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4章 ニート、陽当たりを愛ス。
ニートはその幸せの名前を知らない。
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レガルさまは、着替えてから俺の部屋に来てくれた。なんだかちょっと表情が硬い気もするが、仕事が大変だったのかなと思って労わってみたら、ソファに並んで座った後でくっついて離れなくなった。やはりまだ壊れたままのようである。
「それで。答えはわかったのか」
「わかりません!」
は??? とでも言いたげな表情を隠しもしないレガルさまが、なるほど分かったとばかりに押し倒そうとしてくるが、待ってほしい。まだ早まってはいけない。代わりに言いたいことがあるのだと苦し紛れに手足をばたつかせれば、一応聞いておこうという尊大な態度と台詞が返ってきた。セーフ。
言ってみろと促されるので、何から喋ろうかなぁとレガルさまを見れば、なんだか不満そうで気にかかる。
「レガルさまは、俺と居て楽しいですか」
「どういう意味だ」
「言葉通りの意味です。ほら、一緒に居ていらいらするとか、気分が悪くなる相手とは暮らせないじゃあないですか。俺はそう思うんですけど、レガルさまはどうですか」
「同じだな」
「じゃあ、俺と居ても気分が悪いとかつまらないとか、そういうのはないですか」
「ない」
何を当然のことをと言われるので、思わずニチャァ……と頬が緩む。俺は大変満足したので、もっと聞いてみようと思えば、今度はレガルさまから言葉が返ってくる。
「ルシア。お前は私と居て楽しいのか?」
片眉をあげてこちらを見るので、ちょっと考えてから頷いておく。爆笑すると言う意味ではちょっと違うけれど、不思議と楽しいと言う言葉を否定する気にはならない。そういえばチェリーワインくんといるのは楽しいのだろうかと思いうかんで、そのまま口にだす。
「レガルさまは、友人と過ごすのは好きですか」
「特に思うことはないな。アズヴァンは腐れ縁なだけだ」
「でもいなくなるのは寂しいでしょう」
「……」
否定しないあたり、多分図星である。一緒に居るのが当たり前だから、たぶん想像がつかないだけなのかもしれない。いいなーと思ったのでそのまま口に出せば、何がだと言われるから、いなくなると寂しいと思われるのが羨ましいと思うと告げる。
一瞬固まった彼が軽く俺の唇を食むので、なんだろなと思っていれば、物凄く小さい声で何か言っている。至近距離なのに全く聞こえないので、もう一度言ってくださいなーと頼んだのだが、無言。何故だ。気になってしょうがないから、頬に手を伸ばして顔を覗き込んだところ、ようやくまた口を開いてくれた。
「だから、私は。その」
「はい」
「……ルシア。お前がいないのは、いなくなると」
「はい」
「……さ」
「さ?」
「寂しい、気が、しないこともない」
「……」
「おい。何か言え」
物凄く小さな声ではあったけれど、今彼は何と言ったのか。寂しい? 血に飢えただか塗れただか飲み干したいだか言われている騎士さまが。俺が、いないのは、寂しい気がすると。何回か反芻してようやく言葉の意味を理解出来て、でも全くなぜなのかはわからない。何故寂しいのか、俺がいれば寂しくなくなるのか、それとも俺が占める割合はそこまででもなくて、まあ無いとちょっと気になる程度なのかとか、もっともっと聞きたかった。
逐一全部を質問攻めにしていれば、最初はもごもごしていたレガルさまが、徐々にしっかりと言葉にしてくれるようになる。占める割合は大きいし、居なくなっては困るくらいだと言うから、信じがたくて何度も確認した。しつこいくらいに繰り返したけど、彼は全てに答えてくれたし、俺も寂しいかと聞かれたから、そう言えばそうだったかもしれないと気付く。
「でも俺はほとんど寝てるので、あんまりわかりません」
「そこは嘘でもとても寂しかったと言うべきだろう」
「気づいてしまったので、今後は多分寂しいです」
「はは、なら、なるべく家に居られるようにするか」
「そうしてください。でも俺は昼寝もしたいです」
昼寝に負けた……などとショックを受けていそうだったが、比べられるものでもないのでしょうがない。
「レガルさまも一緒に昼寝をしましょう。そうしたらお得な気がします」
「何が」
「しあわせが二つで二倍です」
俺の知る幸せの形はずっと暖かいソファの形だったけど、今は目の前の男の姿も幸せの証に見える。合わさればきっと倍幸せだろうと思ったから、是非とも協力していただきたい。苦笑した彼が頷いてくれるので、俺は大変満足した。
ゆっくりと、俺の肩口に頭を預けたレガルさまが、静かに問う。
「――ルシア。私がお前を抱く理由は、何だと思う」
「レガルさまも同じかはわかりませんが、俺が思うのは」
やっぱり質問の答えはまだわからない。でも、俺の場合で言えば答えはある。
気持ちがいいから。それは違わない。彼に触れて、触れられるのは間違いなく気持ちがいいことだ。
満たされるから。それも間違いない。人肌に触れるのは、ひだまりの中のソファのように暖かいものだ。
そして。
「レガルさまと繋がっているという実感があると、とても幸せだと思うからですね」
