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第3章
シャミリア様
しおりを挟む「ナーシィ様!折角こんなキレイなところに来たんですのよ!眉間に皺なんか寄せてないで楽しみましょう。」
裏に渦巻いていそうな思惑を考えているとシャミリア様に声を掛けられた。
一介の護衛を様付けしている様子から分かる人もいるかと思うが、シャミリア様は私のファンなのだそうで……
「ナーシィ様、あちらに庭園があるそうなのです。ご一緒しませんか?」
「ナーシィ様、美味しいお菓子を焼いてくださっているんですの。一緒に食べましょう?」
こんなふうにもうベッタリ。
ロイと私でもこんなにベッタリはしてないと思う。
妹みたいで可愛いんだけどね。
「シャミリア様、時間はまだたくさんあります。ゆっくり荷物の片づけからいたしましょう。」
「そ、そうですわね。私ったらはしゃぎすぎましたわ。お恥ずかしいですわ。」
シャミリア様はサーシスの好きな人についてご存知のようで、嫌ではないのかとそれとなく聞いたことがある。前のステファニア令嬢のことがあるから敏感になっていたみたい。今考えたら、物凄く失礼な内容だったなって思う。
でも、シャミリア様はサーシスが誰が好きでも政略結婚なのだから関係ないと、むしろ私の近くにいられるなら嬉しいとまで言ってくれたのだ。
それまではシャミリア様の好意を素直に受け入れられなかったけど、ちょっとずつ受け入れるようになった。今では主従の関係ではあるものの、いい友好関係を築きたいと思っている。
「おーいナーシィ、荷物片付けるぞ。」
ロイの私を呼ぶ声で思考を止め、現実に戻る。
「はーい。」
荷物を片付けた後、待っているのは夕食だ。ちなみに昼食は道中で済ませた。
連れてきたメイドや執事と言った使用人たち、護衛達と交代で頂く。その後は自由時間になっている。護衛は夜勤があるがこの避暑地にいる間は、1人一回までになっている。
私は割り当てられた部屋に行き、休息をとる。
夢を見た。懐かしいくもあり、あまり思い出したくない頃の思い出の夢を……
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