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後は若い者同士で⑴
しおりを挟む「いやぁ~一時はどうなることかと思ったんだが、何とかなって良かったな、シガン。」
そう言って陽気に笑うのはご当主様。どうやら俺の知らない所で色々と話しが進んでいたらしく、かなり焦っていたんだとか。内容は詳しく教えてくれないけど。
「でも本当に良かったわ。ベルデがシガンの隣にいてくれるとこれからも安心ねっ♪」
キャピッとそういう公爵夫人。
そう、今日は晴れて付き合うことになった報告をしに公爵家へ来ているのだ。正直恥ずかしいどころのもんじゃない。顔が沸騰する勢いだ。
「茶化さないでください。…でもありがとうゴザイマス。」
そう言って照れた様子でお礼を言ったシガンたんを見て公爵夫妻は顔を見合わせて微笑み合った。
「(いいなぁ、こういう関係性憧れる…俺もシガンたんと、って何考えてんだ俺。)あの、お騒がせしてしまって申し訳ありませんでした。」
一応俺からも謝罪を…
「あら、ベルデは気にしなくて良いのよ!どうせシガンが遠回しなことをしたんでしょうに。男なら真っ直ぐズバッと言わないとね♪」
そう言った公爵夫人の言葉が刺さったのかギクリと肩を揺らすシガンたん。俺からはノーコメントだ。
「あの、いつ頃からシガン様より話を聞いていたのですか?」
俺は思わずずっと気になっていたことを口にする。
だってこの数年ろくにシガンたんと話をしなかったし、まぁ、俺が避けていたんだけど。なのにとんとん拍子に話しが進んでいるのはどうしてだろうと思って…
「私がシガンから話を聞いていたのは何年も前だな。話が固まったのはここ数年のことだが、シガンがベルデとって言っていたのは物心ついた時ぐらいからか?そう考えると大恋愛だな!」
と他人事の様に笑う当主。確かに大恋愛だ。でもどうして俺…
その気持ちが出ていたのか、ふとシガンたんを見つめてしまい公爵家夫婦からのニヤニヤ顔をプレゼンされる。
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