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17.助けを求めて
しおりを挟む「“マド・クリード”!」
フェイが、魔力を放つと地面から土が盛り上がりゴーレムが出来上がった。
そうして100体のほどゴーレムを作り出し、城壁の外へ配置する。
辺境伯軍の襲撃で、村が富んでてきたことで周囲の注目を集めつつあることがよくわかった。
村の防御力をあげることが急務だった
「まぁ、今はこれくらいが限界かな」
フェイがもともと持っている魔力と、今村にある魔法石の量を考えると、既に作ってあった100体と合わせて200のゴーレムを動かすのが限界だった。
「さすがご主人様です。あっという間にゴーレム部隊を作ってしまわれるとは……」
「……王国が本気で攻めてきたらこれじゃぁまずいんだけど。でもまぁ、今はありもしない不安に怯える必要はないね」
――と、村の防備を固める作業が落ち着いたちょうどその頃。
村に、突然の来訪者があった。
城壁の外にいたフェイたちはすぐさまそれに気がつく。
馬に乗ってやってくる30人ほどの集団。
全員武装しているので、フェイたちも警戒する。
フェイはすぐさま城壁の門を閉じて、ゴーレムたちを起動した。
――だが、相手が近づいてくると、戦いに来たわけではないことがわかった。
馬に乗った人々は、城壁の百メートルほど手前で停止し、戦闘の意思がないことを旗で示した。
「フェイ様、どうやら戦う気で来たわけではなさそうですが……」
「城壁の外なら安心です。まずは話を聞いてみましょう」
フェイはそう言うと、自ら来訪者たちの元へと近づいていく。村長もそれに続いた。
すると先頭にいた男が馬から降りて、フェイの方へと近づいてくる。
「――私は末席ながらドラゴニア王国の貴族で、この近くに領地をいただいているクレナール男爵と申します」
貴族とのことだが、屈強そうな男で騎士と言われても違和感はない。
「フェイ様はいらっしゃいますか」
「僕がフェイです。……村に何かご用ですか?」
するとビートは、騎士らしく膝を地面についた。
「フェイ様! どうか我々の領土をお救いください!」
突然の申し出にフェイと村長は顔を見合わせる。
「どう言うことでしょうか?」
「現在クレナール男爵領では、魔界への扉が開いてしまい、魔物たちに襲われて降ります。自分たちの兵力でなんとか魔物たちと戦っているのですが、対応しきれず民に被害が出ているのです」
「魔界への扉ですか。確かにそれは大変ですね。しかし、宮廷へ助けは求めたのですか?」
フェイが聞くと、クレナール男爵は、もちろんと頷いた。
「しかし、宮廷に男爵領ごときに割く兵力はないと断れました。それどころか、増税に次ぐ増税を課され収められないなら領土を没収し、領民を全員奴隷にすると脅されています」
「それはひどい……。宮廷はそんなことを」
村長が驚きながら同情する。
「今の宮廷なら……ありえるかもしれませんね」
フェイはひどい話だとも思いながら、ありえない話ではないなと思った。
「フェイ様は宮廷にいらっしゃった時に言語術師としてたった一人で魔界への扉を閉めたと聞きました。そのフェイ様が、今こちらの未開の地にいると言う情報を聞き、こちらに参りました。何卒、我々に力をお貸しください!!」
――そんな事情を聞いては放っては置けない。
「ええ、わかりました」
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