初めての物語【Ｂ面】～First Story～

第７章 初めての感覚

２ 砂浜での逢瀬

　愛海は夕食を食べて入浴し、自由時間になったので、茜には真斗と会ってくると言って、待ち合わせしているロビーに降りて行った。ロビーは広くて彼を探すのに苦労した。二人が手を繋いで海岸に出ると、薄闇の中に何組かのカップルの姿を見つけて、「自分達以外にも同じ事を考えている人達がこんなにいた」と言って大笑いした。
　沖縄の海は穏やかで、夜の闇の中に紛れて遥か遠くまで海が続いている。砂浜を歩きながら、真斗の手が愛海の肩に掛けられた。愛海は歩幅に気を付けながら歩いているが、肩を抱かれて歩くのは難しかった。波打ち際に並んで腰掛けた。
「誕生日おめでとう。今日は愛海の17歳の誕生日だよね。」真斗がプレゼントを渡してきた。多分お土産屋で買ったであろう物で、貝殻が散りばめられているアンクルだった。
「うれしい、ありがとう。誕生日を覚えていてくれたんだね。」愛海は真斗に身体を預け、胸に顔を埋めた。優しく真斗は彼女の肩を抱き寄せた。真斗はキスを遠慮しているようなので、愛海の方から真斗を見上げながらキスをした。
～真斗～自分からキスして来るなんて、今日の愛海は積極的だ。

　真斗は愛海の足首にアンクルを着け終わると、愛海を砂浜に横たえ自分も横に寝転んだ。愛海は上に乗ってくるのかと思い、ドキドキしていた。
「愛海、空を見てごらん。星がすごくきれいだよ。」真斗の言葉に、愛海は空を見上げた。見た事のないくらいの星が、夜空に散りばめられていた。愛海は幸せ感いっぱいで、真斗の上に胸を乗せてキスを求めた。さらに彼女から舌を動かすと、彼はそれに応こたえて口の中に彼女の舌を導いた。
～愛海～最初は塩辛かったけど、舌を入れた口の中は甘い味がする。何か
　　　変な感じがする。唾液と唾液が絡まって、飲み込めない。

　真斗は愛海の舌を自分の舌に絡からめたり、吸ったりしてキスの感触を楽しんだ。
同時に右手は、彼女の胸をＴシャツの上から弄まさぐっていた。そして、真斗は我慢し切れずに、シャツの下から右手を差し入れていた。
～真斗～今日の愛海はいつもと違う。俺の手を拒まない。直に触りたい。

　愛海はスポーツブラを着けており、真斗の手は容易に彼女の胸に直接タッチする事ができた。さらに、乳首を探り当てそっと指の腹で撫なでてみた。愛海はびくっとして、彼にしがみ付き口を強く吸ってきた。
～愛海～何だろう、この感覚。真斗の指が、私の誰にも触さわられた事のない乳首　
　　　を弄もてあそんでいる。駄目だよ、頭が変になりそう。

　真斗は右手を彼女の胸で遊ばせながら、左手を彼女の股間こかんに忍ばせた。ショートパンツの上からであるが、湿った感触がした。
～愛海～いやだ！私濡れているみたい。真斗の手で触られて分かった。おしっ
　　　こじゃないけど、恥ずかしい。

愛　海はそれ以上無理だと思い、真斗の手を抑おさえて、
「真斗、ギュっとして！」と要求した。
　点呼の時間が迫っていたので、二人は砂浜にもやもやとした気持ちを残したままホテルに戻った。辺りにいたさっきまでの人影は、まばらになっていた。修学旅行の最後の夜を、好きな人と夜の砂浜で海を見ながらキスをして、最高の思い出になったと愛海は思った。