レガルさまにとってはどうですかと聞けば、それはきっとお互い同じ思いだろうと言ってもらえたから、なるほど質問の答えは少しは出せたのかもしれないと、自慢に思った。
「それで。答えはわかったのか」
「わかりません!」
は??? とでも言いたげな表情を隠しもしないレガルさまが、なるほど分かったとばかりに押し倒そうとしてくるが、待ってほしい。まだ早まってはいけない。代わりに言いたいことがあるのだと苦し紛れに手足をばたつかせれば、一応聞いておこうという尊大な態度と台詞が返ってきた。セーフ。
言ってみろと促されるので、何から喋ろうかなぁとレガルさまを見れば、なんだか不満そうで気にかかる。
「レガルさまは、俺と居て楽しいですか」
「どういう意味だ」
「言葉通りの意味です。ほら、一緒に居ていらいらするとか、気分が悪くなる相手とは暮らせないじゃあないですか。俺はそう思うんですけど、レガルさまはどうですか」
「同じだな」
「じゃあ、俺と居ても気分が悪いとかつまらないとか、そういうのはないですか」
「ない」
何を当然のことをと言われるので、思わずニチャァ……と頬が緩む。俺は大変満足したので、もっと聞いてみようと思えば、今度はレガルさまから言葉が返ってくる。
「ルシア。お前は私と居て楽しいのか?」
片眉をあげてこちらを見るので、ちょっと考えてから頷いておく。爆笑すると言う意味ではちょっと違うけれど、不思議と楽しいと言う言葉を否定する気にはならない。そういえばチェリーワインくんといるのは楽しいのだろうかと思いうかんで、そのまま口にだす。
「レガルさまは、友人と過ごすのは好きですか」
「特に思うことはないな。アズヴァンは腐れ縁なだけだ」
「でもいなくなるのは寂しいでしょう」
「……」
否定しないあたり、多分図星である。一緒に居るのが当たり前だから、たぶん想像がつかないだけなのかもしれない。いいなーと思ったのでそのまま口に出せば、何がだと言われるから、いなくなると寂しいと思われるのが羨ましいと思うと告げる。
一瞬固まった彼が軽く俺の唇を食むので、なんだろなと思っていれば、物凄く小さい声で何か言っている。至近距離なのに全く聞こえないので、もう一度言ってくださいなーと頼んだのだが、無言。何故だ。気になってしょうがないから、頬に手を伸ばして顔を覗き込んだところ、ようやくまた口を開いてくれた。
「だから、私は。その」
「はい」
「……ルシア。お前がいないのは、いなくなると」
「はい」
「……さ」
「さ?」
「寂しい、気が、しないこともない」
「……」
「おい。何か言え」
物凄く小さな声ではあったけれど、今彼は何と言ったのか。寂しい? 血に飢えただか塗れただか飲み干したいだか言われている騎士さまが。俺が、いないのは、寂しい気がすると。何回か反芻してようやく言葉の意味を理解出来て、でも全くなぜなのかはわからない。何故寂しいのか、俺がいれば寂しくなくなるのか、それとも俺が占める割合はそこまででもなくて、まあ無いとちょっと気になる程度なのかとか、もっともっと聞きたかった。
逐一全部を質問攻めにしていれば、最初はもごもごしていたレガルさまが、徐々にしっかりと言葉にしてくれるようになる。占める割合は大きいし、居なくなっては困るくらいだと言うから、信じがたくて何度も確認した。しつこいくらいに繰り返したけど、彼は全てに答えてくれたし、俺も寂しいかと聞かれたから、そう言えばそうだったかもしれないと気付く。
「でも俺はほとんど寝てるので、あんまりわかりません」
「そこは嘘でもとても寂しかったと言うべきだろう」
「気づいてしまったので、今後は多分寂しいです」
「はは、なら、なるべく家に居られるようにするか」
「そうしてください。でも俺は昼寝もしたいです」
昼寝に負けた……などとショックを受けていそうだったが、比べられるものでもないのでしょうがない。
「レガルさまも一緒に昼寝をしましょう。そうしたらお得な気がします」
「何が」
「しあわせが二つで二倍です」
俺の知る幸せの形はずっと暖かいソファの形だったけど、今は目の前の男の姿も幸せの証に見える。合わさればきっと倍幸せだろうと思ったから、是非とも協力していただきたい。苦笑した彼が頷いてくれるので、俺は大変満足した。
ゆっくりと、俺の肩口に頭を預けたレガルさまが、静かに問う。
「――ルシア。私がお前を抱く理由は、何だと思う」
「レガルさまも同じかはわかりませんが、俺が思うのは」
やっぱり質問の答えはまだわからない。でも、俺の場合で言えば答えはある。
気持ちがいいから。それは違わない。彼に触れて、触れられるのは間違いなく気持ちがいいことだ。
満たされるから。それも間違いない。人肌に触れるのは、ひだまりの中のソファのように暖かいものだ。
そして。
「レガルさまと繋がっているという実感があると、とても幸せだと思うからですね」
レガルさまにとってはどうですかと聞けば、それはきっとお互い同じ思いだろうと言ってもらえたから、なるほど質問の答えは少しは出せたのかもしれないと、自慢に思った。
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