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第1章
来訪
しおりを挟む毎日任務後の時間を少しずつ使い、より強化な警備、護衛を作り上げた。それも今日で終わりだ。
噂の隣国の使節団が来る日だ。私はいつも通り王太子の護衛についている。
陛下や皇后様、王太子が中心に座り、その両側に宰相様達が携えている。
今私はロイと一緒に王家の後ろに控えている。ローブを深く被って。
騎士は動きやすくするため鎧のみだが、魔術師は魔法を練っているのを気づかれにくくするためローブを頭から被って全身を隠すようにしている。
「本日ははるばる遠くからご足労いただきありがとうございます。まずは旅の疲れを癒すため、お部屋を用意しています。荷物の整理などの時間も要するかと思います。その後は是非歓迎会を開きたいを思っていますので終わり次第お声がけしていただければと思います。」
サーシスはホストとして、陛下との挨拶が終わった後声を掛ける。
そのタイミングでこちらを向いた使節団を観察眼で鑑定する。人数は5人、全員男。フードを被っているため容姿は分からないが、魔術師が2人と騎士らしき人が3人。全員のレベルは中々のもので下手するとうちの隊員たちより強いかもしれない。
今のところ魔法を練っている様子もないからこのまま何も起こらないことを願うのみ。
「では、後ほど。」
そう言ってサーシスは謁見の間から5人を送り出す。いや、厳密には送り出そうとしたとき一番前で膝まづいていた一人が顔を上げた。
「失礼ながら殿下、私に発言の権利をいただけませんか?」
「あぁ、構わない。」
いきなりの行動に戸惑いながらサーシスは返事をする。それに合わせて私は何か来ると思い戦闘態勢に入る。
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