま、レガルさまの秘密にかかわることだが、彼は否定しているのだから、第三者の意見も必要だ。
「あの。その前に、レガルさまについてなんですけど」
「おう」
「レガルさまが結婚できなかったのは、へんたいだからじゃあないんですか?」
「……」
「ルシア。一応聞きたいんですが、なぜ変態だなどと? いえ、もちろん手を出した段階で変態クソ野郎であることに違いはないのですが、一応ね?」
なぜか無言で口を半開きにしているチェリーワインくんが動かなくなったので、クドラスさまの質問に真剣に答えることにする。レガルさまの秘密にかかわることなので躊躇いはあるが、なぜ抱くのかを明らかにせねば俺の身が危ない。俺は自分が一番大事である。すまないレガルさま。二人には口止めするから許してほしい。
「レガルさまは」
「はい」
「めちゃくちゃ俺の乳首に執着するんです」
「……」
何故か二人そろって俺の執事の方へ視線を向けたが、執事が私は知りませんとそっぽを向いたので、チェリーワインくんが叫ぶ。
「いやただの惚気じゃねーか!!」
「心外な。俺は本当に困っているんですよ!」
こんこんと、いかに俺が困っているのか、このままでは1週間ベッドから出られないのだと訴えたが、チェリーワインくんの目が死んでいく以外には特に進展が無かったので、ニートよりも役に立たない騎士である彼に、俺は憤慨したのだった。
開口一番そう言いたいくらいには、俺は非常に困惑していた。ようやくベッドから起き上がることを許されたぜやったー、と思ったら、朝食から朝食までずっとレガルさまが隣に陣取っているのである。誤字ではなく本当に一日中だ。しかも。
「ルシアは寝ているのが好きなのか」
「そうですね」
「私の相手をするよりもか」
「そ、う、かも。いや、うーん。比べるものでもないような」
「なぜ」
「なぜ???」
「私を一番にしてくれ」
「突然の要求」
暇なのかなと思ったけど、クルクルお髭の家令がたまに飛び込んで来て書類の確認を求めているから、多分暇ではない。最初はただじっと横にぴったりくっつかれていただけだったが、飽きたのかたまに話しかけられることが増え、俺が眠っていない間はずっとこんな感じである。
レガルさまが俺を抱く理由考えろと言われたのに、肝心の考える時間を与えてもらえない矛盾が発生している。そう主張したら、私はヒントは与えているの一点張りだ。困ってしまって執事に相談したら、私を巻き込むなと言われて舌打ちされた。シンプルにひどい。
「ひどすぎる。主が困っているのに」
「はいはい、大変でございますね」
「ルシア。執事じゃなく私と話してくれ」
ダメだこの人。ちょっと壊れてしまったのかもしれない。心配になったので、治れ~と思って頭を抱きしめて撫でてみたら、首筋を舐められたのでダメそうだった。執事がダメならレミリアたちはどうかなと思ったら、とってもにこにこしながら上機嫌にきゃっきゃと騒いで帰って行ったので、多分この屋敷の人は全員駄目だ。
「うーん。あ、でも、レガルさま」
「なんだ」
「くっついていると暖かくて幸せですね。ありがとうございます」
これはこれで大分アリ。すり寄ってそのまま目を閉じていたら、ちょっと首を噛まれた後に手つきが怪しくなって寝ているどころではなくなったので、取り扱い注意の抱き枕だなと思った。
数日たってもそんな感じなので、レガルさまがお仕事で王城に呼ばれて舌打ちしながらがっつりちゅーしてから出かけて行った後、俺は助っ人に会うことにした。
「レガルが壊れただぁ?」
「そうなんです。直してください」
「そんな道具か機械みたいに言うなんて、よほどのことなんですね、ルシア」
「なんでしれっといるんだよクドラスさま」
「名前で呼ぶのやめていただけます? ルシアはいいんですよ、もっと呼んでください」
「扱いの差ひでえな」
およそ3週間ぶりに会ったチェリーワインくんとクドラスさまだが、なんとクドラスさま、うちから15分ほどの場所に屋敷を買ったらしく、既に引っ越しを済ませたんだとか。遊びに来てくださいねの手紙はレガルさまに木端微塵にされたが、普通にクドラスさま本人がやって来て教えてくださった。あれ? 何のための手紙だったのかな?
チェリーワインくんは暇だからと来てくれたらしく、レガルさまは居ませんよと告げたら目を丸くしてニヤニヤしていた。気持ち悪いなと思ったのでそう教えてあげたら頭を叩かれたが、事実でも言っていいことと悪いことはあるので多分俺が悪い。
「あー、で、レガルが壊れただっけ? なんで。なんかおかしいのか?」
「朝から朝まで俺にくっついて変なことを言うので」
「なるほど危険ですね。ルシア、僕の家に避難しましょう」
「危険なのはテメエだわ。変な事ってなんだよ」
その話をする前に、チェリーワインくんに聞きたいことがある。旦那さま、レガルさまの秘密にかかわることだが、彼は否定しているのだから、第三者の意見も必要だ。
「あの。その前に、レガルさまについてなんですけど」
「おう」
「レガルさまが結婚できなかったのは、へんたいだからじゃあないんですか?」
「……」
「ルシア。一応聞きたいんですが、なぜ変態だなどと? いえ、もちろん手を出した段階で変態クソ野郎であることに違いはないのですが、一応ね?」
なぜか無言で口を半開きにしているチェリーワインくんが動かなくなったので、クドラスさまの質問に真剣に答えることにする。レガルさまの秘密にかかわることなので躊躇いはあるが、なぜ抱くのかを明らかにせねば俺の身が危ない。俺は自分が一番大事である。すまないレガルさま。二人には口止めするから許してほしい。
「レガルさまは」
「はい」
「めちゃくちゃ俺の乳首に執着するんです」
「……」
何故か二人そろって俺の執事の方へ視線を向けたが、執事が私は知りませんとそっぽを向いたので、チェリーワインくんが叫ぶ。
「いやただの惚気じゃねーか!!」
「心外な。俺は本当に困っているんですよ!」
こんこんと、いかに俺が困っているのか、このままでは1週間ベッドから出られないのだと訴えたが、チェリーワインくんの目が死んでいく以外には特に進展が無かったので、ニートよりも役に立たない騎士である彼に、俺は憤慨したのだった。
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