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俺はオコです!⑷
しおりを挟むこの目の前の男に恨みはないが…
そう思いながら、全身の力を抜いてラフな体勢をとる。今度はこちらから突っ込む。一気に距離を詰め、先ほど一撃をくらわした鳩尾に肘を食い込ませ、反対の手で拳を作って下から顎を一撃。そして止めと言わんばかりに顔面を正面付き。
いつもの俺の戦い方とは違った、怒りに身を任せて相手がより無様に見えるようにしてしまった。
少し大人げなかったかと反省しつつも後悔はしていない。
「ベル!カッコよかったけど、もう無茶しないでね?」
シガンたんにはばれたのか、そう言われた。
「はい、申し訳ございません。少々頭に来てしまって。」
「なっ!何故だ!何故勝てない!」
「チュリア=ジーリオ様、サムソン家をライバルとして見るのは勝手ですが…そんな人で負けるほど私は弱くありません。シガン様を、サムソン家を舐めないでください。」
一言釘を刺して、シガンたん達がいるところまで歩みを進める。
「(そしてもう一生関わってこないでください。)」
「ベルデさん!すごくカッコよかったです!いつもとは違ったブラックベルデさんでしたけど、サムソン家を大切に思っているんだなって!」
「さすがはサムソン家従者。皇家にも欲しい人材だ。」
「それは残念ですね。ベルはサムソン家ではなく僕に仕えているので。」
やっぱり何事もなくとはいかなかったけど、そんな平和な会話をしているシガンたん達を見ていると荒んでいた心は洗われるようだ。
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