【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

文字の大きさ
59 / 149

最悪のエンカウント

しおりを挟む



今日は一人でショッピングモールに来ていた。父さんと母さんは家でゆっくりしている。帰りにお土産としてケーキでも買って帰ろう。

家の近くのショッピングモールはかなり大きいもので、中高生など若者が多い。夏休みだからか心なしかいつもより賑わっているように感じる。

一目も気にせず、気ままに行きたいところ、見たいものを回っていく。
特に買いたいものもなかったから収穫もなく、お昼時になってしまった。

「どうしよう…どこも混んでるしなぁ。」

お腹が空いているけどどこもいっぱいで入るのには時間がかかりそうだ。

「あれ?栄人?」

途方に暮れていると俺の名前を呼ぶ声がして振り返ると………

「宗也!?どうしてここに…」

そう我らが生徒会庶務が仁王立ちしていた。ちょっと盛ったわ、そこにいた。

「ここ、家の分家の家から近くてちょうど買い出しに来てたんだ。」

分家って…かなりのお家柄だと改めて思う。忘れがちであるが、あの王道学園はお坊ちゃま学園とも言われているほどお金持ちの家の子供が多い。宗也もそうだけど多分他の生徒会のメンバーも相当なのだろう。風紀もしかり。

「そ、そっか。お疲れ。」

「栄人は?どうしたんだ、1人で。」

「あぁ、俺は帰省したから気分転換でもしようかと思って来てたんだ。お昼時でご飯どうしようか迷ってた感じなんだけど…」

「俺も……良かったら一緒に食べるか?」

「え、いいのか?誰かご家族の方とかは…」

「別に気にしなくていい。さ、行くぞ。」

そのまま促されるがまま宗也の歩く後ろを金魚の糞の様について歩いていると…

「あれ?栄人じゃね?」
「うっわ!マジじゃん!」
「やべぇ、萎えるわぁ。」

そんな声が聞こえてきたが無視をする。今は宗也といるし気にするほどのものでもない。

「え、無視?ガン無視じゃん、ウケる!」
「マジ何様だよな。」
「まぁ、仕方なくね?そういう奴じゃん。自分の立場が悪くなったら無視する的な。」

今の俺は何を言われても気にしない。あんな奴らは関係ないし。

「栄人……」

宗也に呼ばれて顔を見上げると、何て声を掛けたらいいか分からないとでもいうような顔をして心配げにこちらを見ていた。

「あ~気になるよな?ごめん、変なこと聞かせて。取りあえずどっか食べれるとこ入ろう。」

頑固として雑音が聞こえる方は振り返らず話す。

「あれぇ~?こいついっちょ前に友達連れてんじゃん、ウケる!」

なんもウケねぇわ。そんなにウケるならずっと笑っとけ。

「こいつに友達とかなんかの間違いじゃね?どうせケツでも売ったんじゃねぇの?」

今の言葉を聞いて宗也が何を思ったのかは分からないけど、軽蔑とかされるんかな。
 
 ダンっ

思わぬ音に振り向くと、宗也が今話していた野郎の横に足蹴りをしていた。所謂、足で壁ドン的な?

「耳障りだ、失せろ。」

いつもより何オクターブも低い声でそう告げた宗也を見て、謎の絡みをしてきていた3人衆はそそくさと去っていった。


すると、宗也はクルッと回って俺の方を見て「来い。」とだけ言って歩き出す。


え、なになに?怖いんだが、これ逃げたらマズいか?




しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】君を上手に振る方法

社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」 「………はいっ?」 ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。 スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。 お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが―― 「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」 偽物の恋人から始まった不思議な関係。 デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。 この関係って、一体なに? 「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」 年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。 ✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧ ✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧

天使の声と魔女の呪い

狼蝶
BL
 長年王家を支えてきたホワイトローズ公爵家の三男、リリー=ホワイトローズは社交界で“氷のプリンセス”と呼ばれており、悪役令息的存在とされていた。それは誰が相手でも口を開かず冷たい視線を向けるだけで、側にはいつも二人の兄が護るように寄り添っていることから付けられた名だった。  ある日、ホワイトローズ家とライバル関係にあるブロッサム家の令嬢、フラウリーゼ=ブロッサムに心寄せる青年、アランがリリーに対し苛立ちながら学園内を歩いていると、偶然リリーが喋る場に遭遇してしまう。 『も、もぉやら・・・・・・』 『っ!!?』  果たして、リリーが隠していた彼の秘密とは――!?

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

王道学園のモブ

四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。 私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。 そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。

悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。 原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。 「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」 破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。 しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。 「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」 いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!? 全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ! 小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

風紀委員長様は王道転校生がお嫌い

八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。  11/21 登場人物まとめを追加しました。 【第7回BL小説大賞エントリー中】 山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。 この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。 東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。 風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。 しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。 ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。 おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!? そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。 何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから! ※11/12に10話加筆しています。

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

処理中です...