【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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 コンッコンッコンッ――――

「はい。」

「失礼する。久しいな、輝樹。」

「いや、昨日会ったんだが…」
 
 シーン

「す、すまない…昨日の食堂での件で折り入って頼みがあるんだが、いいだろうか。」

「あぁ、色々あったと聞いた。転校生だったな。」
 
輝樹は結局今回も隊員から報告は来なかったが、紡から詳しい話を聞いていた。騒いでこそいたが、けが人が出たとかではなく転校生が目立ったというだけで事件と言う事件ではなかったはず…と輝樹は考える。

「その転校生のことで話がある。夜須川栄人と言うんだが…とんでもない美形でな、なぜか見入ってしまうんだ。色
白の首筋は噛みついて俺の後を残したくなるし、夜を彷彿とさせる濡れた目は妖艶で吸い込まれるようだ。あの目に覗き込まれると何も感がられなくな。」


「ちょっと待て、なんだ?俺は何を聞かされているんだ?稔、俺は忙しんだが…」

それもそうだ、延々と転校生の魅力を語られたところで一度も会ったことない輝樹は否定も肯定もできないのだから。

「あぁ、すまない。だが、一目見れば分かるだろう。そこで、だ。何とも言えない色気に当てられた飢えた野郎達が余計なことを考える前に手を打つ必要があると思ったんだ。」

「ふむ、分かった。何も起こってない今は巡回や警備を強化するしかないな。俺は会ったことがないから分からないがお前がそこまで言うのなら一理あるのだろう。話は以上か?なら、俺は仕事の続きをする。」

「ちょ、ちょっと待て!幼馴染に対して冷たくないか?」

稔は一応幼い頃からの仲で、大抵のことは分かり合えるほどは仲がいいと自負している輝樹に話が終わり次第早々に部屋から出されそうになり拗ねた様に尋ねる。

「幼馴染は関係ないだろう。それよりお前のところも暇ではないんだろう?ならとっとと帰った方がいい。」

が、仕事人間の輝樹には関係なく一刀両断され、風紀委員室から放り出される。

「ひっでーの。ちょっとぐらい世間話に花咲かせたって」

「部屋の前で騒ぐなー」

「ハイ、すいません。失礼しましたー!」


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