初めての物語【B面】~First Story~

秋 夕紀

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第4章 初めてのキス

2 初めてのキス

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 しばらくの間、愛海は肩を抱かれたまま身動きできずにいると、
「愛海、こっち向いて。」愛海は言われるままに顔をぎこちなく向けると、真斗の顔が目の前にあった。近いと思う間もなく、いきなり顔が近づいてきて、真斗の唇が愛海の唇に当たった。まさに当たったというのが相応ふさわしい、初めてのキスだった。愛海はびっくりして真斗の目を見ていると、二度目のキス。真斗は無言で顔を近付け、今度はそっと小鳥が餌をついばむような優しいキスをした。
 愛海は目を閉じて、真斗の唇が重ねられる感触をしっかりと確かめていた。
~真斗~愛海とキスしている。女の子の唇は柔らかい。ずっとこうしていたいけど、
   息ができなくて苦しい。

 CDの音楽が止んでいる事も気が付かず、二人は長い時間そうしていたように感じたが、キスをしていたのはそれほど長くはなかった。真斗は唇を離して、
「愛海のこと、どんどん好きになっていくよ。」と耳元でささやいた。
「私も好きだよ、真斗。これからも、もっと仲良くしようね。」
~愛海~私、何言っているのだろう。意味深な言葉になってしまった。私は、真斗と
   ずっとキスをしたかった。まだ心臓がドキドキしている。

「おれ、キス初めてでドキドキした。愛海のファーストキスの感想は?」真斗は、肩に置いた指を動かしながら聞いてきた。
~真斗~ちょっと意地悪だったかな。硬くなっていたから、初めてだよね。

 愛海は少し間を置いて、
「女の子に、何でそんな事訊くの。言える訳ないじゃない。」と答えた。
~愛海~本当はさっき飲んだ甘いジュースの味がした。恥ずかしくて言えないよ。
   それに、これが初めてじゃないかも。

「お兄ちゃん、そろそろお母さんが帰ってくるよ。」階下から麻実が叫んでいる声が聞こえて、二人とも我に返った。
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